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2012年3月29日木曜日

43回麻酔科専門医試験:口頭試問 症例7


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71歳男性。身長165cm、体重57kg。肝臓癌(S5に5×6cm)と診断され、肝右葉切除術が予定された。肝硬変と診断されており、少量の腹水が認められている。血液検査ではHbが11.5g/dl、WBCが4500/mm3、血小板が8万/mm3、血清Bilが2.4mg/dl、血清Albが3.1g/dl、AST/ALTが70/65U/lであった。また、HBs抗原陽性であった。
質問
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を、重要と思われる順に列挙してください。
②さらにどのような所見を確認し、どのような検査を行いますか。
2)麻酔法および術中管理
所見として出血傾向はなく、出血時間は3分であった。
①麻酔法を選択し、その理由について述べてください。
②大量出血が予想されますが、どのような準備を行いますか。
3)術後管理
①術後疼痛管理をどのように行うか、具体的に述べてください。
②硬膜外鎮痛法が行われない場合の術後鎮痛法について述べてください。
4)周術期危機管理
術中、手術解除看護師の指に縫合針が刺さりました。どのような対処をするか、説明してください。







1)術前評価と管理
この患者の術前状態における問題点を、重要と思われる順に列挙してください
・肝硬変の存在(Child分類B)
・血小板の減少
・少量の腹水
・高齢
さらにどのような所見を確認し、どのような検査を行いますか
※肝硬変の他症状のチェック
・黄疸(あり)
・くも状血管腫や肝性脳症
・食道静脈瘤の有無
検査
・CT画像
・上部消化管内視鏡
・ICG試験
・他凝固能検査など
2)麻酔法および術中管理
所見として出血傾向はなく、出血時間は3分であった。
麻酔法を選択し、その理由について述べてください
・全身麻酔単独。モニターはフロートラック・プリセップ。太めの輸液ライン追加。
・硬膜外麻酔は血小板減少、おそらく凝固能異常もあるため行わない。
大量出血が予想されますが、どのような準備を行いますか
・太めの輸液・輸血ラインを確保(急速輸血装置なども)
・血液製剤のある程度の準備。院外取り寄せの場合(特に血小板など)どのくらいかかるかのチェック(血液センターの在庫など)
・各種循環作動薬準備。
3)術後管理
術後疼痛管理をどのように行うか、具体的に述べてください
・フェンタニルによるIV-PCA。
硬膜外鎮痛法が行われない場合の術後鎮痛法について述べてください。・上記。
4)周術期危機管理
術中、手術解除看護師の指に縫合針が刺さりました。どのような対処をするか、説明してください。
・傷口から血液を絞りだし、流水(水道水で可)で洗い流す
※ワクチン非接種者
・24時間以内にB型肝炎免疫グロブリン製剤を0.06mg/kgを筋注
・7日以内にB型肝炎ワクチン1mlを1ヶ月、6ヶ月後に接種
※ワクチン接種者
・HbsAbレベルが有効でない場合、上記を行う。



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