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2014年10月13日月曜日

体験談③(第53回麻酔科専門医試験)




筆記試験

1月(試験10か月前)から、市販の過去問を解き始めましたが、一年分解いてみて思ったことは、市販の過去問の解説は、本当に中途半端な内容が多く、書かれていない内容について一つ一つ成書を調べていたのでは、到底間に合わないということでした。
丸暗記でよいという情報もありましたが、それでは本番までずっと、「選択肢を一語変えられただけで太刀打ちできなくなるのでは」という不安が付きまとうため、過去問の丸暗記は自分には向かないと思いました。

そこで過去問の丸暗記以外の勉強法を探し、五月ごろ、anesthesiologist salaryman先生のまとめファイルを購入し、それからはひたすらまとめファイルを覚えました。

一通り目を通し終わったのが8月頃でした。その時点で、それまで一度も開かずに置いておいた昨年の過去問を模擬試験形式で解いてみたところ、6割程度の点数が取れました。それからは市販の過去問を解いていき、9月までに8年分解きました。その後、いわゆる「2周目」として、一周目で間違えた問題を解き直したものが5年分でした。また、直前にはanesthesiologist salaryman先生の問題集を1回解きました。

筆記試験は、解き終わった時点では6割ぎりぎりくらいではないかと予想しましたが、自己採点で8割程度でした。今年も2つ選ぶ問題が多く、一見過去問と同じように見える選択肢も、これまでの「~ではない」が「~である」に変えられるなどして、正解選択肢になっているものがいくつか見られました。
B問題がほとんど新作問題でしたが、まとめファイルを足場にしていたので、自信をもって臨めました。
もっと早く、このまとめファイルを知っていれば、もう少し時間に余裕ができたと思います。


口頭試問

青本が届いてすぐに、一度目を通しましたが、その段階ではさっと答えが出てこない問題が多かったので、筆記試験の勉強でベースを作ってから対策することにしました。結果的に方向性は間違っていませんでしたが、過去問に時間を使いすぎてしまい、ほとんど対策らしい対策ができませんでした。上司や同僚と、青本を見ながら問題を出し合って答える練習を少ししました。

実際の口頭試問では、アセトアミノフェン中毒の診断と治療や、私は見たことのない肋間神経ブロックの手技などについて問われ、まったく答えられませんでした。また、試験官の先生が、はじめはうなずきや相槌が多く話しやすい雰囲気を作ってくださっていたにも関わらず、後半になると、正答に対しても、「本当にそうするんですか?うーん。」などの反応をされるようになり、動揺しました。手ごたえが大変悪く感じられたのは、そのためでもあったと思います。
プレッシャーに耐えられるメンタルが、専門医には求められているようです。


実技試験

麻酔器の準備・ACLS・気管支鏡については同僚と練習していきましたが、そのほかの対策はしませんでした。
対策のしようがない、という感じもありました。
私は、筋弛緩モニターをつける後方TAPのエコー画像を出して説明する以上は健常ボランティアに対して)、ファントムでエコーガイド下神経ブロックマネキンに対して迅速導入の挿管・輪状甲状軟骨穿刺・硬膜外・脊麻・PEAの蘇生が出題されました。
終わって思うことは、やはり、感触がおかしなマネキンに対して、試験という場で手技を行うと、普段できることもできなくなり、自覚している以上にあわててしまうということです。
対策としては、普段自分が行っている手技を、早い段階から一つ一つ成書で確認することや、自施設で行っていないブロックなどについて、学会やセミナーで積極的に学んでおくことが大切だと思いました。
そう考えると、実技試験の対策にこそ、早めにとりかかっておくべきなのかもしれません。

インターネットなどで体験記を読むなどして、イメージをつかむことも有用だと思います。

以上です。


anesthesiologist salaryman先生、本当にありがとうございました。

先生のさらなるご活躍を、お祈りしています。

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