筆記試験
先生のPDF資料で最初とりかかったのですが、各パート頭のmix問題をほぐしていくのが難しくて断念。
54回、53回、52回とさかのぼって3冊をものにしてから、もう一度、PDF(解答つき)で分野別に復習しました
直前期には47-54回までの問題文をPDF化したものを模試化して毎日1年分ずつ。A・Bはどの年も95%くらい。Cは70-80%くらいの仕上がり
当日朝は52、53のB問題を見直したら、ズバリの問題がいくつかあった印象
A問題 例年通り過去問からでした。90問に減った影響で歴史問題がBの頭にいったくらいでしょうか。自己採点 90%以上
B問題 初めの見開き8問で確信を持てる問題がまったくないくらいの難易度。試験中に○だろうなと思えたのは10/55くらい
C問題 みたことのない問題が多くてこちらも確信はもてる問題はあまりなし。Bよりはマシ、という程度でしょうか。
口頭試問の勉強を始めてから、最近の口頭試問から転用されている問題もあったのでは、という発見がありました。
筆記の過去問にある程度メドがついたら、C問題対策として先生の口頭試問対策本を通読しておけばよかった、と思いました。
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口頭試問・実技 初日9/30(金)8:00 4組目の3番手
東京の先生が主の試験官、もう一人は大阪医大の先生
「ふだんの麻酔と試験ではどちらが緊張しますか?」 → 「試験は1発勝負なので…」と言ったら「試験は毎年あるから、また受けられるじゃない」と…(汗
口頭試問(2問 30分)
①78歳 男性。ちょっと肥満気味の身長・体重。横行結腸がんに対する腹腔鏡下手術を3週間後に控えている。糖尿病でビグアナイド系薬を1剤内服。
SSSでペースメーカーが入っている。2か月前に狭心症を起こしており、アスピリンとニコランジルを内服している。
○術前検査は何を追加しますか? HbA1C、凝固系、心エコー、呼吸機能検査 等
○内服薬をどうコントロールしますか? ビグアナイドは当日中止、アスピリン、ニコランジルは継続で
○麻酔計画はどうしますか? 凝固に問題がないので、全硬麻 A1V2で
(モニタに映っていた血液検査所見が実は2例目のもので、この症例の間は手元の紙と試験官からされる質問のみと気づくまで時間がかかりました)
○ペースメーカがDDDでした。術中どうしますか? → DOOと言ったら苦笑され… 業者さんに任せます、と(それがいいね、と)
○手術開始しばらくして血圧がさがりました。硬膜外からメピバカイン○○mlを打った、セボ1.5%で維持している等の条件が与えられる
→ 急速輸液、麻酔深度↓、昇圧薬(具体的に? エフェドリン、フェニレフリンを試してもダメならノルアドなどカテコラミンで、と回答)
○術中、心臓の動きを常にモニタするには? → 心電図(5点誘導で)、経食エコー(かなり誘導されてやっと言わされた感じ。うちは心外がないので…と言ったら、心外以外の手術でも経食は有効なんだよ、買ってもらいなさい、と言われました)
○接遇問題として、ICUの先生に引き継ぎを、とのことでした
②76歳 男性。交通外傷。詳細設定わすれました
で、①のものだと思っていた血液検査所見がじつは②のもので… Hb 5.1、PT-INR 2.2
開口5mmしかできません。頸椎写真ではあきらかな損傷はなし
○管理上の問題点を挙げてください → 病歴などの情報不足、フルストマック、頸椎損傷の可能性、大量出血による循環不安定、など
○気道確保をどうしますか? 意識下ファイバー挿管を、と答えたら、「開口5㎜だよ」と言われ、輪状甲状穿刺を、と言ったらもう一声と誘導されて気管切開をあらかじめ置く、ということに
○輸血は何をどれくらい用意しますか? RCC 10、FFP 10、PLT 10は最低でも、と
○導入はどうしますか? 気管切開がおかれているのでセボフルランを1.5%くらい流しながら、フェンタを…と言ったら、「オピオイドは導入薬じゃない」と遮られ、「プロポフォール 1mg/kgで」といったら「ちょっと多いかな」とのコメントながらとりあえず認められました
○術者が出血をコントロールできません。麻酔科であるあなたは何をしますか? → 応援を呼ぶ 術者との対話 「危機的出血の非常事態宣言」に基づき、コマンダーになる
ダメージコントロール手術で乗り切ってください、と提案
○ガーゼパッキングで腹膜のみを閉じてICU移送となりました。管理上問題となることを挙げてください
→ 循環が不安定になりうる、易感染性、ARDSを起こしうる etc
○ARDSっぽいことが起こりました。換気設定をどうしますか? → VCV 6-8ml/kgで10-15回/分。多少の高二酸化炭素血症は許容します
○そういうのをなんと言いますか? → permissive hypercapniaと言ったら、「肺保護戦略だね」と言われました
