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2018年10月30日火曜日

57回麻酔科専門医口頭・実技試験体験談㉗


口頭試問 2例でした
#1 縦隔腫瘍
〇歳、男性、既往にDM, SAS, 頸椎症あり。CTにて縦隔腫瘍を指摘され、胸部外科にて手術予定となった。
画像供覧あり(→縦隔腫瘍あるが、気道は開通しており気管偏位や狭窄もなさそう。肺転移もなし。)
・術前診察で確認しておくことは?
→現在の心機能(NYHA)、肺機能(H-J)、SASの状態(いびきや無呼吸など)、DMの治療歴や程度、アレルギー有無、と答えました。
・気道系以外で何かありますか?
頚部後屈制限の評価、と答えましたが、「他には?」とさらに問いかけてくる。何を求めているのか分からず、答えられず。・・血管や心圧排症状と答えれば良かった・・
・主治医に確認しておくことは?
→アプローチの仕方(経胸壁か経胸腔か→術式が変わってくるので)、と答える。また「他には?」と突っ込み。それ以上答えられず。・・「術後ICU入室はどうしましょう」だったか?
・分離肺換気下に縦隔腫瘍摘出となりました。麻酔導入について具体的に。
→SASもあり、頚部後屈制限もありそうなので換気・挿管困難症例として各種デバイスやDAMカートを準備し、他の麻酔科医に応援を依頼します。
・挿管チューブの選択は
→ダブルルーメン37Fr
・応援にきた麻酔科医にどんなことを依頼するのか
→GEBによる挿管を試みますので、GEBチューブの保持を依頼します。
・実は歯がこんなんでした(ボロボロの動揺歯の写真)。ダブルルーメン入りません。どうしますか
→ブロッカーに切り替えます
・GEBの使用方法を具体的に
→喉頭展開をして声門にGEBを入れます
・声門みえませんが、どうしますか
→その時は盲目的に挿入し、気管軟骨にあたる音(クリック音)や、30cmほどでの突き当たりをもって気管内と判断します。
・手術が終了しました。どんなことに気をつけますか
→SASもありますし、確実な覚醒、筋弛緩の拮抗を確認し、再挿管がすぐできる体制にて抜管します
・え!?抜管するんですか?(→しまった!!けど、後に引けない・・)
・では、抜管後に気をつけることはなんですか
→呼吸音やモニターはもちろんですが、挿管に手間取っていますので、喉頭浮腫や声帯麻痺は確認しておきます。
・再挿管かなり困難だと思いますが、できますかね
→どうしてもダメなら輪状甲状膜切開します(嫌な流れになってしまった・・)
・この症例は結局抜管せずにICU入室することとなりました(→やっぱり〜、ドつぼった)
・ICUで気をつけることは何ですか
→血圧やSpO2はもちろんですが、喉頭浮腫の確認(リークテスト)や覚醒・筋弛緩拮抗の状態をもう一度確認します。
(試験管の先生、少し不満げであったが何とか終了)

#2 緊急帝王切開
ちょい太めの妊婦。正期産、BP180/120と高血圧、蛋白尿を指摘されている(data供覧あり)。緊急帝王切開施行となった。
・問題点は?
→ちょい肥満、高血圧・蛋白尿から妊娠高血圧症候群あり
・術前に確認しておくことは?
→現在の心機能(NYHA)、肺機能(H-J)、いびきや無呼吸がないか、アレルギー有無、HELLPの合併はないかdataの確認、と答えました。
・麻酔的なことで他にないですかね
→あ、脊麻する場合も考えて背部の診察(棘突起が触れるか、側臥位になれるか)を確認します
・HELLPって何ですか?
→溶血、肝酵素上昇、血小板低下
・HELLPが疑われたら麻酔方法はどうしますか
→凝固異常を考慮して全麻にします
・麻酔で気をつけることはなんですか
→血圧は可及的に下げますが、下げすぎないことです。大体、140/90を目安に管理します。
・麻酔方法は
→少量のフェンタニル・プロポフォール・ロクロニウムにて迅速導入し、胎児摘出後はレミフェンタニルを加えて維持します。
・レミフェンタニルはどれくらい使いますか
→0.25mg/kg/minで投与し、血圧をみながら調整しま
・痙攀を起こしました。原因として何を考えますか。
→子癇発作、電解質異常、脳出血
時間になり終了

実技 2問でした
#1 硬膜外麻酔
人形がおいてあり、「肝切除にて硬膜外麻酔を傍正中法、抵抗消失法でしてください。私を研修医と思って説明しながら施行して下さい」
→「背中触りまーす」
・穿刺部位はどこから
→肝切除なので剣状突起下まで皮切しますのでTh7/8で施行します
・部位同定を教えてください
→肩甲骨下縁を結ぶ線がTh7/8です
→「ちょっと押される感じがしまーす」「動かないで痛かったら口でおっしゃってくださいね」
→「傍正中法なので棘間の1横指尾側1横指下から刺入します。」「棘間靱帯にはいると針は固定され動かなくなります」「黄靱帯にはいると発泡スチロールを貫くような感覚があります」「ここで圧が抜けましたので硬膜外腔です」「内筒を抜いてリコールがないことを確認します」「チュービングします」
・チュービングはどれくらい?
→5cm留置します
・テストドーズは何をどれだけ?
→1%リドカインEを3ml使います
・患者さんが痛いと言っています。何が考えられますか?
→チューブが神経根やクモ膜下腔に迷入している可能性があります
・どうしますか
→抜いて、他の麻酔方法(全身麻酔やブロック)に切り替えます。
終了

#2 経鼻挿管
聞かれたこと
・準備しておくもの
・鼻出血防止法法
・アドレナリン濃度
・介助者に何を頼むか

舌癌患者の経口挿管→舌がじゃまで展開できず→経鼻ファイバー挿管、となり実際ファイバー挿管手技をさせられる
・ファイバーの光源がついていない(わざと)
・上下が合っていない(わざと)
何とか時間内に挿管でき終了

少し記憶が曖昧ですが、以上です。
青本が大変役に立ちました。ありがとうございました。


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