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2016年10月7日金曜日

体験談㉜(第55回麻酔科専門医認定試験)




感想
青本は、筆記試験では合わずに使用しませんでした。
口頭試問・実技では青本メインで勉強しました。

一言要約
筆記試験は6年分過去問で余裕をもって合格できます。
口頭試問は6年分青本の過去問と謙虚さがあれば合格できます。
実技は運の要素もありますが、青本くらいはやったほうがいいと思います。

私は実技が不合格でした。
せっかくなので実技の体験記を載せます。次回受ける人の参考になればと思います。


実技試験

1 DLT+気管支鏡、ブロッカー
2 硬膜外麻酔+TEE
3 ACLSPLS
4 TAPブロック+PAカテ挿入
が当たりました。他も似たような症例だったようですが、同日でも内容は変わっているらしいです。

DLT+気管支鏡、ブロッカー
成人女性、右上葉肺癌。チューブはなに使います?と言われ、左用DBL35Frで。すると、シートが外され、用意しておきましたと。

換気できません。直してくださいとのこと。奥に入れすぎていたので青からファイバー入れて、浅くして膜様部を同定し、右左同定して再び深くして留置しました。その際に滑りが悪く進んでいかず、とても時間がかかりました。最後にすごい力をいれて、気合で滑らせて留置成功。その際によっしゃーオッケーと思わず言ってしまいました。
各部位の同定。右は膜様部が流入するのがB2,そこから時計回りにB3,B1と答え、その他もすべて答えました。
左はB6だしてと言われ、膜様部流入するのがB6ですと答えながら普通にB6出して、試験管に『はい』と言われ終了。試験官は画面でなく、模型の肺を直接見てB6と断定していました。
DLTで換気できないので、ブロッカーで換気してくださいと言われました。ここでトラブル。普通の挿管が、8.0チューブが濡れていないためか進んでいかない。3回トライして失敗。その間、ゼリーをつけたり、試験管が介助する素振りはなし。Cormack1なんで、そしてこのブロッカー好きなんで次をやらしてください!と言いながらタイムアップですと言われました。
そしたら、問題だけ聞いてくれました。
浅くしたら?換気ができません。
はぁ?といわれので、なら非換気側が膨らみますと答えました。
深すぎたらと聞かれ、右上葉が膨らみますと答えたところ試験終了が再度伝えられ終了しました。

2 硬膜外麻酔+TEE
帝王切開の硬膜外、留置レベルと場所を決めるためのマーカーを答えさせられました。TEEは簡単すぎて拍子抜けでした。硬膜外は3−4センチで抵抗消失し、針先から5cm留置して終了。
消毒薬の種類や手袋しますと伝えながら硬膜外麻酔をやったが、余計なこと言わんではよやって。と言われました。
TEEは無冠尖、右房、後尖、左室とTEEの禁忌3つを答えさせられました。
無冠尖のところでは、その他の弁尖も答えましたが、余計なことはいわんでいいよ。と言われました。

3 ACLS
局所麻酔中毒。舌がしびれてPEA
最初波形みてと言われ、rate40/minの徐脈、洞調律です。と答えたら、でも動脈触れませんと言われたので、PEAですと答えて心マを開始する。
研修医役の先生に適宜教えながら行います。2015ガイドラインにそってやりました。どこを、どの頻度で圧迫するのか。ジュールなどが聞かれました。
局所麻酔中毒の際の対策を聞かれたので、20%イントラリピッドを1.5ml/kg をまず投与しますと答えました。

無事終わったかと思いきや、
全身麻酔覚醒後、回復室で、3ヶ月の子供が目の前で、あなたの目の前で反応なくなりました。どうしますか??と。シートに隠されていた子供の模型が。
すぐに心マ開始、まず心マ、研修医が来ました。30:2で換気させます。人とDCをと伝え終了しました。

4 TAPブロック+PAカテ挿入
最後のセクションはボランティアが寝ていました。エコーガイド下TAPしてくださいと言われ、各組織を答え、ブロックする神経(脊髄神経前枝)答えて終了。
エコーで神経模型出して、針でブロックする。薬液注入の時に気をつける点を聞かれました?

