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【症例3−2】
31歳の女性。身長160cm、体重66kg。妊娠39週で骨盤位にて帝王切開術を予定した。既往例もなく、妊娠経過も順調であった。
質問
1)術前評価
①妊娠末期の母体の生理学的変化について心血管系4つ、血液系2つ、呼吸器系4つ、その他2つについてそれぞれわけて述べてください。
2)術中管理
①この症例では脊髄くも膜下麻酔を選択しました。この症例に対しどのような薬物をどれくらい使用しますか。帝王切開の脊麻ではどのような脊麻針が推奨されていますか。
脊髄くも膜下麻酔施行後、仰臥位にしたところ血圧が80/40mmHg、心拍数102/分となりました。
②原因を2つ述べて下さい。
③対処を4つ述べて下さい。
3)危機管理
児と胎盤が無事娩出され、通常の子宮収縮の処置を施行しましたが子宮収縮が不十分で弛緩出血となりました。出血量が2000gを超えすぐには止血のめどがつきません。
①産科出血の最大の特徴は何ですか。
②産科DICスコアの算定項目を述べてください。
③その時の対応はどうしますか。
31歳の女性。身長160cm、体重66kg。妊娠39週で骨盤位にて帝王切開術を予定した。既往例もなく、妊娠経過も順調であった。
質問
1)術前評価
①妊娠末期の母体の生理学的変化について心血管系4つ、血液系2つ、呼吸器系4つ、その他2つについてそれぞれわけて述べてください。
- 心血管系:循環血液量増加、心拍数増加、心拍出量増加、体血管抵抗低下、肺血管抵抗低下など
- 血液系:凝固能亢進、貧血傾向(希釈性)
- 呼吸器系:1回換気量増加、分時換気量増加、呼吸数増加、気道抵抗低下、気道粘膜が浮腫傾向、胸郭コンプライアンス低下、機能的残気量低下など
- その他:血清クレアチニン低下、酸素解離曲線右方移動、肝酵素の軽度上昇など
2)術中管理
①この症例では脊髄くも膜下麻酔を選択しました。この症例に対しどのような薬物をどれくらい使用しますか。帝王切開の脊麻ではどのような脊麻針が推奨されていますか。
- 高比重マーカイン1.5〜2.0cc
- 等比重マーカイン2.5cc 程度か。
- ペンシルポイント針(PDPHを起こしにくい)
脊髄くも膜下麻酔施行後、仰臥位にしたところ血圧が80/40mmHg、心拍数102/分となりました。
②原因を2つ述べて下さい。
- 脊髄くも膜下麻酔自体による血管拡張による低血圧
- 仰臥位低血圧症候群
③対処を4つ述べて下さい。
- 急速輸液(HESなど)
- 昇圧薬の投与(フェニレフリンなど)
- 子宮の左方移動
- あるいは左側臥位、頭低位(高比重使用ならさらに麻酔域が広がるかも・・・)
3)危機管理
児と胎盤が無事娩出され、通常の子宮収縮の処置を施行しましたが子宮収縮が不十分で弛緩出血となりました。出血量が2000gを超えすぐには止血のめどがつきません。
①産科出血の最大の特徴は何ですか。
- 癒着胎盤などではそう簡単に止血できない
- 容易にDICになりやすい。
②産科DICスコアの算定項目を述べてください。
- 基礎疾患:胎盤早期剥離、胎児死亡、DIC型出血、子癇、その他の基礎疾患
- 臨床症状:急性腎不全、急性呼吸不全、臓器症状(心・肝・脳・消化器)、出血傾向、ショック
- 検査:FDP、血小板、フィブリノゲン、PT、出血時間、その他
③その時の対応はどうしますか。
- 大量出血時の対応に準ずる。
- 術者に早く止めてと言う(^^ゞ
- 応援を呼び、輸血の手配など。
- 応援が来れば自分は司令塔。的確に指示を。
- 輸血ラインの確保。循環を保つ努力。動脈ラインの確保など
- 呼吸循環が破綻してくりょうであれば全身麻酔へ以降。家族への説明など。
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