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体験談⑭(第53回麻酔科専門医試験)
筆記試験
筆記試験は自己採点だとA問題が90%、B問題が30%、C問題が60%ほどの正答率かと思います…(B問題・C問題は正解が不明なのも多いのでだいたいです)
B問題は泣きそうになりました…顔面蒼白でC問題に挑んだ気がします
基本やはりA問題逃げ切りが正攻法の攻略でしょうか
ぼちぼち筆記の試験勉強を始めたのが4月始め頃ですが、6-8月中旬までの期間は勉強が進まず、口頭試問対策も0だったため、あわてて先生のまとめファイルを購入したというわけです(汗)まとめノートが残っててほんとに良かったです!すぐに発送してくださり感謝感激でした!
以下試験内容です 二つ目は一緒に受けた同期のものです 同期もまとめファイルの恩恵を受けたので体験記を書いてくれました
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口頭試問
①症例1:38歳男性 肥満体型 難聴、耳鳴りがありCTで異常を指摘された
CTR拡大あり
顔面まひ、顔面疼痛、嚥下障害、嗄声を認める
1.この人の問題点は?→上記の現病歴ほぼ読み上げる
2.画像を見せられ、診断は?→聴神経鞘腫
3.ではどの脳神経が障害されてますか?四つ 聴神経、顔面神経、迷走神経、舌咽神経?というところで、顔面疼痛があるって言いましたよね?と言われ、三叉神経!と答えOKな雰囲気
(脳外科の先生に聞きましたがその現病歴だと舌咽神経も障害されててもおかしくないと言われましたが。でも教科書的には…)
4.何の術前検査に対して知りたいですか?→採血、ECG、心エコー、血ガス、凝固など
5.どんな麻酔?→TIVA 使う薬について なぜそれを選択したかなど問われる
6.どんなモニタ必要?→SEPとかMEP…は使わないんだった…えーと脳波…など? 脳波とは具体的にどんな?(苦い顔された)→脳波じゃなくて顔面神経刺激モニター使います! いいでしょう、では次、という感じで次にいきました
7.この体位のときの利点・欠点は?→パークベンチの画像見せられる (画像の患者が女性っぽいのであれ?何で?と変なとこで混乱する) 腕神経叢や尺骨神経麻痺など末梢神経障害が欠点だけどチューブや上肢にアプローチしやすいなどと適当なことをしゃべる
8.術後舌が腫脹していたが主治医に抜管して欲しいと言われる、どうするか→抜管は気道浮腫の可能性高く危険、そもそも脳腫瘍だし手術原因での呼吸抑制もあるかもしれないからと説得
9.ICUのドクターへの申し送り内容→気道浮腫の可能性や術中のinoutバランス、術中体位による神経障害の可能性、あれば術中のトラブルなど
②症例2:74歳普通体型の女性の悪性黒色腫
腰椎転移で腰痛あり
オキシコドン80mgとプレガバリン100mgで緩和良好
腰椎後方固定することに
1.何が問題?
2.この人の麻酔方法は?何に注意する?オキシコドン飲んでる人に何を注意する?
3.術前の内服はどうする?
4.術後鎮痛方法は?何をどれくらい?
5.プレガバリンの副作用って?
6.Vではじまる?用語を聞かれて、説明してくださいと言われるが全くわからなかったため、なんと存じ上げません…と返答する
7.術後ICUにいくことに。何を申し送る?
③ロールプレイ
内頸動脈狭窄でバイアスピリンのんでる患者に下顎骨腫瘍摘出したい 経鼻挿管してほしい。術中特に出血しないからバイアスピリン止めなくていいよねという耳鼻科医に何ていう?
→鼻血ブーになるからダメ的な話、ヘパリン化などの説明、ヘパリン化でちゃんと止めれば鼻血しないんですよね?と言われ、いや、バイアスピリン飲んでた人は健常人よりは止めてもリスクありますと言うと、じゃあどうすれば?と言われ、経口でも可能なら経口という話、術中にチューブ位置に関して要望があれば適宜受け付けますという流れに(じゃあ最初から経口で良くない?というオチ?)
