口頭試問 30分
口頭試問:
部屋の前で問題を渡される。問題を見る時間は5分でその後、一旦問題は回収され、入室前に再び手渡される。
試験官2名
(配布文書)
1、 70代、女性、糖尿病性腎症の透析患者さんで、ASに対してAVR施行予定です。
(もう少し文章書いてありましたが忘れてしまいました。)
2、 30代、女性、妊娠38週、全前置胎盤に対して、全身麻酔で帝王切開予定です。
入室後、自己紹介と挨拶と。
試験官A:(問1担当)
問1:では、症例1について問題を出していきたいと思います。今から、術前の患者データを見せますので、30秒ぐらいでリスクを5つぐらい挙げて下さい。
(画面に検査データ、血液ガス分析、エコー所見が出されている)
・腎機能が悪い。
・HbA1c
7.6と糖尿病コントロール不良
・エコー:EF32%, AVA 0.43cm2、AR+1-+2、MR、TRもあり。
→重症のAS 心機能も悪く、他の弁膜症も合併している。
などと答えていたら、もうそれぐらいで良いですと。
問2、術中に行うモニターとして、標準モニター以外で挙げてください。
rSO2、BIS、PAC,
A line、、、
試験官A:経食道エコーとかは?
自分:はい、あ、そうです。入れます。
問3、術前の胸部CTを見せます。手術に際しての問題点は?
・上行大動脈が少し拡張。
・弓部大動脈周囲の石灰化あり。
→送血管を入れる時にプラークや石灰化が強くてカニュレーションできない可能性があります。
試験官A:そうですね。他には?
自分:えっ?(何かあるのか?)
試験官B:ま、それぐらいでしょうか。
試験官B:ま、それぐらいでしょうか。
試験官A:そうですね、これはこれぐらいでしたか。
自分:(ヒヤヒヤ)
問4、プロポフォール、レミフェンタニルで麻酔を行ったところHR60台?、血圧が70台に下がりました。何を考えますか?列挙してください。
・volume不足
・麻酔薬による血管拡張、心収縮力の低下
・冠動脈血流低下
試験官A:他には?ま、心電図の変化などにも気をつけてくださいね。
問5、術野から傍大動脈エコーをしました。ところが、大動脈遮断はできますが、送血管は入れられない状態だったので、右大腿動脈に送血管を入れました。血管内にあることは確認されています。脱血管は上下大静脈からで、左室ベントは右上肺静脈から挿入しました。送血を開始したところ、急に送血圧が上昇したとMEさんが言ってます。何を考えてどのように対応しますか?
・送血管の位置異常?
・大動脈解離が起こっていないか、TEEで確認する
試験官A:そうですね。それ以外は?回路側ではどうですか?
試験官A:そうですね。それ以外は?回路側ではどうですか?
自分:え、回路側ですか。うーん。
試験官A:回路が凝血しているとかね。
自分:あー、なるほど。確かにそういうことも。。。なるほど。。はい。
問6、術中に血糖値が320になりました。どのように対応しますか?
・ヒューマリンを持続で使用します。
試験官A:持続でするんですね?投与量はどのぐらい?
・2-3U/hrぐらいで。
・2-3U/hrぐらいで。
試験官A:それでどれぐらい下がりますか?
・200よりは下がらない程度でしょうか
試験官A:ま、そうですね。
問7、手術は無事に終わりました。今回はAVRを行いましたが、弁置換後で気をつけることは何ですか?
・弁周囲の逆流があったりすると術後低血圧になる。
・心臓周囲の血腫
・透析患者さんなので、アシドーシスや電解質が異常になっていないか?をガスでみます。異常であるなら、循環が不安定なのでCHDFにします。
試験官A:血糖値は?
自分:はい。そうです。みます。必要なら持続でヒューマリン持続で定期的に血糖測定します。
問8、術後、看護師さんから一瞬SvO2が低下したと、コールがありました。駆けつけましたが、何を疑いますか?
・SvO2が一過性に数秒ぐらい低下していたCOは2.5-3.7を推移しているようだった。
自分:うーん。何か低酸素になることが起こったのでしょうか?虚血?
試験官A:でも、すぐに戻ってますよね?
自分:はー。確かに。。酸素消費量が急に増えたんでしょうか?
試験官A:患者さんが起きたとか、痙攣が起こったらどうでしょう?
自分:なるほど。確かに、そうですね。
自分:なるほど。確かに、そうですね。
試験官A:痙攣が起きたことにします。どのように対応しますか?
自分:抗痙攣薬、、の前に、原因の検索をします。電解質とか、他に異常がないか、補正をしたり、原因がわからなかったら抗痙攣薬を投与します。
問9、ICUでの呼吸器の設定を言ってください。
・A/C、PCで行います。PC10-15、PEEP5、RR12-14ぐらいでTVと血液ガス分析を見ながら調節します。
試験官A:わかりました。良いでしょう。
試験官B:では次に症例2です。
問1:まず、この患者さんで問題となる点について述べてください。
・全前置胎盤なので術中に大量出血する可能性があります。
・妊娠38週と後期であり、気道系の浮腫とフルストマック状態と考えられます。
・全身麻酔なので、sleepingベービーになる可能性があります。
問2:そうですね。それではどのようにそれぞれ対応しますか?
