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2018年10月28日日曜日

57回麻酔科専門医口頭・実技試験体験談⑩



はじめに
医師●年目。●歳、●歳の子どもおり、麻酔経験、勉強時間ともに不足しており、かなり精神的に追い込まれつらい試験勉強でした。1年くらい前から過去問をパラパラと眺めてはいたものの、本格的にやり始めたのは4月ごろです。産休育休ののち、集中治療科勤務となったためおおきな麻酔は1年半くらい全くやっておらず、直前に2日間分離肺換気、硬膜外麻酔、腋窩アプローチ神経ブロック、脊髄麻酔のみやらせてもらう機会を得て、試験に臨みました。

口頭試問1問目
60代男性 肥満なしの普通体型 頚椎損傷の疑いで救急搬送 血圧170/90、HR90くらい(徐脈でない)、SpO2 97パーセント 上肢のしびれ ネックカラーあり 
・術前の問題点と必要な検査
頚椎損傷、カラーあり挿管困難の疑い、フルストマック疑い、アレルギーや既往歴、血ガスで二酸化炭素溜まってないか、呼吸様式変じゃないか、開口できるか、エコー当ててたこつぼになってないか
モニターに検査所見とかでてくる  C1/2の亜脱臼あり 高血圧と糖尿病で内服中 ちょっと腎機能悪い、凝固系問題ない、最終飲食4時間前、首以外に外傷はなかった
・挿管、全身麻酔します。どうやってしますか
意識下の経鼻ファイバー挿管 
・手順は
鼻を綿棒でポピドンヨードで消毒、4パーセントリドカイン+アドレナリン混合液を綿棒に浸し表面麻酔 ファイバー先行で進めます
・‥表面麻酔だけでやるってことですか?
いえ、フェンタニル25μgずつ合計200μgくらい、様子を見ながら投与する
・MEP測定してやることにしました 麻酔維持は
TIVAと筋弛緩薬
・必要なモニターは
Aラインとフロートラック。えーとえーと‥出てこない
・腹臥位にしますが気をつけることは
事故抜管、ラインの抜け、体軸のアライメント崩さない、神経保護、眼球保護
・血圧はどれくらいで管理するか
普段の血圧コントロールの値を聞いて判断
・緊急手術なので聞けなかったよ
高すぎても出血しますから‥収縮期たかくても140くらい?(テキトー)
・抜管するかどうか術者と相談してください 私が術者です
神経原性肺水腫の可能性あります。ガスとって酸素化みる、怪しければレントゲン。また挿管困難あり抜管は慎重に。気道浮腫の除外を。リークテスト。舌や顔面の浮腫で判断します。

口頭試問2問目

70代男性 普通体型 透析後ドライウェイト54キロくらい 糖尿病性腎症でクレアチニンクリアランス6とかしかない 壊死性筋膜炎で膝上の下腿切断術予定
・問題点
糖尿病、バイタル記載ないが壊死性筋膜炎で敗血症の可能性、虚血性心疾患のリスク

さらにデータがモニターに表示される
PT APTTは正常範囲内、血小板7.7万、K5.1 CRP10 Alb2.5 バイタルとかはなかった
・さらに問題点の追加あれば言って
K高め、炎症反応高値、血小板減少
・この患者で用意すべき物品、モニターなど
輸血の可能性ありなので輸血できるルート、採血で電解質見たいからAライン、輸血製剤、K除去フィルター、5点誘導心電図
・麻酔方法は。利点欠点とともに。
全麻にする。敗血症になってるのかわからないけど循環動態の変動が少ない。あとは‥沈黙。。
・じゃあ、欠点は?
挿管に伴うもの。歯損傷とか咽頭痛がある。輸液しすぎて肺水腫とかになって抜管できなくなっても大丈夫。あ、これは利点か。えーと‥沈黙 血小板が少ないのでせきまはちょっとやりにくいです。
・全麻でもいいんですが、神経ブロック+鎮静で行うことにしました。何します?
大腿神経、坐骨神経です
・他には
外側大腿皮神経です
‥他にはないですか。
(閉鎖を言えず。)

・では、大腿神経ブロックをします。シェーマがモニターにうつる。大腿神経どれ?薬どこにまく?
これが腸腰筋で腸腰筋膜の奥のこれが神経。局麻は‥神経と筋膜の間にまきます。(後から、神経ブロックはあまりしない?と聞かれたので間違ってると思う)
・0.375パーセントアナペインを40ml使用後、患者さんが変な味、耳鳴り。血圧は70/50です。これは何?
局所麻酔薬中毒
・対応は?
気道確保、または挿管。酸素投与。急速輸液。バイタル保つようカテコラミン投与。ジアゼパム10mg投与。20%脂肪乳剤1.5ml/Kg投与ののち、15ml/Kg/hで持続。止まるまで繰り返しボーラス投与。
・主治医の先生が、手術していいか聞いてます。どうしますか?説明して。
局所麻酔薬中毒となり、ショックとなりましたが投薬でバイタル落ち着き、痙攣止まりました。ただ、痙攣再発の可能性あります。挿管のままICUいって再発ないかみましょう、そして仕切りなおしましょう。でも急いでますよね。(と聞くが答えてくれない)
・いつならやっても大丈夫? 
えーと‥答え詰まる。しらない。
明日はどうですか?
わかりました。

頷きながら聞いてくれる優しい先生達でした。足りないところは待ってくれて、言うまで沈黙が流れましたが、ある程度待ったら次の問題に言ってくれました。10分くらい余って、筆記試験の延期は歴史に残るね!とか、忘れちゃうね!とかいろいろ言ってくれました。

実技①
挿管困難デバイスたくさん置いてある。挿管の模型あり。150cm90Kgの女
・この人研修医です。一緒に挿管の準備してください。
喉頭鏡がこれで、電気つくかみて。チューブのカフ漏れないか入れて、空気抜いておきます。スタイレットいれます。
モニターに太った人が横たわる姿
・挿管しやすい体位とってください。二つ。
嗅ぐ姿勢、スニッフィングと、ランプポジション。外耳道が胸壁と同じラインになるようタオルいれてます。
・研修医くんが挿管したとして、確認すべきこと
カプノグラムの波形が出てるか。呼吸音。食道挿管の除外です
両方呼吸音聞こえるか。片肺になってないかです。歯牙損傷してないか。

・マスク換気はできるが、挿管できない。airQかigel と電スコつかって挿管して
まずigel いれます。うまく入らないが、入ってるよ、と教えてくれる
そしてチューブをファイバーに通して。チューブのコネクター先に外す。ふつうに入れる。カフ入れて呼吸音確認。プッシャーで押してigel 抜去

以上です。
青本大いに利用させて頂きました。ありがとうございました。


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