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2012年12月23日日曜日

脳死判定・脳死下臓器移植関連:その⑧【問題点や課題など】

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□問題点など

  • 複数のチームが来院し、同じ部屋に数チームが入り待機や手術を順番にかつ交代しながら行うため、かなり広めの手術室が必要。
  • 他のチームのための器材を広げておいたり、待機したり、摘出臓器の処置などの部屋が必要なため、隣接した2室が望ましい。
  • 昼間行う場合でも夜間行う場合でも問題がある(下記)
  • 昼間では、予定手術との兼ね合い、対応できるスタッフの数、手術室数、他の緊急手術への対応または非対応の協力要請が必要。
  • 夜間では臓器搬送の問題(飛行機や新幹線などの時間)、マンパワー確保、夜間の他の緊急手術への対応または非対応。
  • スタッフ、提供家族の体力的・精神的(移植医療に関わるという)ストレス。
  • 周術期への家族への適切な対応・精神的な配慮。
  • 現在移植医療に対応できる施設は、大学病院や医療センターレベルの地域の中核病院。2/3の施設では脳死判定終了までに日常診療への影響が及び、1/4の施設では救急患者の受け入れが困難・不能の状態に陥っている。
  • 関連スタッフの時間的負担と人的負担(マンパワー)が大きく、各種手続きなどの所要時間の短縮や、脳死判定〜ドナー管理まで至る人的資源など含めた支援体制の確立が求められている。
  • 各施設ごとの院内Coの設置や彼らを中心としたマニュアルの作成やシミュレーションなどを行うことも重要である。

※次は新生児〜小児手術関連をできるだけ・・・m(__)m

2012年12月22日土曜日

脳死判定・脳死下臓器移植関連:その⑦【麻酔科医の役割〜実際の臓器摘出術の管理】

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※麻酔科は

  1. 脳死判定医として、あるいは
  2. 臓器摘出術の呼吸循環管理医のいずれかとして臓器提供に関わる。
  3. 脳死判定医はドナー管理を行なってはならない


2012年12月20日木曜日

脳死判定・脳死下臓器移植関連:その⑥【摘出術前までのドナー管理】

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□脳死後の主な生理学的変化
◯脳:頭蓋内圧の上昇、壊死
◯甲状腺:TSHの低下によりT3、T4の低下が見られることがある。
◯肺:肺炎、無気肺、ARDS、神経原性肺水腫などによる低酸素血症
◯肝臓:炎症性サイトカインの放出による障害
◯心血管系:急性期にはカテコラミン放出による異常高血圧(交感神経ストーム)が生じる。その後血管運動中枢の機能消失による血管抵抗の低下、自律神経反射の消失、収縮能の低下(ない場合もある)による低血圧が生じる。
◯腎臓:低灌流や薬物による尿量減少、または尿崩症による尿量増加の両方の可能性がある
◯その他高血糖、低体温、全身性炎症反応の上昇や脱水、電解質異常は敗血症が見られることがある。

2012年12月11日火曜日

脳死判定・脳死下臓器移植関連:その⑤【移植決定までの評価(1〜3次評価)】

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※臓器摘出術に至るまでには3回の評価が行われる。1回目はJOTNCo、2回目はMCを交えて、3回目は摘出チームの医師が最終的に評価し、摘出術に臨む。

□第1次評価

  • 提供施設からドナー発生の第一報が日本臓器移植ネットワーク(JOTN)に。ここでCoは患者基本情報と循環動態を確認した後に提供施設へ。
  • 本人及び家族の臓器提供意思の確認と絶対的禁忌事項がないか確認。
  • 絶対的禁忌事項は悪性腫瘍(原発性脳腫瘍などで完治したものは除く)、活動性の重症感染症(敗血症)、HIV抗体陽性、HB抗原陽性。


脳死判定・脳死下臓器移植関連:その④【移植コーディネータ】

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□移植コーディネータとは

  • 臓器の提供側と受け取る側の間に立ち、公正公平に、かつスムーズに臓器提供が行われるように調節する者
  • 『JOTN所属の移植コーディネータ』とその『臓器提供施設が所在する都道府県に所属する移植コーディネータ』がペアで派遣されるのが一般的。
  • 初動は2〜3人、最終的には脳死判定終了までに4〜6人が派遣される。


□移植コーディネータの役割(大雑把に)

  • 臓器提供が滞りなく行われるための調整
  • さまざまな必要事項の確認、書類などの作成。
  • 家族への詳細な説明と、意思決定の手助け(臓器提供のための説得ではない)


2012年12月9日日曜日

脳死判定・脳死下臓器移植関連:その③【脳死判定】

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□法的脳死判定の判定医の資格

  • 倫理委員会などの委員会において選任されていること
  • 氏名、診療科、専門医などの資格、経験年数などの必要事項は求めに応じて提示できるようにしておく
  1. 当該施設に所属する者
  2. 脳神経外科、神経内科、救急医、麻酔・蘇生科・集中治療医または小児科医で学会専門医または学会認定医の資格を持つもの
  3. 脳死判定に関して豊富な経験を有する者
  4. 臓器移植に関わらない者
⇒脳死判定は上記の資格を満たす医師が2名以上で行う
少なくとも1名は第一回、第二回の脳死判定を連続で行う

脳死判定・脳死下臓器移植関連:その②【脳死判定開始まで】

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□opt inとopt out

opt in:臓器提供の意思が”ある”ことが原則
  • 狭いopt in:本人が生前に臓器を提供することを同意していない限り臓器提供を原則禁止する。
  • 広いopt in:本人の何らかの意思表示がない場合は、家族の承諾で臓器提供が可能になる(現在の日本はこちら)。採用国はアメリカ、イギリス、ドイツ、デンマーク、スイス、オランダ、オーストラリア、ブラジル、韓国
opt out:臓器提供拒否の意思が”ない”ことが提供の原則
  • 狭いopt out:本人が臓器提供を拒否する意思を示していない場合に臓器提供が可能。
  • 広いopt out:本人が臓器提供を拒否する意思を示していない場合でも、家族が拒否すれば臓器提供が行われない。スペイン、オーストリア、ベルギー、フランス、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、シンガポールなど。


脳死判定・脳死下臓器移植関連:その①【脳死〜臓器移植までの全体の流れ】


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※用語:JOTN:日本臓器移植ネットワーク
    Co:コーディネータ
    MC:メディカルコンサルタント


□イスタンブール宣言
自国人の移植は自国内で
日本には現在、心臓移植の適応患者が400人前後いるが、身体が小さく、国内で心臓移植を受けれない患者はその3割を占める。


□脳死〜臓器移植終了までのおおまかな流れ
脳死判定開始まで

  1. 脳死(とされ得る)患者の発生
  2. 家族が脳死状態にあるという説明を聴く意思を把握する。
  3. 本人および家族の意思が確認できればJOTNへの第一報を入れる。
  4. JOTNからCoが派遣(初め2人程度から最終的には4〜6人)され、第1回のミーティングが開かれる(後述)。臓器提供のための第1次評価(後述)
  5. Coからの家族への臓器提供の意思の確認と説明。臓器提供の意思が確認できれば必要書類が準備される。
  6. 家族の意思を確認し、第2回のミーティングが開かれる(後述)。この後脳死判定へ。