・大量出血に関しては太い静脈ラインとA lineを確保します。輸血の準備、膠質液やクリオグロブリンなども準備します。
・導入に関しては挿管困難を予想して、迅速導入の準備、各種デバイスと人を集めて、昇圧薬も用意します。
試験官B:他には?大量に出血するかもしれないんだよ。何か他に準備するものあるよね?
自分:え、他にも、、、うーん。オクルージョンバルーンとかでしょうか?
試験官B:それもあるかもしれないけど、、、あと、自己血ね、
自分:あーはい、なるほど。確かに。必要ですね。
試験官B:迅速導入するときに他に準備するものあるでしょう?
自分:えー、他に準備するものですか。。。
試験官B:(喉を押さえる仕草をされる)
自分:あ、はい。クリコイドプレッシャーですね。はい。押さえてもらいます。(押さえないと言う上の先生もいますけど)。
試験官B:そうね、誰かに押さえてもらわないといけないので、自分ではできないから、人を呼んでおく必要があります。では、どうやってクリコイドプレッシャーをしますか?
自分:導入して患者さんの意識が薄れたら押さえて、挿管する直前で・・・(普段、クリコイドプレッシャーほとんどしてないので、いつ離すのか?わからなくなりました)
試験官B:えっ、本当?
自分:。。。挿管してから。。。離してもらいま。。。
試験官B:そうでしょう。いつもそうしてるでしょう?
自分:あ、はい。そうです。
試験官B:それから、赤ちゃんが生まれてきたらどうするの?あなた対応できる?
自分:いえ、一人では無理なので、NICUのスタッフや小児科医の先生を。。
試験官:Yes
!! 小児科医ね、一人じゃできないでしょ。
問3、具体的に導入するときの薬と量を言ってください。
自分:チオペンタールとロクロニウムで導入します。フェン。。。
試験官B:ロクロニウムはどれぐらい?
自分:1mg/kgぐらいで少し多めにします。
問4、術中に大量出血しました。どうしますか?
自分:輸血始めます。血小板とかFFPとかも。人を集めます。追加のオーダや検査をしたりします。
試験官B:そうですね。
問5、赤ちゃんが出てからの麻酔方法について答えてください。
自分:AOSで麻酔します。
試験官B:濃度は?
自分:1%,..1.5%?
試験官B:普通の濃度で良いのですか?
自分:いえ、血管拡張して出血する可能性があるので、少し薄めでします。
試験官B:血管ってどこの?
自分:子宮の。。。
試験官B:弛緩出血ってことね。
自分:あ、はい。そうです。
問6、弛緩出血に対して、どんな薬を使いますか?どうやって?
・オキシトシンを使っています。最初は1A5Uを生理食塩水100mlに溶解し、急速投与します。そのあとはバイタルや出血を見ながら追加でゆっくり目に投与します。
試験官B:そうね。わかりました。
問7、手術は終わって、ICUに入りました。ICUでの鎮静はどうしますか?
・プレセデックス、プロポフォールを使います。
試験官B:なるほどね。どれぐらい?
自分:プレセデックスは0.2-0.5mcg/kg/hr, プロポフォールは0.3-3mg/kg/hr..
試験官B:他には?
自分:ミダゾラムとか。
試験官B:そうね。量は?
自分:0.04-0.2mg/kg/hrぐらいで。
試験官B:鎮痛は?どれぐらいで。何を?
自分:フェンタニルを0.5-2mcg/kg/hrぐらいで使います。
問8、術後の人工呼吸器設定について。
試験官B:ま、これはさっきのと一緒か。
試験官A:そうですね。
試験官B:じゃあ、いいか。ま〜、何とかギリギリ合格かな。
試験官A:(ニヤニヤ)そうですね。もっと、ハキハキとね。
試験官B:そうそう、麻酔科医は時間との勝負だからね。もっとはっきり自信を持って、まとめて話してくれる方が良いからね。
自分:あ、はい。すみません。ありがとうございます。すみません。。。
時間はいっぱいで質問の後半の方にはドアの外からコンコンとノックされていました。
挨拶して退室しました。
実技試験
実技試験は4ブースで各10分、試験官は2人ずつ。
点数のつけ方:i-Padを各試験官が持っていてチェックされている風でした。
ブース1、ACLSとPALS
症例:成人男性が術後に病棟で状態が悪くなって、意識がありません。対応してください。研修医がいるので、彼に指示を出してください。
試験官Cの質問:
・モニター波形は?
