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2013年1月2日水曜日

51回麻酔科専門医試験 症例3−1【大動脈弁置換術】

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【症例3−1】
72歳の男性。身長160cm、体重54kg。ASⅢ度にてAVRを予定した。

質問
1)術前評価
①ASⅢ度では、心雑音はどのように聞こえますか。
②麻酔計画を立てるにあたり、循環動態をどのように管理しますか。2つ述べてください。

2)術中管理・人工心肺前
①胸骨切開の際に注意することは何ですか。

カニュレーションしてバイパスを回す準備に入りました。
②送血管の挿入、脱血管の挿入、大動脈遮断の順番を答えてください。
③体温はどこの温度をモニターしますか。

人工心肺で抗凝固薬としてヘパリンを使用します。抗凝固のモニターのためにACTを使用しました。
④ACTの値がどの程度になればカニュレーション可能ですか。
⑤人工心肺中の麻酔方法はどうしますか。

CO2のガスを術野に流しています。
⑥これは何のためですか。

3)術中管理・人工心肺後
大動脈遮断を解除後、30分経過しました。食道温度35℃、膀胱温度25℃です。
①何を考え、対策をどうしますか。
②ヘパリンの中和に用いる薬物として何を用いますか。また、その副作用は何ですか。





72歳の男性。身長160cm、体重54kg。ASⅢ度にてAVRを予定した。

質問
1)術前評価
①ASⅢ度では、心雑音はどのように聞こえますか。

  • 収縮期駆出性雑音

②麻酔計画を立てるにあたり、循環動態をどのように管理しますか。2つ述べてください。

  • 肺水腫にならない程度の十分な前負荷
  • 心拍数を50〜70回/分に保つ。また、洞調律を維持する。

2)術中管理・人工心肺前
①胸骨切開の際に注意することは何ですか。

  • 肺損傷のリスクがあるため肺を虚脱させる。
  • 侵襲が強いので、鎮痛をしっかりと。

カニュレーションしてバイパスを回す準備に入りました。
②送血管の挿入、脱血管の挿入、大動脈遮断の順番を答えてください。

  1. 送血管挿入
  2. 脱血管挿入
  3. 大動脈遮断

③体温はどこの温度をモニターしますか。

  • 直腸温
  • 咽頭温や食道温
  • 膀胱温
  • 皮膚温

人工心肺で抗凝固薬としてヘパリンを使用します。抗凝固のモニターのためにACTを使用しました。
④ACTの値がどの程度になればカニュレーション可能ですか。

  • 以前務めていた大学病院や現在の施設では300秒でカニュレーションしてます。

⑤人工心肺中の麻酔方法はどうしますか。

  • 各施設いろいろあるでしょうが・・
  • レミフェンタニル、フェンタニル、プロポフォール
  • 人工心肺回路に吸入麻酔器をつけている場合はセボなどでも。

CO2のガスを術野に流しています。
⑥これは何のためですか。

  • 空気塞栓予防のため

3)術中管理・人工心肺後
大動脈遮断を解除後、30分経過しました。食道温度35℃、膀胱温度25℃です。
①何を考え、対策をどうしますか。

  • 加温装置トラブル?
  • 環境温の問題(心臓外科の部屋はキンキン・・)
  • 尿が全然出ていない。
  • 部屋の温度を上昇させる。
  • 露出部位を覆う。温風式加温装置作動(上半身だけでも何とか)
  • 尿が出ていなければ利尿薬の投与

②ヘパリンの中和に用いる薬物として何を用いますか。また、その副作用は何ですか。

  • プロタミン
  • 肺高血圧
  • 低血圧(プロタミンショック)
  • 過量投与による凝固能障害















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