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2012年3月29日木曜日

43回麻酔科専門医試験:口頭試問 症例6


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65歳男性。身長166cm、体重75kg。右肺上葉S2の肺がんと診断され、右肺上葉切除が予定された。40年間、1日30本の喫煙歴がある。日常生活では、息切れなどの症状はない。胸部X線写真上、右肺上葉の3cm×4cmの結節影と肺気腫の所見がみられた。肺機能検査では、肺活量3.4㍑(105%)、一秒量2.1㍑(62%)であり、空気吸入時の動脈血ガス分析では、pH7.38、PCO2:43mmHg、PO2:66mmHgであった。
質問
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を、重要と思われる順に列挙してください。
②術前、肺機能の改善のために、とるべき処置について述べてください。
2)麻酔法および術中管理
①麻酔法を選択し、その理由について述べてください。
②硬膜外麻酔を併用する場合、穿刺部位はどこを選択しますか。
③麻酔導入はどのように行いますか。具体的に述べてください。
3)術後管理
①術後鎮痛をどのように行うか具体的に述べてください。
②硬膜外鎮痛を使用しない場合、どのような方法を使用しますか。
4)周術期危機管理
①片肺換気中に低酸素血症が生じた場合、どのような処置をしますか。原因を挙げて、それぞれに対する対処を述べてください。






1)術前評価と管理
この患者の術前状態における問題点を、重要と思われる順に列挙してください
・閉塞性換気障害有
・長年のヘビースモーカー
・軽度肥満
術前、肺機能の改善のために、とるべき処置について述べてください
・まずは禁煙(できれば8週間以上。それよりも短くてもしないよりはまし)
・呼吸訓練(トリフローなどを用いて)
・術前術後肺理学療法など
2)麻酔法および術中管理
麻酔法を選択し、その理由について述べてください
・硬膜外麻酔併用全身麻酔。
十分な鎮痛を得ることで、離床が早くなりまた術後疼痛による浅呼吸や臥床による無気肺や喀痰貯留を防止できる。
硬膜外麻酔を併用する場合、穿刺部位はどこを選択しますか
・Th5-Th7程度から
麻酔導入はどのように行いますか。具体的に述べてください
・みなさんされてる通りで良いと思います。
・当院ではレミフェンタニル・プロポフォール・ロクロニウムで導入。維持はプロポフォール・レミフェンタニルによるTIVA+硬膜外 or プロポフォールの代わりにセボフルランを用いています。
3)術後管理
術後鎮痛をどのように行うか具体的に述べてください
・フェンタニル+0.2%ロピバカインによるPCEA
・0.2%ロピバカイン100mlあたりフェンタニル4A(4μg/ml)にして5ml/hで投与。PCA用の3ccフラッシュシリンジ付を使用。
硬膜外鎮痛を使用しない場合、どのような方法を使用しますか
・フェンタニルによるIV-PCA
4)周術期危機管理
片肺換気中に低酸素血症が生じた場合、どのような処置をしますか。原因を挙げて、それぞれに対する対処を述べてください



※まずは回路トラブルをチェック
・チューブの屈曲や分泌物による閉塞、回路の外れなど⇒是正
・吸入酸素濃度を上げていなかった⇒吸入酸素濃度を上げる
回路トラブルなどがなければ片肺換気による影響。
・純酸素にする
・非換気側にCPAPあるいは酸素吹流し
・換気側にPEEPをかける
・呼吸器設定を微調整する
・適宜両肺換気する。 など







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