口頭試問は時間があまり雑談 雑談もおわり、30秒ほどシーン…二問目の症例について細かいこと憶えてなくてすみません;^_^A
例年通り口頭試問開始前に廊下で5分間症例について読む時間がありましたが、一問目の症例が始め何なのかさっぱり分からず(極度の緊張状態で頭回らず)、しかも二問目はペイン領域で落ちた…と思いましたが、残り2分くらいで一問目が聴神経鞘腫と気付き、いくらか落ち着きを取り戻した感じでした。診断させられるとは…汗 聴神経鞘腫なんて7年間医者やってきて1回しか麻酔かけたことなく…泣 パークベンチ位も他の麻酔科医が受け持つ事はありましたが、自分がその体位の手術麻酔をかけたことが無く、もっと人がかける麻酔にも興味を持たないとダメだな~と思いました…
実技試験
①マスク換気可能だけど、研修医が挿管に失敗
説明しながら好きなデバイスで挿管してください→AWS使用
それでもできなかったら?→輪状甲状間膜穿刺
実演してくださいと言われ、布で隠されていた人形が出てくる→ミニトラック穿刺 ガイドワイヤー入れすぎて曲げる…入れた事にして~という流れが多かった あまり時間余らず、無表情の女性の先生と若めの男性の先生
②帝王切開の脊椎麻酔のやり方と生まれたばかりの赤ちゃんの挿管
成人と赤ちゃんの解剖学的な違いを挿管しながら答えさせられたけどそのあと時間余り雑談 モンスターズインクに出てくるマイクとサリーみたいな先生たちでサリーが主に話してマイクは採点してる、みたいな感じでした サリー先生優しかったです
③ACLS PEAの人 心臓マッサージ、エピワンショット上肢挙上し生食フラッシュ、二分後波形確認VF、ショック施行、Vf治らず心マ再開 おわり、かなり時間余り雑談 皆さん大概がどこから来たの?医局に属してる?という会話
④麻酔器始業点検
親指で呼吸回路閉塞させていたら掌で抑えましょうと言われましたが他はとくに指摘なく、時間余り雑談
総括
口頭試問はある程度こたえると先生たちはマウスをカチッと押して採点しているように感じました。なかなかカチッという音がしないと焦りました…
一人はやさしめで、一人はホンマでっかTVにでてくる脳科学者の澤口先生みたいなやや仏頂面?な先生でしたが、別に意地悪というわけでもなく、淡々と進みました。めちゃくちゃヒントが出てきたという感じはなかったですが、点数をあげるために今思えば誘導があったような感じです。
オキシコドンは…前日まで飲んでもらう…?かな?とか言ってると(臨床の現場では当日まで飲んでもらうが主治医によっては止めちゃう先生もいて自信がなかった)、当日朝40㎎、夕40㎎飲んでるという人だったら?と聞かれ、これは当日も継続ってことだ!と気づくというような感じで、優しかったと思います。しかし冗談のように最初手と声が震えていました。
以下は同期の口頭試問です※ありがとうございますm(__)m
①COPD合併の高齢女性の回盲部癌切除術。
85歳女性。COPDで在宅酸素療法中。少し歩くだけでも息切れ。閉塞性肺障害
問題点4つ
1.どんな麻酔方法選ぶか。(硬脊麻選んだ)
2.麻酔高はどこまで効かせるか,何をどれくらい投与
3.選んだ麻酔方法のメリット、デメリット
4.術中モニターは
5.手術終わり際、痛みを訴えている。どうする
6.硬膜外麻酔投与→何をどれくらい
7.閉創時、腹硬く閉まらない、腸管せり出している。どうする
8.術後、何に注意するか、外科医に何を申し送るか
②日齢0日、在胎週数36週、食道閉鎖C型の根治術
上記患者、体重2.5kg、羊水過多で緊急帝王切開で分娩。アプガー7/9
1.食道の異常はどこにある?
2.画像出される。奇形があると言われるが、どんな奇形があるか
3.気管支鏡画像。構造物
4.アプガースコアどんなものか
5.麻酔方法
6.術中、起こりうる問題は
7.パルスオキシメーターを上肢と下肢につける。理由は?
8.胎児循環遺残の原因3つ
9.この子に行う点滴は?
10.挿管管理どれくらい?
11.鎮静は何にする?
12.NICUで何を申し送るか
③若年女性、肩関節脱臼の全麻オペ、ピル内服していたことが分かった、接遇
あいさつとかはいいです、といわれる
血栓のリスク、スガマデクスとの相性の問題についていう。手術はできないことはないと説明。
本当にやめなくていいのか?じゃあその血栓リスクは具体的にひどい場合何が起こるか
肺塞栓と答える
もともと待機手術なので、待てるなら、一度ピルをやめてから改めて手術を計画するのが望ましくはあるという
具体的にどれくらいやめたらいいのか
分からない…一週間?と答える\(^o^)/
以上になります
先生のまとめファイルには大変お世話になりました!
あとサイトに載ってる去年の体験談(特に実技)も読み込みました!サイト運営もお疲れ様です!
この体験談も来年受験する麻酔科医にとって参考になればと思います
口頭試問には筆記のC問題に関連した問題が出たかな~という印象です。嫌だとは思いますが、時間あれば筆記のC問題の答え合わせをやった方がいいと思いました。
長文になってすみません
本当にありがとうございました(^O^)
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