はじめに
医師●年目。●歳、●歳の子どもおり、麻酔経験、 勉強時間ともに不足しており、 かなり精神的に追い込まれつらい試験勉強でした。 1年くらい前から過去問をパラパラと眺めてはいたものの、 本格的にやり始めたのは4月ごろです。産休育休ののち、 集中治療科勤務となったためおおきな麻酔は1年半くらい全くやっ ておらず、直前に2日間分離肺換気、硬膜外麻酔、 腋窩アプローチ神経ブロック、 脊髄麻酔のみやらせてもらう機会を得て、試験に臨みました。
口頭試問1問目
60代男性 肥満なしの普通体型 頚椎損傷の疑いで救急搬送 血圧170/90、HR90くらい(徐脈でない)、SpO2 97パーセント 上肢のしびれ ネックカラーあり
・術前の問題点と必要な検査
頚椎損傷、カラーあり挿管困難の疑い、フルストマック疑い、 アレルギーや既往歴、血ガスで二酸化炭素溜まってないか、 呼吸様式変じゃないか、開口できるか、 エコー当ててたこつぼになってないか
モニターに検査所見とかでてくる C1/2の亜脱臼あり 高血圧と糖尿病で内服中 ちょっと腎機能悪い、凝固系問題ない、最終飲食4時間前、 首以外に外傷はなかった
・挿管、全身麻酔します。どうやってしますか
意識下の経鼻ファイバー挿管
・手順は
鼻を綿棒でポピドンヨードで消毒、4パーセントリドカイン+ アドレナリン混合液を綿棒に浸し表面麻酔 ファイバー先行で進めます
・‥表面麻酔だけでやるってことですか?
いえ、フェンタニル25μgずつ合計200μgくらい、 様子を見ながら投与する
・MEP測定してやることにしました 麻酔維持は
TIVAと筋弛緩薬
・必要なモニターは
Aラインとフロートラック。えーとえーと‥出てこない
・腹臥位にしますが気をつけることは
事故抜管、ラインの抜け、体軸のアライメント崩さない、 神経保護、眼球保護
・血圧はどれくらいで管理するか
普段の血圧コントロールの値を聞いて判断
・緊急手術なので聞けなかったよ
高すぎても出血しますから‥収縮期たかくても140くらい?( テキトー)
・抜管するかどうか術者と相談してください 私が術者です
神経原性肺水腫の可能性あります。ガスとって酸素化みる、 怪しければレントゲン。また挿管困難あり抜管は慎重に。 気道浮腫の除外を。リークテスト。舌や顔面の浮腫で判断します。
口頭試問2問目
70代男性 普通体型 透析後ドライウェイト54キロくらい 糖尿病性腎症でクレアチニンクリアランス6とかしかない 壊死性筋膜炎で膝上の下腿切断術予定
・問題点
糖尿病、バイタル記載ないが壊死性筋膜炎で敗血症の可能性、 虚血性心疾患のリスク
さらにデータがモニターに表示される
PT APTTは正常範囲内、血小板7.7万、K5.1 CRP10 Alb2.5 バイタルとかはなかった
・さらに問題点の追加あれば言って
K高め、炎症反応高値、血小板減少
・この患者で用意すべき物品、モニターなど
輸血の可能性ありなので輸血できるルート、 採血で電解質見たいからAライン、輸血製剤、K除去フィルター、 5点誘導心電図
・麻酔方法は。利点欠点とともに。
全麻にする。 敗血症になってるのかわからないけど循環動態の変動が少ない。 あとは‥沈黙。。
・じゃあ、欠点は?
挿管に伴うもの。歯損傷とか咽頭痛がある。 輸液しすぎて肺水腫とかになって抜管できなくなっても大丈夫。 あ、これは利点か。えーと‥沈黙 血小板が少ないのでせきまはちょっとやりにくいです。
・全麻でもいいんですが、神経ブロック+ 鎮静で行うことにしました。何します?
大腿神経、坐骨神経です
・他には
外側大腿皮神経です
‥他にはないですか。
(閉鎖を言えず。)
・では、大腿神経ブロックをします。 シェーマがモニターにうつる。大腿神経どれ?薬どこにまく?
これが腸腰筋で腸腰筋膜の奥のこれが神経。局麻は‥ 神経と筋膜の間にまきます。(後から、 神経ブロックはあまりしない?と聞かれたので間違ってると思う)
・0.375パーセントアナペインを40ml使用後、 患者さんが変な味、耳鳴り。血圧は70/50です。これは何?
局所麻酔薬中毒
・対応は?
気道確保、または挿管。酸素投与。急速輸液。 バイタル保つようカテコラミン投与。ジアゼパム10mg投与。 20%脂肪乳剤1.5ml/Kg投与ののち、15ml/Kg/ hで持続。止まるまで繰り返しボーラス投与。
・主治医の先生が、手術していいか聞いてます。どうしますか? 説明して。
局所麻酔薬中毒となり、 ショックとなりましたが投薬でバイタル落ち着き、 痙攣止まりました。ただ、痙攣再発の可能性あります。 挿管のままICUいって再発ないかみましょう、 そして仕切りなおしましょう。でも急いでますよね。( と聞くが答えてくれない)
・いつならやっても大丈夫?
えーと‥答え詰まる。しらない。
明日はどうですか?
わかりました。
頷きながら聞いてくれる優しい先生達でした。 足りないところは待ってくれて、言うまで沈黙が流れましたが、 ある程度待ったら次の問題に言ってくれました。 10分くらい余って、筆記試験の延期は歴史に残るね!とか、 忘れちゃうね!とかいろいろ言ってくれました。
実技①
挿管困難デバイスたくさん置いてある。挿管の模型あり。 150cm90Kgの女
・この人研修医です。一緒に挿管の準備してください。
喉頭鏡がこれで、電気つくかみて。 チューブのカフ漏れないか入れて、空気抜いておきます。 スタイレットいれます。
モニターに太った人が横たわる姿
・挿管しやすい体位とってください。二つ。
嗅ぐ姿勢、スニッフィングと、ランプポジション。 外耳道が胸壁と同じラインになるようタオルいれてます。
・研修医くんが挿管したとして、確認すべきこと
カプノグラムの波形が出てるか。呼吸音。食道挿管の除外です
両方呼吸音聞こえるか。片肺になってないかです。 歯牙損傷してないか。
・マスク換気はできるが、挿管できない。airQかigel と電スコつかって挿管して
まずigel いれます。うまく入らないが、入ってるよ、と教えてくれる
そしてチューブをファイバーに通して。 チューブのコネクター先に外す。ふつうに入れる。 カフ入れて呼吸音確認。プッシャーで押してigel 抜去
以上です。
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