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2018年10月31日水曜日

57回麻酔科専門医口頭・実技試験体験談㊵



口頭試問:
1問目
(年齢体格の記憶なし)縦隔腫瘍切除術
既往に糖尿病、頸椎症
2問目
32才、152cm/95kg(妊娠前90kg)
妊娠38週、2週間前より尿蛋白、血圧上昇
血圧160/100mmHgとなり緊急帝王切開の申し込み

と書かれた紙とボールペンを廊下の椅子で待っている間に渡される。係員が5分計測している間にその紙に問題点など自由にメモ。
5分経ったら係員に一旦紙を渡して、時間になったら入室し、再度メモ用紙を渡されて試験開始。

1問目
スライド:CTの水平断と冠状断
「腫瘍のCTはこちらですが、この画像を見なかったとして、患者のもとに行って確認が必要な問診や身体所見はなんですか」
(気管分岐部の少し上レベルの左側に境界不明瞭な陰影があって、それと判断しました。「呼吸苦などの呼吸症状、嗄声、頸静脈の怒張、手足にしびれがないか」とか言ったと思います)
「主治医と相談することになりました。何を確認しますか」
(「体位、分離肺換気が必要か、動静脈や心膜の合併切除はあるか...」)
「気道確保で注意することは」
(「頸椎症があるのでエアウェイスコープを使います」といいましたが、ダブルルーメンチューブでは使えなかったと終わってから気づきました)
「フェンタニル、プロポフォールで導入し、マスク換気を確認してロクロニウムを投与しました。挿管を試みたところ、このような歯の状態でひれつ部しかみえませんでした」といいながら、
スライド:画面に歯根の露出した口の写真
が提示される(予定手術なのに術前に口腔内評価していないのはどういうことかわかりませんでした)
「応援の麻酔科医がきました。何をしてもらいますか」
(「挿管時に損傷しないか見てもらいます」と言ったら「来てもらったのにじっと見てもらうだけですか」と言われたのでこれは不正解と判断し、「BURPしてもらいます」と言いましたが、経鼻挿管への切り替えとか、ファイバー挿管の準備とかあったなと、あとで思いました)
「結局ガムエラスティックブジーをいれました。この状態からどうやって挿管しますか」
(「ブジー越しに挿管します」といったら「太くてできないよ」と助け舟をいただき、「ブジー越しにノーマルチューブを挿管して、ブジーを抜いて、チューブエクスチェンジャーを入れて、ノーマルチューブを抜いて、ダブルルーメンチューブを入れます」
「手術は癒着もなく、全摘出でき、出血量は300mlでした。抜管の判断にはどういうことに気をつけますか」
(「完全覚醒、筋弛緩拮抗、ファイバーで声帯浮腫の確認、カフリークテストをする」)
「主治医と相談し、挿管継続でICUに行くことになりました。移動時に必要なものを4つ言ってください」
(「バッグバルブマスク、シリンジポンプ、モニター...」酸素ボンベ忘れました)

2問目
「この患者の問題点2つ」
(「PIHと肥満」)
「妊娠高血圧腎症で確認すること4つ」
(「浮腫、肺水腫、内服薬の有無、視界のキラキラした感じがないか、子癇発作の既往...」)
スライド:Cormack 2、他気道評価問題なし、内服ヒドララジンの記載あり
「脊髄クモ膜下麻酔で行うことにしました。肥満妊婦ではどういう工夫をしますか」
(少し誘導してもらって「座位」と言えましたが、「場合によってはCアームを入れます」と言ったら「妊婦なのにですか?!日頃臨床でやっていることを言って下さい!」と怒られました。勤務施設によってはしたこともありましたが。。)
「結局できず、全身麻酔に切り替えます。どういう工夫をしますか」
(「迅速導入」)
「フェンタニル、プロポフォール、ロクロニウムで導入しました。維持はどうしますか」
(「笑気、酸素、セボフルラン、、、とレミフェンタニル0.2μg/kg/分程度」)
「術後鎮痛はどうしますか」
(「TAPブロック」と答えたら、「ワンショットですか?!術後鎮痛ですよ?!」といわれ、「フェンタニルivPCA」を追加しました)

左側の試験官の先生の緊張感がどんどん高まっていって、後半はパニック状態でしどろもどろでした。全部の質問で「いくつ」という問われ方でしたがほとんど数字は覚えていません。ぜんまカイザーは、今までしてきたのがかなり特殊な麻酔(古い麻酔)だったことが試験後に判明しました。

実技試験:
ブース1
開腹肝切除術の硬膜外麻酔
・研修医に教えるように椎間を決めて下さい(ヤコビー線と肩甲骨下角からTh8/9に決めました)
清潔手袋をして消毒と局麻は終わったという前提で研修医に教えるように硬膜外麻酔をしてください
(カテーテルは入りにくいので無理しなくていいと言われました)
・テストドーズは何をどのくらいいれますか(1%カルボカイン 3cc)
・患者が足がしびれてきたと言っています。何を考えますか(硬膜外カテーテルの脊髄クモ膜下への迷入)
・どう対処しますか(硬膜外カテーテルを抜去し、全身麻酔のみで行います)
・術後鎮痛はどうしますか(肋骨弓下TAPブロックとフェンタニルivPCA)
・術後診察でみるポイント(PDPHの有無、神経障害の残存)
ブース2
舌切除術の経鼻挿管
模型だけ見えていて、道具は覆われている
・何を準備しますか(チューブ、マギール鉗子、4%キシロカイン、ヨード、綿棒、喉頭鏡)
答えたところでシーツが取られて道具があらわれる
・やってみてください
(喉頭鏡をかけたところで)
・できませんでした。ファイバースコープを使う事にしました。やってみてください
(電気がついていないのでつけてもらう)
(オリエンテーションがつかないまま終了・・・)

硬膜外は大きな問題なくスムーズにできましたが、ファイバーのピントがあってないことには試験後同期と話すまで気づきませんでした。


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