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2016年10月6日木曜日

体験談㉗(第55回麻酔科専門医認定試験)




【体験記】
仕事にプライベートに忙しい学年ですので、1年前から準備を始めました。
勉強時間がどれくらい確保できるかを考えて、試験勉強開始時期を検討するといいと思います。
口頭試問・実技試験はポートピアホテルに宿泊しました。
午後からなので13時チェックアウトを利用しました。

口頭試問・実技試験は時間帯毎に集められます。4~50人位いました。
これをA-E5グループ 3人1組 合計15人ずつエレベーターで移動します。
口頭試問30分から始まり実技試験10分×4回で修了、あっという間でした。

【筆記試験】
過去問50-53回までの4年分を9月から2016年5月までに4回くらい解きました。
始めは知らないことばかりでしたので一つ一つ教科書で調べました
克誠堂出版「吸入麻酔」や
中山書店「麻酔科医のための~シリーズ」が役に立ちました。

何度も間違えるところを青本に書き込んでいきました。
6月頃に54回の過去問を初めて解きました。
ここでおおよそ7割位取れたのが自信になりました。

7月までに青本に付随した、過去問集・セルフチェックも一通り終え、
一つ一つ選択肢の正誤を理解するようにしました。
8月・9月は口頭試問・実技の勉強を併せて行いながら試験に臨みました。

勉強時間はほどんど仕事の合間を縫う形+帰宅後1時間くらいでした。
まとまった時間がとれず早目に対策を立てました。

実際の試験は、今年から問題数のバランスも選択肢の形式も変わりました。
全て選ばなければならないのはとても難しく感じました。

A問題 9割 B問題 4-5割 C問題 6-7割くらいでした。
A問題は早目に退室し休憩時間に疑問点を復習しました。
B問題 C問題は見直しの時間はありましたが、時間が余る感覚はありませんでした。

A問題は問題数が減っています。B問題は相変わらず難問です。C問題は例年通りです。
合格にはA問題で9割とC問題で6割は必須と思います。


【口頭試問】
筆記試験から5日間しかなかったことから、夏ごろより早目に対策を始めました。
集中治療・ペイン・緩和・救急・ブロックなど経験が無い分野を特に重点的に行いました。
全く答えられないような状況は避けたいと思いました。
とにかく声にだして簡潔に答える練習をしました。

試験前に症例を記載した紙が渡されます。
5分間で好きなようにメモしていいのですが、
実際には落ち着いて書くこともできず、試験中もあまりみませんでした。
体重・血液型はチェックしました。

試験官は男性2名 終始和やかな雰囲気でした。
誘導はありませんでしたが、時々間違いを修正してくれました。

1例目
60代男性 165㎝ 60㎏くらい
中部食道癌の周術期管理。2年前まで喫煙歴あり。

1.麻酔方法について その理由 導入に使用する薬剤 投与量 
2.術前検査で必要なもの 5つ
3.(モニターで血ガスの値を表示される 軽度の閉塞性換気障害以外特記なし)
術中に酸素飽和度が低下した場合の対処方法について
4.挿管チューブの選択 メリット デメリット
5.術中体位により起こりうる神経障害 3つ
6.術後に右上腕のアロディニア・体温低下・等々 診断は 
7.治療法について 薬物療法(副作用も) 神経ブロック(合併症)


2例目
70代男性 165㎝ 75㎏くらい
膀胱癌 開腹による膀胱全摘術 尿路変更術を
セボフルラン・ロクロニウムによる全身麻酔で行いました。

1.全身麻酔開始後にCO2が上昇しました。鑑別を5つ。
2.30分?で体温が1度上昇しました。血液ガスでは混合性アシドーシスです。診断は?
3.悪性高熱症の症状と治療法
4.手術がまだ途中です。執刀医に現状と今後の方針を説明して下さい。
5.悪性高熱症の診断方法
6.家族に状況の説明と、再手術はできるのか、家族は麻酔をうけても大丈夫なのか説明。

多少間違えたり詰まったりしても、優しく促してくれました。
青本のお陰で無事に乗り切ることが出来ました。


【実技試験】
口頭試問後休む間もなく実技試験に移ります。
4室を10分ごとにローテーションします。

1問目
6歳 30kg HR30でショック状態 研修医がそばにいます
1.心電図波形は → 高度徐脈
2.どうしますか → 心マします ペース・深さ・部位・薬剤を説明
3.波形がVfになりました → DCします 2J/㎏

続いて奥の机の布がめくられ乳児が登場
生後3カ月 心肺停止です
1.どうしますか → 心マします ペース・深さ・部位を説明
こちらはこれで終了

2問目
3回挿管を試みたが出来ず換気困難です。
換気困難のアルゴリズムに従って答えてください。
1.モニター提示.異常所見を2つ → SpO2低下 カプノモニターⅡ相の消失
2.どうしますか 看護師に指示3つ → 応援を呼ぶ マスク換気の介助2人法 (あとは筋弛緩の拮抗?)
3.triple airway manuverをしてください
4.マスク換気が出来ません.どうしますか → 上気道確保器具を実際に挿入 i-gel
5.上気道確保器具を挿入しても換気ができません →アルゴリズム「赤」なので 輪状甲状間膜穿刺をします
6.2種類キットがあり実際に説明しながら実施.

3問目
妊婦のCSに対して脊麻
1.使用する薬剤・部位 マーカインの種類・濃度 オピオイド混ぜるならどれくらい?
2.実際に消毒し穿刺 逆流がなかなか得られず本当に焦りました。説明しながらやります。

TEE
1.中部食道四腔像を出して下さい。RV・僧帽弁前尖はどれ?
2.経胃中部短軸像を出して下さい。異常所見と責任冠動脈は?

4問目
腕神経総ブロック斜筋間アプローチをエコーで描出
1.神経 筋 内頚動脈 内頚静脈を指示 どこに針を進めるか
2.使用する薬剤 持続時間
3.神経模型に対して実際にエコーガイドかで穿刺

右内頚静脈からCV穿刺
1.模型を使って実際に穿刺
2.ガイドワイヤー挿入時の注意点

SGカテーテルを留置
1.RAからPA、楔入圧の変化をipadに圧波形を書いて下さい。
2.それぞれどれくらいの長さで到達しますか。
3.注意点
4.シース挿入後エコーでは血管内に留置を確認できますが血液の逆流がありません
どうしますか。2つ。 → シースを少し浅くしてみる  他は?


実技試験は実際8分で行い次々進められていきます。
集中力を切らさないことが大事です。
各ガイドラインは必ず目を通す必要があります。

医局に所属しておらず不安で一杯でしたが、
無事に合格ができて本当にありがとうございました。

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