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【症例4−1】
61歳の男性。身長166cm、体重53kg。5年前に交通外傷で気管損傷し、気管狭窄がある。最近、起座位でないと就寝も困難となり、空気下のSpO2は90%程度だった。今回、第3、4気管輪の気管切除形成術を予定した。
この麻酔、かけたことありません・・・。おかしな所があればご指摘いただけるとうれしいです・・m(__)m
質問
1)術前評価
①術前に行うべき検査を4つ述べてください。
②酸素解離曲線の偏移がないとすると,酸素飽和度90%のときの酸素分圧はどのくらいになりますか。
2)術中管理
①術前に準備すべき物品を3つ述べてください。
②麻酔導入時の注意点をあげてください。
③具体的な麻酔方法を述べて下さい。
④気管切除中の酸素化、二酸化炭素排出の方法を3つ述べてください。
術中にPCPSを用いて酸素化を維持することになりました。
⑤PCPSによる管理の注意点を2つあげてください。
3)術後管理
①術後管理の注意点を3つ述べて下さい。
②術後鎮痛の方法と投与量を述べてください。
61歳の男性。身長166cm、体重53kg。5年前に交通外傷で気管損傷し、気管狭窄がある。最近、起座位でないと就寝も困難となり、空気下のSpO2は90%程度だった。今回、第3、4気管輪の気管切除形成術を予定した。
この麻酔、かけたことありません・・・。おかしな所があればご指摘いただけるとうれしいです・・m(__)m
質問
1)術前評価
①術前に行うべき検査を4つ述べてください。
- 一般検査以外では
- 動脈血ガス
- スパイロ
- 気管支鏡検査(狭窄が高度に進展している場合は注意が必要)
- 胸部CT など?
②酸素解離曲線の偏移がないとすると,酸素飽和度90%のときの酸素分圧はどのくらいになりますか。
- 約60mmHg
2)術中管理
①術前に準備すべき物品を3つ述べてください。
- 人
- 気管切開キットや各種気道確保デバイス(AWS、ファイバーなど)
- (事前に挿管可能であれば)細径の複数のチューブ(カフなしも)
- PCPSなど ・・・・?
②麻酔導入時の注意点をあげてください。
- 事前の十分な酸素化
- 応援を呼んでおく
- 意識下挿管のための口腔〜咽頭の十分な表面麻酔
③具体的な麻酔方法を述べて下さい。
- 切除部位が第3,4気管輪であるため、通常の気管切開を事前に置いて導入することができない。
- 1軟骨分下で局所麻酔下で一時的な気管切開を事前に行う。
- 経口での挿管が可能な程度の狭窄であれば、AWSやファイバーを使用して意識下で挿管。挿管できれば鎮静薬投与(プロポやミダゾラムなど)。術野挿管を改めて行うのであれば念のためPCPSスタンバイ。はじめからPCPS使用前提であれば、気道確保後PCPS挿入。
- 麻酔はTIVAで(途中で気管切除し、吸入麻酔が使用できなくなるため)
④気管切除中の酸素化、二酸化炭素排出の方法を3つ述べてください。
- CPB
- PCPS
- ジェットベンチレーションや高頻度陽圧呼吸
- ECMO・・・・?
術中にPCPSを用いて酸素化を維持することになりました。
⑤PCPSによる管理の注意点を2つあげてください。
- 抗凝固薬投与
- 循環血液量が不足すると右房の虚脱を招き、送血流量も低下する。
- カニュレーション部位からの出血
- 流量の継続的なチェック
- 気泡の混入の有無
- この症例では気管切除〜再建終了までは自己肺での酸素化ができない(術野で切除部より遠位で挿管できれいれば関係ないが)ため、INVOSなど使用しある程度の酸素化の指標とする。 ・・・・など?
3)術後管理
①術後管理の注意点を3つ述べて下さい。
- 離開を防ぐため、術後1週間程度は頸部を前屈固定する。
- 十分な鎮痛。
- 反回神経麻痺のチェック
- 吻合部からのリークや出血の有無のチェック(皮下気腫や縦隔気腫になる?)
②術後鎮痛の方法と投与量を述べてください。
- 各施設のお好みで。
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