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2018年10月28日日曜日

57回麻酔科専門医口頭・実技試験体験談②




口頭試問
今年は30分間1部屋でした。
計2問で、1問ずつ1人の先生から試問されました。
問題文は部屋の前で2問まとめて5分間見ることができ、メモもできました。

◆試問①
「頚椎損傷の若年男性。意識清明。上肢のしびれ、四肢麻痺あり。緊急手術となった。」

部屋でスライド表示
「C1/2損傷。現在のバイタル170/100、SpO2 96%」
「この症例で注意すべきことはありますか?」
「主治医へさらに聞きたいことはありますか?」

「経緯としては、2mの脚立から落下したようです。他に外傷はなく、既往や内服も特にありません。腹臥位で手術をすることになりましたが、一般的に腹臥位の手術で気をつけるべきことは何ですか?」
「手術は無事終わりました。術中の出血も少量で、合併も特に生じることなく無事に終了しました。この患者さんの抜管について主治医に聞かれました。抜管は術後すぐにするかしないか選択していただき、またその理由も述べてください。」
→私は抜管しない方を選択しました。呼吸機能や循環動態の変化に対応するため等と答えましたが、試験官の反応は微妙でした。
「では抜管しないとして、挿管したままでいることの問題点を教えてください。」

時間になり終了。


◆試問②
「透析中。壊死性筋膜炎(←たぶん、、)に対し、緊急で下肢切断予定。」

部屋でスライド表示
「既往 糖尿病。
   各種血液検査の結果が表示されている。」
「スライドを見て、異常なところを教えてください。」
→コントロールの悪い糖尿病、透析中、高K、貧血など幾つか答える。

「手術は、膝より上の大腿から切断することになりました。麻酔方法は何が良いと思いますか?」
→私は全身麻酔と答えましたが、本当は神経ブロックと答えさせたかったようです。
「全身麻酔?なぜそれが良いと思うんですか?他に麻酔方法考えられますか?」
→炎症所見が強いし、術中・術後合併症への対処しやすい等々。。他には神経ブロックがあります。
「なぜ神経ブロックがダメだと思いますか?」

「この患者さんには、神経ブロックと鎮静を行うこととなりました。必要と思う神経ブロックの場所を教えてください。」

「◯◯%の◯◯を40ml用いて、神経ブロックを行いました。5分くらい経過したところで、患者さんの呂律が回らなくなり、意識障害、痙攣が生じました。血圧も70台へ低下。何が起きたと考えられますか?」
→局所麻酔薬中毒を考えます。
「今すぐにすべき事を幾つか挙げてください。」
「手術は続行して良いですか?」
→中止すべきです。
「なぜ中止すべきですか?患者さんのご家族にはどう説明したら良いんでしょうか?僕を主治医と思って説明してください。」

時間になり終了。


実技試験
実技①
部屋に入ると、2人の先生がiPadを首から下げて立っていました。
一部屋10分で、1人の先生から試問されます。

「肥満の患者さんに全身麻酔導入をします。僕は研修医です。まず、ここにある器具を教えてください。」
→喉頭鏡、吸引、挿管チューブ、スタイレット の名前を言っただけでしたが真意分からず。。
「肥満患者の導入で用意すべきことは何ですか?」

部屋のスライド表示で、超肥満患者の仰臥位の絵を見せられる。
「この患者を導入するにあたり、何か準備しますか?」
→”ランプポジション”、”スニッフィングポジション”という言葉を出すと喜んでいました。

「では導入します。薬を入れて換気しますが、マスク換気は可能でした。喉頭鏡で挿管をしますが、僕に説明をしながら挿管してみてください。」
→喉頭鏡を使って実際に挿管するだけ。声門を試験官と一緒に見てから挿管しました。

「この人は実際にはCormack Ⅲで、研修医が下手で挿管できませんでした。声門上器具を用いて挿管することにしました。そこにあるのでやってみてください。」
i-gelとAirQが置いてあり、私はi-gelを使いました
i-gelが人形につっかかり上手く挿入できませんでしたが続行してしまいました。
事前に確認し忘れましたが、7.0mmチューブは一応入り、入るところまで押し込みました。
気管支鏡で確認しましたが予想通り舌あたりでチューブ先端が止まっていました。
「はい、見えないですねー。では終了でーす。」

まだ時間は1分ほど残っていましたが、流れが終わったようで終了となりました。


★実技②
側臥位になっている腰だけの人形あり。
「とりあえずここに座ってください。これから股関節の手術をします。麻酔方法は硬膜外麻酔と全身麻酔です。僕は研修医なので、僕に説明しながら、患者さんにも実際のように声かけをしながら、やってみてください。消毒と局所麻酔は済んでいることとします。」
色々説明しながら、L1/2から入れました。
「テストドーズは何%の何を何ml入れますか?」

時間を残しつつ終了。



現時点で覚えておりますのはこのくらいです。。
どうぞよろしくお願い致します。

特に口頭試問に関し、青本をとても参考にさせていただきました。
それに加え、ガイドラインが2016,2017年にいくつか新しいものが出たのでチェックはしておきましたが、
例えば今回ですと局麻中毒はけっこう細かいところまで聞かれた感じでした。
発症からの初期対応、ICUでの対応、鑑別診断も含めて求められました。
脊損でも同様でしたが、ICUでの対応に関し足りない部分が私は多かったようですが、どうにか答えを出させようと誘導を繰り返されました。

来年以降のご参考になれば幸いです。

この度はありがとうございました。

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