・すぐ行う事?→胸骨圧迫
・CPRのやり方→深さ5-6cm, 100-120回のテンポ、30対2、2分でチェック、、など
・使用する薬剤→エピネフリン1A IV
・IVした後はどうする?→上肢を挙上する。(?)
・次の波形はこうなりました。何ですか?→VF、DCします。チャージしてください。ドン
・ショック後はどうしますか?→すぐに胸骨圧迫を再開します。
試験官C:
これで、蘇生できました。
で、奥に(乳児の人形に覆いがかかっていたのを出してきて)、3か月の子どもが病棟でぐったりしています。HRは90、脈は触れません、呼吸は浅いです。あなた一人です。対応してください。
→換気と胸骨圧迫を開始します。最初に1サイクルし、助けと除細動を準備しにいきます。
質問
・胸骨圧迫のやり方(両手法か片手法か)、深さ、テンポなど
・一人で対応するときにもっと、どうした方が良いですか?
自分:うーん。換気もした方が良いし、脈触れないので胸骨圧迫も必要ですし。。
試験官C:ま、良いですよ。わかりました。
自分:すみません
試験官C:良いですよ。気にしないで。
自分:(いえ、気にします)。
ブース2:DAM
試験官D:
症例、整形外科のTHA?の手術で、プロポフォールとレミフェンタニルで導入しました。すると、モニターはこんな風に出ていました。(HR、PB正常、SpO2 93-94%、。。すぐに消えてしまい、EtCO2の波形を見る前に消えてしまったので、お願いしてもう一度見せてもらいました。EtCO2は右肩上がりの閉塞性を示してました)
試験官D:はい、では対応してみてください。マスクとバックはこっちにあります。
(上半身人形、BVMや声門上器具、チューブ、BFなどが準備されている)
自分:まず、マスク換気をします。密着させて、一人で換気しにくかったら、二人方で自分がマスクホールドをして、もう一人にバックを揉んでもらいます
試験官D:では、トリプルエアウェイマニューバーをしてみてください。
自分:トリプルエアウェイマニューバー???うーん。
(そんな難しいことありましたっけ?と。この言葉を知らなかったので、詰まってしまいました)
試験官D:じゃあ、もうトリプルエアウェイマニューバーはとりあえず良いですか。次にいきますか。
自分:いえ、ダメですが、、、すみません。
試験官D:では次にどうします?
自分:声門上器具を使います。i-gelを挿入して換気をします。
試験官D:では、このままでは手術できないので、挿管してみてください。
自分:BFを用いて、細いチューブ、、6mmを用いてi-gelの中に通して挿管。気管内にあることを確認しながら、BFを抜いて、チューブエクスチェーンジャーを挿入して、i-gelを抜去。
試験官D:確認は?
自分:あ、BFを使って、気管内に挿管できて、位置が悪くないかを確認します。
試験官:はい。では、おしまいです。
ブース3:硬膜外麻酔、経食道超音波検査
(硬膜外麻酔)
試験官E:胃がん?で胃切除をする予定です。全身麻酔と硬膜外麻酔でします。患者さんはとても緊張していますので、配慮しながらしてください。
(手袋をはくところから、消毒の仕方を口で説明しながら準備する)
質問:
・どこから入れるか?なぜ、その位置にするのか?
・実際に肩甲骨から数えて入れてください。
・カテーテルは何センチ硬膜外腔に入れますか?入れてみてください。
(経食道超音波検査) 実際にモニターが出る人形が準備されている
質問:
・中部食道四腔像を描出してみてください。
・僧帽弁前尖は?
・右室はどこですか?
・下行大動脈の長軸像を出してください。
・頭側はどちらですか?
ブース4:腕神経叢ブロック(鎖骨上アプローチ)、ブロックの穿刺平行法、 PAC留置
(腕神経叢ブロック)実際の男性の鎖骨上にリニアプローブを当てて描出する。
質問:
・神経叢、鎖骨下動脈、胸膜、第一肋骨、中斜角筋?(前斜角筋?)、鎖骨下静脈の同定。
・どのあたりにから穿刺をするか?実際にどのあたりに局所麻酔を注入するか?
・何の局所麻酔薬をどのぐらい使用するか?
・何時間効くか?
(神経のモデルに平行法で穿刺する)
質問:
・局所麻酔を注入するときの注意点。
・実際にどのように注入するか?
(PACの挿入)
質問:
・どんな体位で、ベットをどうするか?どの位置を刺入点にするか?
・エコーを見たときに動脈と静脈をどのように区別するか?
・実際に穿刺をして、ガイドワイヤーを入れてください。どれぐらいの深さ入れますか?
・途中で不整脈が出たらどうするか?
・シースが血管内に入っていることは確認できているのに逆血がない時、何を考えてどうするか?
・カテーテルを挿入してから右房、右室、肺動脈、肺動脈楔入圧を見ていきますが、どのような波形になるか?実際に書いてみてください。(10, 20の平行線が描かれているボードに波形を作成する)
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