お知らせ
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体験談③(第55回麻酔科専門医認定試験)
この度は、先生の青本のおかげで無事3科目とも合格することができました。時間がない中、大変効率よく勉強できました。心より感謝いたします!以下、体験談です。《筆記試験》先輩から早々に過去問は頂いたものの全くやる気が出ず、結局きちんとやりだしたのは6月に入ってからです。過去問はとりあえず5年5周と言われたのでそれを目標としていましたが、過去問を見ていると割と6,7年前の問題も出ていたので、結局5年5周に加えてAB問題だけプラス2年分を3周しました。8月頃に今年はA問題が100問→90問、B,C問題が50問→55問に変更になると発表され戸惑いましたが、どうしようもないのでとりあえず過去問をやり続けました。体験談で最近のLisaは読むと良いと書いてあったので読もうと思いましたが、時間がなく斜め読みになってしまいました。しかし、実際にLisaで読んだことがあることも出ていたので、時間がある方は普段から目を通しておくのが良いと思います。神戸での受験でした。時計は今年は前にスライドがありそこにデジタル表示されていました。A問題は過去問7年やっていれば初見の問題はほぼありませんでしたが、全て2つ選べか、3つ選べの選択肢であったため、あやふやな記憶であると絞りきれない感じでした。過去の体験談でもあるように一問一答で答えがなんであるか答えられるようにする必要があります。B問題は毎年ながら難しく、特に初めの方の問題は何を勉強していれば解けたのかわからない感じでした。TEEやブロックが増えている印象でした。C問題は過去問と比べて状況判断を問う問題が増えたように感じました。BC問題は問題数が増えた影響もあってか割と時間ギリギリで、途中退室者はあまりいませんでした。自己採点でA90%B40% C60%くらいかなと思います。《口頭試問》①60代の男性。体格は普通。中部食道の扁平上皮癌に対して手術を行うこととなった。2年前まで喫煙歴20本×40年がある。麻酔方法はどうしますか。その麻酔方法の利点はなんですか。導入はどのように行いますか。具体的な薬剤名と量を答えてください。チューブは何を使いますか。それぞれ利点と欠点を述べてください。術中分離肺換気中にSpO2が低下し90%くらいになりました。どうしますか。4ー5個。側臥位で起こりやすい神経障害を4つ答えてください。術後一ヶ月後に右腕の痛み、浮腫み?、感覚障害(詳細忘れました)を訴えました。何を考えますか。それに対する治療はどうしますか。②70代の男性。体格は普通。膀胱癌に対して、膀胱全摘回腸導管を行うことになりました。麻酔は全身麻酔と硬膜外麻酔で行い、導入はプロポフォールとロクロニウム、フェンタニル。維持は酸素、空気、セボフルランで行いました。術中30分経過した頃からEtCO2が徐々に上昇してきました。鑑別を5個述べてください。体温上昇がみられる。血液ガス初見→混合性アシドーシス 何を考えますか。悪性高熱の所見はどんなものがみられますか。7つくらい。対応はどうしますか。手術は鈎をかけたところです。外科医に悪性高熱であることを踏まえて、今後の方針について説明してください。術後ICUで気をつけることはなんですか。どういうことが起こり得ますか。私を家族だと思って、今回の件のついて説明してください。もう少しそれぞれ聞かれた気がしますが、思い出せるのはこれくらいです。担当の試験官は穏やかな男性2名で、圧迫感は全くありませんでした。問題もオーソドックスだったのでほとんど答えることができ、運が良かったです。ペインの経験がないため、青本ではペインや緩和の分野を中心に対策をしていました。今回の問題であれば、結果的にはあまり口頭試問対策をしなくても受かったかもしれませんが、それだと問題の当たり外れによっては全然答えられません。口頭試問対策としては得意分野を伸ばすより自分の不得意分野をなくして、とりあえず何かしらは答えられる、という状況にしておくのがいいと思います。青本の口頭試問はその対策にうってつけです。自分が何が弱いかがよくわかります。そして、青本を読み込んでから実際声に出して練習するのがいいです。《実技試験》①PALS 8歳 30キロの子供の徒手整復中に意識消失。脈は触れ、モニターで30回。全身にチアノーゼを認める。この波形はなにか。対応してください。胸骨圧迫に場所と回数。呼吸と胸骨圧迫の比。深さ。試験管を研修医と思って指示してください。その後VfになってDCする。3ヶ月の乳児の呼吸なし。脈なし。どうしますか。CPRをする。胸骨圧迫の場所とリズム。呼吸との対応回数。深さ。②DAM 麻酔モニターを見せられて状況を答える。EtCO2が右肩上がり。SpO2が徐々に低下。マスク換気困難。どうするか。3つ答える。トリプルエアウェイマニュバーについて説明しながら行ってください。次に声門上器具を挿入するように指示される。ラリンジアルマスク挿入。揉めるか確認。次にこのようなモニターになりました。EtCO2の波形が出なくなる。どうするか。輪状甲状間膜穿刺。どうしてこの場所を選ぶか。次に輪状甲状間膜穿刺を人形で実際に行う。(セット2種類から選ぶ)③妊婦の脊髄くも膜下麻酔。場所と薬の量。実際に手袋をはめて消毒から。患者に声かけて。穿刺しても髄液が返ってこなかったらどうするか。TEE。先端が少しだけ人形に入っていて、画像を出すところから。中部食道四腔像を出してください。A弁はどれか、右室はどれか。経胃短軸像を出してください。異常所見は何か。→側壁の運動低下。どこの領域異常か。回旋枝領域。④ボランティアの男性で腕神経叢斜角筋間アプローチの描出。構造物を答える。薬はどこに入れるか。薬は何をどれくらいいくか。持続時間はどれくらいか。スワンガンツカテーテルをエコーガイド下で人形に挿入。ガイドワイヤーを入れるところまで。ガイドワイヤーは何センチ入れるか。入れすぎたらどうなるか。不整脈が起こったらどうするか。誤って動脈に留置したらどうするか。スワンガンツの波形の変化をipadに書け。(横に目盛りも書いてある)スワンガンツカテーテルを実際の位置に進めるまでどうするか具体的に述べよ。口頭試問のあたりがよかったせいか、実技試験の方が難しく感じました。内容が盛りだくさんなので、試験官も焦っている感じがするし、一瞬で答えないとダメなのでちょっと迷ったりするとドツボです。私は緊張して刺しもの系が全然当たらなくて実技試験で落ちたかと思いましたが、その時の対応やその後の問題に答えられていればそれなりに点数はもらえていたようです。(具体的には、妊婦の脊髄くも膜下麻酔で髄液が返って来なかった。スワンガンツの穿刺で内頸静脈に当たらずガイドワイヤーが留置できなかった…)実技試験でもTEEとエコーは必須になっていると感じました。試験に受かったことはもちろん嬉しいですが、試験勉強を通じて知らないことだらけだということに気づかされました。受かったから言えることですが、試験勉強は勉強をするいい機会になりました。今後も勉強を続けていかねばと思わされました。青本と体験談のホームページには大変お世話になりました。ありがとうございました。来年受ける方も頑張ってください。
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