51回麻酔科専門医試験 症例5−2【外傷性顔面骨骨折】

５３回版の「まとめファイル」に関しては”こちら”を参照。

５２回試験の結果の詳細・いただいた感想などについては”こちら”を参照。

５２回受験者の方々の体験談は”こちら”を参照。
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【症例5−2】

20歳の男性。身長175cm、体重60kg。飲酒後、駅のホームで意識消失、転倒し顔面を強打した。当院に搬送され口腔外科で2箇所の下顎骨骨折と診断され、3日後に手術予定となった。

質問
１）術前評価

①ここに、顔面に3D-CT画像を2枚示します。骨折している部位を指摘してください。
②この画像を含め、この患者の術前の問題点を2つ述べて下さい。
③意識消失を来す器質的疾患を3つ述べて下さい。
④器質的疾患を鑑別するための検査として何を施行しますか。

２）麻酔方法
①頭蓋底骨折がない状況で、麻酔導入から気管挿管までのプランを教えてください。
②気管支ファイバースコープを用いて経鼻挿管に行う場合に仕様する鎮痛・鎮静薬とその量を答えてください。

３）術後管理
①術後鎮痛をどのように行いますか。
②下顎骨折術後患者の管理上注意すべき点を2つ述べて下さい。







20歳の男性。身長175cm、体重60kg。飲酒後、駅のホームで意識消失、転倒し顔面を強打した。当院に搬送され口腔外科で2箇所の下顎骨骨折と診断され、3日後に手術予定となった。

質問
１）術前評価

①ここに、顔面に3D-CT画像を2枚示します。骨折している部位を指摘してください。

• 下顎骨前面のオトガイ部付近
• 左関節突起部分

②この画像を含め、この患者の術前の問題点を2つ述べて下さい。

• フルストマック
• 開口障害の可能性含め気道確保困難の可能性

③意識消失を来す器質的疾患を3つ述べて下さい。

• 脳出血（若年なのでAVMなど）
• 不整脈による脳虚血
• 低血糖
• 年齢関係なければ脳梗塞や大動脈解離など・・・

④器質的疾患を鑑別するための検査として何を施行しますか。

• 採血
• 頭部CT・MRI
• 心電図

２）麻酔方法
①頭蓋底骨折がない状況で、麻酔導入から気管挿管までのプランを教えてください。

• 少量フェンタニルを用いて意識下経鼻ファイバー挿管。

②気管支ファイバースコープを用いて経鼻挿管に行う場合に仕様する鎮痛・鎮静薬とその量を答えてください。

• 当院では少量フェンタニル（200μgまで）のみ。
• 施設によってはミダゾラムやドロペリドール、少量アルチバ（0.1γ程度）を使用

３）術後管理
①術後鎮痛をどのように行いますか。

• NSAIDs＋ペンタゾシン
• フェンタニルによるIV-PCA

②下顎骨折術後患者の管理上注意すべき点を2つ述べて下さい。

• 血腫による気道閉塞⇒顎間固定しているはずなのですぐに挿管が難しい。
• 緊急気道確保（緊急気管切開など）の準備