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2016年10月5日水曜日

体験談⑧(第55回麻酔科専門医認定試験)




【体験談】
試験勉強は4月くらいから少しづつ過去問を解きはじめ、本格的に始めたのは5月の麻酔科学会終了後だったと思います。
具体的には過去問は5年を3~4周はしました。初見では解けない問題が多いですが、何度もやっているうちにA問題は反射的に解けるようになっていくと思います。
口頭試験や実技試験対策としては、職場の同期とお互いに問題を出し合って答える練習をしたり、麻酔器の点検やエコーガイド下神経ブロックを入念に確認しました
また、麻酔科学会が出しているガイドラインには一通り目を通しました。

筆記試験
筆記試験は東京で受けました。9時過ぎに会場に着けばいいので、朝は比較的ゆっくりできました。
午前中はA問題で、ほぼ過去問通りで、9割は取れたと思います。昼は学会の弁当を事前に申し込みました。建物の中にコンビニやドトールはあるので、弁当の申し込みは必須ではないと思います。B問題は、試験開始前に稲田先生が「難しいですが、くじけずに頑張ってください」と言った通り、なんじゃこりゃという問題ばかりで、心が折れそうになりました。C問題は例年通りで、そんなにひねった問題はなかったような気がします。
やはり過去問をしっかりやって、A問題で取りこぼさないことが重要なのだと痛感しました。
3つ選べ問題も多く、曖昧な記憶だと厳しいです。過去問をやる際は選択肢一つ一つをきちんと吟味しておいた方がよいと思います。

口頭試験
口頭試験は一週間後神戸でした。はポートピアホテルではなく、歩いて5ほどのもう少し安いホテルに泊まりました。
そんなに不便はなかったですが、ポートピアホテルに泊まるのが、一番楽だとは思います。
待合室では、荷物はすべてカバンにしまわなくてはならず、何もできません。30以上待ちましたが、何もやることもなく、もちろん会話もできないのでなかなかつらかったです。その後、エレベーターで8階に移動し、口頭試験と実技試験でした。

口頭試験(30
①70代男性 繰り返す一過性脳虚血発作と胸痛

頸動脈3D-CTとCAGの所見、どこが狭窄しているか
CEAとCABGどちらを先にやるか脳外科・心臓外科と相談→TIA繰り返しているので、CEAが先と回答
CEAを先にやることになりました。麻酔何を気をつける
追加するモニターは 
術中mep消失、対処は
術後合併症4つ
術後管理気をつけること3つ
その後CABGやることになりました。
回旋枝吻合中の血圧低下原因は?
対処法は?
手術終了後、ICUに入室しました。自発呼吸はありません。人工呼吸器の設定は?

②60代男性 肥満 舌癌術後で頸部放射線治療を受けている 腹腔鏡下結腸切除術が予定されている

術前問題点5つ(血液検査のデータあり、軽度貧血、低アルブミン、腎機能障害)
麻酔法は?
気道確保の計画?
レミフェンタとプロポで導入後、マスク換気困難 対処4つ
挿管試みて、コルマック3度、3回目で挿管出来ました。
デスフルランで低流量麻酔をします。挿管した後、新鮮ガス流量とデスフルランをどのように設定していくか。呼気中のデスを6パーセントにしたい。
気道内圧が横軸と1回換気量が縦軸のグラフが表示されて、読み取れることを答える。
頭低位にしたら、1回換気量が減り、酸素飽和度低下しました。原因と対処法は?
etco2と吸気co2と呼気デスフルラン濃度のアラーム設定が表示され、このままでいいのか、どう変更するか?
手術は6時間で出血150g、輸液バランスは+1200mlです。抜管どうする?
喉頭浮腫の評価は?→喉頭ファイバーやカフリーク圧の測定

試験官は比較的優しく、かなり誘導してくれた印象です。
結構盛りだくさんで、時間はほぼぴったりでした。
詰まってしまって、答えられない問題が増えると、時間が足りなくなると思われるので、テンポよく答えるのが大事だと思います。

実技試験(1部屋10
①意識下経鼻ファイバー挿管→準備するもの、実際に施行、声帯が見えないときどうする? など
 輪状甲状間膜穿刺→実際に施行 どうしてこの部位でやるのか
②無痛娩の硬膜外→穿刺部位とその理由、実際に施行
 TEE→僧房弁前尖、右室を指摘 壁運動の低下部位とその時の心電図異常は?
③ACLS→すでに挿管されているところで呼ばれたという設定。PEAからVf。胸骨圧迫の部位・深さ・テンポ、換気回数など聞かれます。
 PALS→3歳だったかな。一人の設定で胸骨圧迫と換気の比は?
④腕神経叢ブロック鎖骨上アプローチ→見えるものを指摘、局麻の種類・量・持続時間は
 筋弛緩モニター→上肢に実際に装着、刺激の強さは?他の部位でやるとしたらどこ?
 ファントムで神経ブロック
 内頚静脈CV穿刺

麻酔器の始業点検は2年連続で出ませんでした。
部屋によっては(特に神経ブロックの部屋)時間がなくなる可能性があるので、急ぎ目でやった方がいいと思います。試験官も人によっては誘導してくれます。そんなに難しいことは聞かれないので、基本的なことができれば大丈夫なのだと思います。普段からブロックやTEEに慣れ親しんでいる人は大丈夫かと思いますが、あまりやっていない場合は試験前にきちんと確認しておいた方がよいと思います。


最後に、salaryman-anesthesiologist様ありがとうございました。無事合格でき、本当に感謝しています。
今後受験される方々の御健闘をお祈りいたします。

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