○鎮静はどうしますか?具体的な薬剤と流量を3つ → DEX 0.2-0.7μg/kg/h、ミダゾラム 2mg/h(ちょっと多いかな、と言われました)/プロポフォール 4mg/kg/h(これもちょっと多めかな、と言われました)
最後に「先生は自分が受かってると思いますか?」 「だいぶ怪しかったのでギリギリかと…」 「たしかに怪しかったね(笑 社会性○、態度○ 合格です。実技もがんばってください」と
ホッとしましたが、”この場で合否を言っていいの?”という感じでした(笑
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実技試験
実技ブース (10分×4 実際に部屋の中では二つで8分と。③では硬麻5分、TEE3分と言われました)
①-1 ACLS 成人 腋下神経ブロックをしたら意識不明になりました。試験官Bが研修医です
患者さんに声をかける。Bに応援とAEDを頼む。心マ開始。本気でやったら机が壊れそうになって、「心マできるの分かったからここからはフリでいいよ」と言われました
PEA。心マ継続。Vf→AED到着して装着。ショック(2相性→Jを問われる)→すぐに心マ再開。流れを忘れましたが、エピネフリン、アトロピンを答えさせられました
心マで押す場所、深さも問われていた気がします
局所麻酔中毒が疑われます → 痙攣防止にミダゾラムを。イントラリピッド 1.5ml/kgを…と言ったのですが、それは薬としてなんですか?と言われ、脂肪製剤と言い直し
①-2 PALS 3か月の赤ちゃん 入院中 (設定わすれ) 試験官Bが研修医です
気づく 刺激する バッグバルブで呼吸補助 Bに応援を頼む
心マ(ペース、押す場所、深さなど) 応援が来た → 挿管の準備など
あまり出来た感じがしない
②-1 DLT 小柄なおばあちゃん。右肺上葉切除予定
何FrのDLTを使いますか? 左用35Fr
すでに30cmくらい入っていて、気管支ファイバーを渡されて評価してください
浅く引き抜いて青カフの位置を調整。 見えているのがバイファケーションである理由は?(そんなん最初に分岐してるからじゃないの?)
他、左、右の何番、何番を出せ、と
分離換気をしてみせてください、ということで実際に鉗子をとめさせられたり
②-2 気管支ブロッカー 同じ手術をブロッカーでします。挿入してください
こちらは挿管するところから
ブロッカーはどこに留置しますか
ブロッカーがずれたらどうなりますか?
③-1 硬膜外穿刺 脊硬麻で帝王切開することになりました
硬膜外、何番から入れる? T12/L1
椎間の決め方をやってみせて ヤコビー線のところが~と実演
消毒を2回ぬりますね。2回目のポイントは? 塗り残しがないように…と答えましたが、あとで上の先生に聞いたら、「1周目より広く塗らない」が正解のようです
人形はどんどん向こうの方へ逃げてしまうので乱刺ししたら「患者さん痛がっちゃうよ」と言われました。結局うまく挿入できず(入らなきゃ入らないで接遇も兼ねていたのかな)
何センチ留置しますか 5cm
③-2 TEE
まったく操作できず
なんとか断面となんとか断面を出して
出せないとイラストが出てきて、右房はどれ、無冠尖はどれ、僧帽弁後尖はどれ、とか
たぶん大動脈弁短軸像。もう1個はよくわからない
TEEの禁忌を3つあげて → 食道静脈瘤しか答えられず。開口不十分といったら、「それは出来ない理由で、禁忌じゃないね」と言われて却下。
④ブースに入る前に控室で20分待ち。資料もみられずひたすら座るだけ。不毛
④-1 腹横筋膜面ブロック
バイトのお兄さんのお腹にエコーあてて筋肉の同定。局麻を入れる層。
何神経に効く? 何をどれくらい入れる? 持続時間は?
ファントムで神経に見立てたものに平行法で針を誘導する
④-2 スワンガンツカテーテル挿入。
内頸静脈穿刺と同じ手順でエコーガイド下穿刺。実際に入れないとダメっぽかった
AとVの見分け方
シースを進めていったら不整脈が出ました。どうしますか? → 数cm引き戻す、でよかったのかな?
カテ先端の圧力変化をタッチペンでiPad上に書く
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内頚がスワンガンツに変わったくらいで、出題されていること自体はみなさんの体験談どおりだったのに活かせなかったのが残念
エコーが苦手で、ブロックも内頚も手元が怪しく…。TEEもブロッカーも未経験なので出たら困るな、というものにすべてぶち当たった感じ
実技と言いつつ、意外にしっかり知識も問われる印象。救済も兼ねているのかもしれませんが
出来ない手技はせめて操作法とか基本的なことをしっかり読んでおけばよかったな、と
お世話になりました。
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