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2013年1月10日木曜日

51回麻酔科専門医試験 症例7−1【腕神経叢ブロック(鎖骨上アプローチ)】

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【症例7−1】

23歳の男性。身長178cm、77kg。左橈骨骨折術後の内固定材抜去術を予定した。術前検査で特に異常所見はないが、小児期から気管支喘息がある。麻酔法は腕神経叢ブロックを予定した。

質問
1)術前評価
①術前回診で気管支喘息に対する必要な診察と問診について述べて下さい。
②手術前日の回診時に喘鳴を聴取しました。患者本人は「朝調子が悪く吸入薬を使用したが現在は楽になっている」と言っています。どのように対処しますか。

2)麻酔法
①腕神経叢ブロックにはどのようなアプローチ法がありますか。4つ述べてください。
②腕神経叢ブロック鎖骨上法について副作用または合併症を4つ述べてください。
③鎖骨上アプローチの超音波画像です。各部位の名前は何ですか。
④局所麻酔薬投与時には何に気をつけどのように投与しますか。

3)危機管理
①1.5%のメピバカインを20ml用いてブロックを施行直後、患者が不穏になり間もなく意識消失と痙攣を呈しました。血圧の低下も見られました。何を一番疑いますか。
②どんな対処をしますか。







23歳の男性。身長178cm、77kg。左橈骨骨折術後の内固定材抜去術を予定した。術前検査で特に異常所見はないが、小児期から気管支喘息がある。麻酔法は腕神経叢ブロックを予定した。

質問
1)術前評価
①術前回診で気管支喘息に対する必要な診察と問診について述べて下さい。

  • 発作の頻度と程度、最終発作、治療とその反応性、発症に時期的なものがあるかの確認
  • 常用薬の確認
  • 聴診

②手術前日の回診時に喘鳴を聴取しました。患者本人は「朝調子が悪く吸入薬を使用したが現在は楽になっている」と言っています。どのように対処しますか。

  • 挿管による全身麻酔が予定されていたならば原則延期。気道の過敏性は2週間程度は持続することに加え、手術としては緊急性が皆無。
  • 腕神経叢ブロック単独で施行可能であれば、術当日は常用薬があれば内服または吸入、搬入前に吸入を行い手術を行なってもよいかもしれない。
  • どちらにしろ気管支喘息発症のリスクについては十分に説明。


2)麻酔法
①腕神経叢ブロックにはどのようなアプローチ法がありますか。4つ述べてください。

  • 斜角筋間アプローチ
  • 鎖骨上アプローチ
  • 鎖骨下アプローチ
  • 腋窩アプローチ

②腕神経叢ブロック鎖骨上法について副作用または合併症を4つ述べてください。

  • 血管内誤注入
  • 気胸
  • 血胸
  • 星状神経節ブロック(Horner症状)
  • 横隔神経ブロック(50%程度に起こる)


③鎖骨上アプローチの超音波画像です。各部位の名前は何ですか。

  • 鎖骨下動脈
  • 神経叢
  • 第一肋骨

④局所麻酔薬投与時には何に気をつけどのように投与しますか。

  • エコー見ながら神経内に誤注入していないかを確認。
  • 血管内誤注入による局所麻酔薬中毒に注意。
  • 吸引して血液が引けないのを確認するのはもちろん、初めに少量注入し患者の様子を確認後に残りを注入する。


3)危機管理
①1.5%のメピバカインを20ml用いてブロックを施行直後、患者が不穏になり間もなく意識消失と痙攣を呈しました。血圧の低下も見られました。何を一番疑いますか。

  • 局所麻酔薬中毒

②どんな対処をしますか。

  • まず応援を呼んでもらう
  • 痙攣を止める(ベンゾジアゼピン系)と気道確保。
  • 輸液・昇圧約などでバイタルの維持、必要に応じて蘇生処置。
  • VTにはアミオダロンなど。
  • IVLE









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