最後に女性にPAシースとPAカテ入れてくださいと。
硬針と思って使ってた針が軟針で、少し手間取り、試験時間があと少しと言われテンパりました。留置し、逆血確認しました。PAカテ留置します。
と言ったところ、突然試験管が、
『はい、ここでシース側管から逆血ありません。何を疑いどうしますか?』と。
尖端が右胸腔にある可能性、血管内にあると思って引いてくると血胸を誘発する可能性がある。すぐにレントゲンをとって位置確認します。絶対にここからシースの場所を変えません。と伝えました。
『その他に何を疑いますか?』皮下迷入、血管壁の先あたりなどです。血胸はクリティカルなのでレントゲンをとります。と伝えました。

ipadPAを波形書いてと言われ、スケール間違え、書き直しが出来なかったので、波形が連れている旨を伝えました。a, x, v,yはかけませんでした。

結果、実技が不合格でした。

全く潤滑物質のない挿管チューブを介助なしに入れられなかったのが、一つの問題。それに加え、PA挿入時の細かな態度の減点があったのではないかと思われました。
後日、学会に試験結果の開示をお願いしました。
すると封書で回答していただきました。

客観的な採点は問題なく、専門医としてふさわしい接遇、態度が問題で落としたと伝えられました。

過去の事例を検索し、考察しました。

当方
挨拶はしました。
声は十分に大きかったと思います。少なくとも小さくはありません。
敬語で話しました。タメ語で一切、話してません。
あー、う~とかも言ってません。
“てへぺろ”などふざけた言葉も言っていません。
スーツで行きました。ネクタイもしていたと思います。革靴でした。
態度が悪いとされるような横柄な態度を取った覚えはなく、大変ショックを受けました。
全く不愉快にした理由がわからず、相当引きずりました。
今までやっていた、普段からやっている喋り方や態度が、専門医にふさわしくないのか自問自答の日々を過ごしました。

おそらくですが、
論文やガイドラインではこう書いてあって…と言うことが不愉快だったのかもしれません。
思いっきり滑らない人形に、力いっぱい押したりしたのがよくなかったのか、
よっしゃー、オッケーと言ったことがよくなかったのだろうか
TEEで聞いてもいないことを答えることがよくなかったのでしょうか

今後、受験される方にアドバイスをするとしたら、
はい、いいえ、わかりません
数字、値、聞かれた答
しか言わないことを薦めます。
論文がとかガイドラインがと言うと不愉快に思われる試験官がいるかもしれません。
おどおどして、自信なさげに答えていたら問題なかったのかもしれません。
何を言って揚げ足を取られるかわかりませんし、試験官も人間で、何百人も相手にしているので疲れているのでしょう。
合格率がもっとも多いとされるセクションで、もはや“落とす理由”を探しているのでしょう。
スーツで行って、接遇が悪いと言われました。私服で受験して合格している方も多数いるので、もう私服でも大丈夫なのでしょう。心マもするし、服は見ていないのでしょう。ジャージとか動きやすい格好で行ったらいいと思いました。

試験会場では、試験官は神様です。可能なら、その年の試験委員長クラスの偉い人は顔写真を事前にチェックして、鶴の一声落ちがないように、注意してください。こいつはムカつくと思ったら試験官である以上、落とせるので、有望な次回受験生の方にはこれらに気をつけて実技試験を受けていただきたいです。
そのためにも、すきを作ってはいけません。

まぁすべて、試験官に気を使えなかった僕が悪かったのです。靴底まで舐めるように気を使い、へこへこすべきでした。

僕は約40分間で麻酔科専門医という“サロン”にふさわしくない人間と判断されました。客観的な採点以外の主観的評価で落とされる試験が、天下の専門医試験で行われているとは信じがたいですが、現実です。
嫌いでムカついたら、点数はいくらとっても落とす試験ということでしょう。つまりは知り合いで、嫌いなやつが受験したら落とせるという試験ということです。

僕は今後受験するかはわかりませんが、こんな気分を次回以降の麻酔科専門医試験を受験される方に味わってほしくはありません。

この症例報告が、今後の皆様の実技試験対策に生かされれば幸いです。
僕の屍を超えていってください。

以上。



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筆記試験
5月末くらいから開始しました。
大きな教科書ミ◎ーは専門医対策には一切いりません。グー◎ル検索で答えは十分。

78年分やろうと思いましたが、周りに止められたのと、時間がなかったので6年分をひたすら繰り返しました。5年分ある程度できるようになって、6年前のものを解き出し、最終的に過去問6年分を正答率95%程度までにしました。一生使わないような設問、あやしいもの、難しいものは最終的には解答のみ暗記し臨いました。一日前に◎ケモンGOをダウンロードして、メンタルコントロールに走りました。

