お知らせ

・57回版(最新)については”こちら"を参照
・55回の皆様の報告は"こちら"を参照
・55回の体験談については"こちら"を参照
・54回の結果と皆様の報告は”こちら”を参照
・54回の体験談については”こちら”を参照
・53回の結果と皆様の報告はについては”こちら”を参照
・53回の体験談については”こちら”を参照
52回試験の結果の詳細・感想については”こちら”、体験談は”こちら”を参照。
おすすめの本の紹介は”こちら”を参照。

2012年4月12日木曜日

まとめ:星状神経節ブロック(SGB)


星状神経節とは
下頚交感神経節と第1胸部交感神経節が癒合したもの

星状神経節の位置
C7横突起から第1肋骨頭の前方

適応疾患(非常に多岐に渡るが・・・)
上肢、頭頸部の疼痛性疾患
CRPSⅠ型・Ⅱ型
帯状疱疹
・幻肢痛
・難治性狭心症
・各種頭痛(片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛など)
・顔面痛 など
血管性病変
上肢の循環障害(Raynaud症候群や動脈閉塞症など)
・強皮症やCREST症候群など
血行再建術後 など
その他
突発性難聴
顔面神経麻痺
・脳梗塞後遺症
・アレルギー性鼻炎
多汗症  など



□ブロックの目印
輪状軟骨下縁(C6レベルの同定)
C6頚椎横突起前結節(輪状軟骨の2cm外側、胸鎖乳突筋の内側、胸鎖関節の頭側3cm)
※C6で行う理由は、解剖学的にわかりやすいのと、肺尖と椎骨動脈から近接していないから。

実施前の準備
気道確保や循環管理ができる準備(道具、薬剤など)
・クモ膜下や硬膜外への誤注入、動脈注射などの合併症により、呼吸停止や心停止、全身痙攣などが生じる可能性があるため

方法例
・仰臥位にする
C6横突起前結節を触れ22G針を進める(透視ガイド下
・造影剤を使用し、位置が適切かどうかを確認
血液、脳脊髄液、空気が吸引されないことを確認。
0.25%ブピバカインまたは0.5〜1%リドカイン5〜10mlを緩徐に注入(局所麻酔薬の量が増えるにつれ合併症のリスクは上昇する)
・下記のブロック成功の徴候が現れるのを観察する(10分程度で現れる)
合併症発症に備える

ブロック後の徴候
Horner徴候(縮瞳、眼瞼下垂)⇒交感神経遮断
鼻閉、眼球結膜充血、発汗の停止、施行側の皮膚温上昇、嗄声など
10分程度で上記の徴候が顯れ、4〜12時間程度持続する

合併症
嗄声(反回神経ブロック)
上肢の麻痺(腕神経叢ブロック)
・呼吸困難(横隔神経麻痺や血腫によるもの)
全身痙攣、心停止(頸動脈、椎骨動脈への局所麻酔薬の誤注入)
低血圧や呼吸停止(硬膜外やクモ膜下への誤注入)
・頸部や縦隔血腫
・感染
・気胸、血胸、乳び胸
・食道損傷、気管損傷  など


□参考文献、書籍、Webなど
1)斎藤敏之ら 現代の第6頚椎位における星状神経節ブロックについての解剖 第10回臨床解剖研究会記録 2006.6.17
2)MGH麻酔の手引き p751-752
3)麻酔の達人 204,219,224
4)麻酔科専門医認定試験問題解説集
5)さまざまなペインクリニックのWeb site




0 件のコメント:

コメントを投稿