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2015年10月9日金曜日

体験談⑯(第54回麻酔科専門医試験)



筆記試験
内容はA問題が過去問から8~9割、B問題は2~3割、C問題が5~6割といった印象でした。A問題でいける!と思わせてB問題で突き落とされる。といった感じでした。他の受験者もそのような印象を受けたということでした。

口頭試問
一問目は50代男性の巨大甲状腺腫瘍でした。画像とTSH、FT3、FT4等の検査結果を示され、追加すべき検査結果、導入時や術中術後に気を付けるべき点等を聞かれました。また、術中突然体温が上昇し、血圧、脈拍が上昇したがこれは何かと質問されました。EtCO2の上昇は無く甲状腺クリーゼでその対処法も聞かれました。最後に術後挿管したままICUに入室することになったが内科の先生への申し送りと抜管時に注意すべき点などを聞かれて終了となりました。

二問目は70代の女性で、採血の失敗後の左前腕部痛が出現し、二週間ほどで痛みは治まったものの左上肢痛が再発したという症例でした。採血時の写真を見せられどこの障害かという質問をされました。橈骨神経、または正中神経の障害が疑われましたが、次に見せられた資料では左上肢の外側部に疼痛や感覚障害が有り、C5,6レベルの障害が疑われました。次に頸部のX線、MRI画像を提示され、それでは頚椎すべり症による広範な圧迫が認められました。
以上のことを踏まえてどのような治療法が良いかと質問され、手術的治療と、保存的治療を述べました。治療にはリリカを使用することになったがリリカを使用する際の注意点(軽度腎機能障害のある患者でした)、副作用を2つ以上、作用機序について等を問われました。
最後に試験管の方を実際の患者さんに見立ててロールプレイを行いました。
臨床で今までやってきたことや、先生の青本に載っていたことを思い出しながら何とか答えることが出来たかなという感じでした。

実技試験
1問目は整形外科で骨盤部の脱臼整復後にHR40くらいの徐脈と意識消失を起こした7歳の小児のACLSでした。試験管の1人を研修医に見立てて指示を出しながら行うようにということでした。最初は脈が触れていたが、途中でPEAになりCPR、薬剤投与後にVfになったので除細動をかけたところで終了となりました。

2問目はダブルルーメンチューブ挿管と気管支ファイバーでの確認、その後気管支ブロッカーでの分離肺換気でした。挿管は問題なかったですが、気管支鏡で気管支の区分がしっかり答えられず気管支ブロッカーを挿入するところで時間切れになってしまいました。

3問目は妊婦の帝王切開時の脊髄くも膜下麻酔を最初から穿刺するところまで行い、その後新生児の挿管を行うというものでした。新生児の喉頭部の特徴やサイズの選択、深さなどについて聞かれました。これは割と出来ていたと思います。

最後に神経ブロックで模擬患者にエコーを当ててTAPブロック、斜角筋間ブロックについてエコー画像の説明を行い、次にファントムを用いて内頚静脈の穿刺と、神経ブロックの穿刺を行いました。TAPブロックは問題なかったですが、斜角筋間ブロックではうまく描出できず、前斜角筋という単語が何故か出てこないで内斜角筋などと言ってしまいました。こちらも時間切れになりかけて最後に急いで神経ブロック穿刺をするよう言われてしまいました(穿刺自体は特に問題ありませんでした)

2問目と4問目がうまく出来なかったため不合格かと思いましたが結果は合格できていました。

どうにも集中しきれず本腰を入れて勉強しはじめたのは試験の1~2ヶ月前からでしたが、先生の青本がとてもよくまとまっていて本当に助かりました。何とか合格は出来たものの、うろ覚えなことやしっかり理解できていないことも多いのでこれからもこの本を参考に勉強していこうと思います。本当にありがとうございました。

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