A 初見、分からない問題はなし。
ただし、配列が変わっていたり、答えが変わっていたりと、微妙なケアレスミスはあり。しかしどうあがいても81点は取れていたと思います。
(例年ならば合格を確信する。が試験問題数が改定されここからも集中した。)
B 多くは不明。絶望。
C 文字が長く、考えさせられる問題も多く、疲労からケアレスミスをしてしまいましたが、5割はある印象。特別わからなくて手も足も出ない感じでなかったです。とても教育的だが、不適切な問題も多い印象を受けました。

個人的な感想ですが、試験中は、不適切問題、解答不明などは絶対あるので、それに怒るのでなく、許容して解くことが必要ではないでしょうか。ある程度混乱しても、別にいいや、満点狙ってないしと、自身のメンタル調整をするのがよいと思われました。
過去問をある程度やったら、知らないことを許容し、メンタルと健康に気を使う試験と思います。満点取ろうとする試験ではないし、合格すれば一緒なので。
6年分で合格を確信できます。

口頭試問、実技
口頭試問の問題、青本を暇な時に適宜おこないました。過去問はどこに公表されているのかわからず、青本を参考にしました。青本の答えに、自分の考えを混ぜて、覚えていきました。ここでも6年分のみと割り切って勉強しました
9月に入るくらいには一通り6年分過去問を網羅し、9月半ばからは筆記メインで勉強して、筆記終了後に再度過去問を復習しました。脳死判定など暗記し、同期に問題を出しあいました。麻酔器点検も一応勉強しました。初日9時からの人柱だったため、やや復習の時間が足りなかったと感じました。



口頭試験内容
問題二例印刷されたプリントを渡され5分間みて、書き込み、返却し、少しして12畳くらいの部屋に案内されました。
試験管二人。

一例目: SSSPMI後、大腸がん
二例目: 多発外傷、顔ぐちゃぐちゃ
詳細は解答を参考にしていただいて、細かい内容を記載する。
多分、試験官は基本救済の立場のようで、答えられないと、違う?問題を出してくれてました。

一例目
ハイライトは術中のPMの設定の設問。
VVIと答えました。
試験管:VVIでは何が問題になりますか?
電気メスの干渉が問題になるとは言われていますが、基本実臨床では用いているので、問題ないと思います。適宜技師さんなどと協力して確認して設定決めます。すいませんがわかりません。と答えた。
※解説 実はVOOを間違ってVVIと言ってしまうハプニングその後の誘導にも乗れませんでした・・。
一応問題ないんですけどね。と言いながら、言い間違えていることに退出まで気が付かず。でも確認したら最近はDDDVVIも、下腹部の手術や大腿の手術では可らしい。しかもたまたま次の週に同じような症例にあたり、MEさんに聞いたら、VVIでいい最初は行いますとのこと。その症例はVVI完遂。。時代はかわりますね。来年はVVIVOOなどペースメーカ設定の口頭試問が出るかなと思ったりしました。

なぜか一例目は腫瘍再発して、ペインの問題に変わりました。
腹部と臀部などの痛みが出てきて、アドバイスを求められました。

くも膜下フェノールブロックと腹腔神経叢ブロックを伝えました。腹腔神経叢ブロックは適応あるの??と聞かれ、バイアスピリン飲んでるんで、といったら、やめましたと言ったので、一応ありますと伝えました。同ブロックの合併症を問われ、大血管損傷、神経障害、感染症を答え終了。
実は、くも膜下フェノールブロックを答えさせ、腹腔神経叢ブロックは適応なしが答えらしいです。くも膜下フェノールブロックは排尿障害の合併症が起こる。という一連の事を答えさせる問題では?と意見がでました。

二例目 多発外傷
挿管について
顔のCTがぐちゃぐちゃ。CTの画面の横に開口5mmと記載されていたそうだが気が付きませんでした。顔のCTがぐちゃぐちゃすぎて、こんなの経口挿管不可能と思う旨を伝え、輪状甲状間膜穿刺で気道を確保すると答えました。
挿管されて手術室きたけど導入薬は?と言われ、意識障害、ショックバイタルなので用いません、セボフルラン0.2程度の麻酔とフェンタニル少量で麻酔しますと伝えました。
その他はたくさん血出てますけど外科医に言うことは?と言われ、
冷静になれ!!まだ慌てる時間じゃない。と言います。と伝えた。(もちろんもう少し丁寧に。)
ギリギリ時間内に終了しました。

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