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2012年2月15日水曜日

50回麻酔科専門医試験:口頭試問 症例2-1


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70 歳の女性。転倒して右大腿骨頚部骨折と診断され、人工骨頭置換術が予
定れた。既往に20 年来の慢性関節リウマチがあり、頚部運動に伴い腕にし
びれが出る。

質問
1) 術前評価と管理について
①麻酔を行うに当たり、関節リウマチの問題点を上げて下さい。

2) 麻酔法および術中管理
①この患者にとって有利といわれる麻酔方法は何ですか。またその理由は
何ですか。
②もし気管挿管による全身麻酔を行うとしたら、何に気をつけますか。起こりう
る病態について原因、機序、症状を述べて下さい。
③気管挿管による全身麻酔導入の方法を述べて下さい。

3) 周術期危機管理
①手術終了後、リカバリー室で患者は胸部苦悶感を訴えました。原因として、
何を考えますか。
②この場合にどのような検査を行いますか。



1)術前評価と管理
①関節リウマチの問題点
□内服薬のチェック(特にステロイド)⇒ステロイドカバーについて考慮
□頚椎不安定性(環軸椎亜脱臼)の有無。
□約半数の患者で肺異常(俗に言うリウマチ肺)
□眼病変の有無(20%にSjogren症候群の合併。乾燥性角結膜炎に注意)。まれに腎


2)麻酔法および術中管理
 ①有利な麻酔法:脊髄くも膜下麻酔?
  有利な理由:気管挿管を回避できる(頚椎の保護)?
 ②全身麻酔で気をつけること
その原因・機序・症状
挿管操作に注意を払う。この患者は環軸椎亜脱臼の可能性があり、頸部の不用意な後屈や前屈により脊髄損傷を起こす可能性があるため。
症状は、後頭神経圧迫による頭痛や手指のしびれ、進行すると下肢のしびれや四肢麻痺などを来す。
 ③いくつか選択肢はあると思いますが・・・
・意識下でファイバー挿管を行う場合
フェンタニル(もしくは少量レミフェンタニル)を適宜使用(当院では100〜200mcg)
・意識下でエアウェイスコープを用いて挿管(当院ではこちらをすることが多いです)
・少々危ないですが、アイジェルなどのLMAを用いた後に、LMAを利用した挿管。
などでしょうか・・・?

3)周術期危機管理
①リカバリー室での胸部苦悶感
・心筋梗塞の可能性 
   ・深部静脈血栓(DVT)による肺塞栓症


②①の場合の検査
・心筋梗塞の場合:心電図、心エコー。生化学的検査は超急性期には向かない
・肺塞栓症の場合:心電図、心エコー(TTE、TEE)、時間に余裕があるなら換気血流シンチも。

などでしょうか・・・?

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