さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2012年4月12日木曜日
まとめ:星状神経節ブロック(SGB)
□星状神経節とは
下頚交感神経節と第1胸部交感神経節が癒合したもの
□星状神経節の位置
C7横突起から第1肋骨頭の前方
□適応疾患(非常に多岐に渡るが・・・)
◯上肢、頭頸部の疼痛性疾患
・CRPSⅠ型・Ⅱ型
・帯状疱疹
・幻肢痛
・難治性狭心症
・各種頭痛(片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛など)
・顔面痛 など
◯血管性病変
・上肢の循環障害(Raynaud症候群や動脈閉塞症など)
・強皮症やCREST症候群など
・血行再建術後 など
◯その他
・突発性難聴
・顔面神経麻痺
・脳梗塞後遺症
・アレルギー性鼻炎
・多汗症 など
□ブロックの目印
・輪状軟骨下縁(C6レベルの同定)
・C6頚椎横突起前結節(輪状軟骨の2cm外側、胸鎖乳突筋の内側、胸鎖関節の頭側3cm)
※C6で行う理由は、解剖学的にわかりやすいのと、肺尖と椎骨動脈から近接していないから。
□実施前の準備
・気道確保や循環管理ができる準備(道具、薬剤など)
・クモ膜下や硬膜外への誤注入、動脈注射などの合併症により、呼吸停止や心停止、全身痙攣などが生じる可能性があるため
□方法例
・仰臥位にする
・C6横突起前結節を触れ22G針を進める(透視ガイド下)
・造影剤を使用し、位置が適切かどうかを確認
・血液、脳脊髄液、空気が吸引されないことを確認。
・0.25%ブピバカインまたは0.5〜1%リドカイン5〜10mlを緩徐に注入(局所麻酔薬の量が増えるにつれ合併症のリスクは上昇する)
・下記のブロック成功の徴候が現れるのを観察する(10分程度で現れる)
・合併症発症に備える。
□ブロック後の徴候
・Horner徴候(縮瞳、眼瞼下垂)⇒交感神経遮断
・鼻閉、眼球結膜充血、発汗の停止、施行側の皮膚温上昇、嗄声など
・10分程度で上記の徴候が顯れ、4〜12時間程度持続する
□合併症
・嗄声(反回神経ブロック)
・上肢の麻痺(腕神経叢ブロック)
・呼吸困難(横隔神経麻痺や血腫によるもの)
・全身痙攣、心停止(頸動脈、椎骨動脈への局所麻酔薬の誤注入)
・低血圧や呼吸停止(硬膜外やクモ膜下への誤注入)
・頸部や縦隔血腫
・感染
・気胸、血胸、乳び胸
・食道損傷、気管損傷 など
□参考文献、書籍、Webなど
1)斎藤敏之ら 現代の第6頚椎位における星状神経節ブロックについての解剖 第10回臨床解剖研究会記録 2006.6.17
2)MGH麻酔の手引き p751-752
3)麻酔の達人 204,219,224
4)麻酔科専門医認定試験問題解説集
5)さまざまなペインクリニックのWeb site
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