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□移植コーディネータとは
- 臓器の提供側と受け取る側の間に立ち、公正公平に、かつスムーズに臓器提供が行われるように調節する者
- 『JOTN所属の移植コーディネータ』とその『臓器提供施設が所在する都道府県に所属する移植コーディネータ』がペアで派遣されるのが一般的。
- 初動は2〜3人、最終的には脳死判定終了までに4〜6人が派遣される。
□移植コーディネータの役割(大雑把に)
- 臓器提供が滞りなく行われるための調整
- さまざまな必要事項の確認、書類などの作成。
- 家族への詳細な説明と、意思決定の手助け(臓器提供のための説得ではない)
□移植コーディネータとJOTNの仕事の大まかな流れ
◯臓器提供施設に向かうまで
- 臓器提供予定施設よりドナーとなる可能性のある患者情報の第一報が入ると、まずは適応を確認。
- 確認事項は、年齢、原疾患、既往歴、感染の有無、悪性腫瘍の有無、循環動態。循環動態が不安定な場合には、上記基本事項を確認後、施設に急行する。循環動態が不安定で回復しない場合には、心停止後の腎移植のみが行われることになる場合が多い。
- 循環動態が安定していれば、さらに詳しい容態や、脳死判定に関わる事項の確認、本人および家族の意思表示の有無などを確認した後に施設に向かう。
◯提供施設に到着〜脳死判定開始まで
- 当該施設に到着後は主治医や病棟看護師と面会し、病歴や家族の受け入れの状況の再確認、施設の体制、脳死下臓器提供の可能性の有無の確認。
- 脳死判定の前提条件、除外項目、ドナー適応基準、(特に18歳未満の場合は、被虐待児かどうかの確認も重要)に照らして問題ないかを確認(一次評価)後、家族構成や受け入れ状況を確認。
- 本人の意思の確認を行う。その際にチェックするものとしては、以下のもの。
・健康保険証や運転免許証の臓器提供意思表示欄(シール)への記載の有無
・財布や手帳などにある意思表示カードの所持
・その他の書面や口頭による本人の何らかの拒否の意思の有無
・意思登録システムの意思表示の有無
- 家族に面会し、臓器提供についてのわかりやすい説明、家族の意思決定のための手助けをする。実際の説明を聴いて家族の意思は変化することがあり、脳死下提供が心理的に受け入れられなくなり、心停止後の腎摘出のみになったり、臓器提供自体が中止になることもある。
- 家族の承諾が確認できれば、必要書類(脳死判定承諾書、臓器提供承諾書)への記入と捺印などをもらう。JOTNにもその旨連絡し、JOTN本部内にあっせん対策本部を設置し、臓器提供全般を支援する体制を整えるとともに、レシピエントの選定作業に入る。Coは当該施設のスタッフに法的脳死判定から臓器提供終了までの一連の流れと準備について説明し調整する。この後1回目の脳死判定が行われる。
- 2回目の法的脳死判定が終了するまでの間に、レシ選定に必要なドナーの詳しい医療情報を収拾すると同時に、ネットワークが派遣するMCと協力して第二次評価を行い、その情報をあっせん対策本部にまわす。
◯脳死判定終了〜臓器提供終了まで
- 2回目の脳死判定が終了すると、あっせん対策本部はレシの選定を開始。脳死下臓器提供では、初動の2〜3名のCoに続いて、判定終了までに手術室担当などのCoがネットワークから派遣される(最終的に4〜6人体制)。
- Coは臓器摘出のためのスケジュールの作成と臓器搬送路の調整を行う。具体的な搬送計画はあっせん対策本部が立案する。
- スケジュールの立案に最も影響するのは2回目の脳死判定終了時刻と心臓提供の有無。心臓提供が想定されると、阻血時間を4時間以内にするため、ヘリを使用することが多いが、日の出から日没までしか飛べないので、摘出術を早朝から行うか、日没までに減りが基地に帰投できるように計画する。2回目の終了時刻によってレシ選定の時間から摘出チームの現地派遣が可能な時間までが想定できる。
- あっせん本部はヘリや飛行機のチャーター、民間航空機や新幹線などの移送手段の予約を行う。
- なかなか予定どおりには行かないことが多い。臓器摘出の中止、摘出術が早まる、遅れる、霧でヘリの着陸が遅れたなどなど。
- 3次評価は摘出医自身がドナーを診察して決定するため、移植コーディネータは施設に不慣れな摘出チームの誘導にあたる。すべてのチームの診察が終われば、手術室担当コーディネータを中心として摘出チームミーティングを行う(日本独自)。
- 摘出術の前に家族とドナーの別れの時間を作る。
- 術中は手術室担当の移植コーディネータが先導して、ドナーに感謝の黙祷を捧げてからの執刀。手術の記録を行うとともに進行状況をあっせん対策本部に伝達。この情報は移植施設や臓器搬送の関係者に伝えられ、手術や臓器搬送の準備が進められる。
- 術後はドナーの体内に手術器械が残されていないかを確認、身体が綺麗に征服されているかを確認し手術室から見送る。その後あらためてエンゼルケアされ家族の元へ。家族担当コーディネータは家族に付き添い、可能な限り家族の要望を満たせるように手配する。
- 移植終了後はドナー家族にレシの経過報告をしたり、厚生労働大臣からの感謝状を渡したりなど。匿名のサンクスレターの仲介も。
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