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2013年10月9日水曜日

体験記⑦

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筆記試験
今年も前年と同じく、東京会場と神戸会場から受験地を選択することができたので、口頭・実技試験の下見を兼ねて神戸会場を選びました。前日に神戸入りし、パラパラと過去問の復習。過去4年分をやりこんできましたが、何気なく開いた5年前(47回)の問題に見慣れないものが多かったため、焦って目を通しました。就寝は午前1時になってしまいましたが、結果的にこの付け焼き刃が奏功することに。
いよいよ試験当日。会場のポートピアホテルには1時間半ほど前に到着。まずはクロークに荷物を預けます。(今年も東京会場はクロークがなく、東京で受験した知り合いは荷物のやり場に困ったそうです)


受験場所になる大宴会場(大輪田)は集合時刻の10分前に開場らしいのですが、廊下にいくつかの机といすが有り、開場前でもそこで待つことができました。ただ、何人かの受験生が会話もなく一心不乱に参考書をめくっているのと、BGMが全くなく紙の音だけが響く異様な雰囲気に耐えられなくなり、ホテルのロビーに避難(?)し、そこで時間をつぶすことに。学会の時は人であふれかえっているロビーですが、このときは空き席がちらほらあり、席に着くことができました。開場後に受験会場の中へ入ってみると、セミナーのような感じで椅子と机がセッティングされ静かなBGMもかかっており、比較的落ち着きやすい雰囲気になっていました。会場の前の方には時計が4台掲げられていて、後ろの席からでも時刻の確認は容易でした。
集合時刻を過ぎるとBGMが止まり、試験監督の先生から注意事項の説明がありました。携帯などは着信が認められた時点で不正行為となるので、電源を切って鞄の中にしまうことが強調されました。また、机の上には筆箱を置くことができず、中身(ペン、消しゴム)のみを使用するようにと指示がありました。一方、ペットボトルに入った飲料水は使用可、ということでした。
説明の後は写真票による受験者確認、マークシート配布、問題用紙配布と続き(この一連の流れに十数分かかります。国試の時みたいです)、定刻になると試験開始。A問題は過去問メインという話でしたが、過去問で「何度やっても間違えた問題」や初めて見る問題も多く出ており、かなり冷や汗もの。自信を持って解答できたのは6割くらいでしょうか…。47回の問題からも数題が出ており、命拾いをした気分に。
 A問題終了後の昼休みには、あちこちから「過去問通りだったね」「95%くらいはいけたっしょ」などの声が聞こえてきてしまい、4年分では足りないんだなぁというのを痛感しました。本来はAで貯金を作っておくべきなのですが、ややビハインドになっているようです。
 午後のB問題。案の定、新作がずらずら出てきます。C問題は新作ではあるものの、問題の素材となる症例は51回(妊婦ばっかり!)より素直なものになっており、なんとか挑戦する気分にはなりました。BCとも確実に取れたのは5割程度で、あとはどれくら上積みできるかの勝負に…。普段の試験だったら終了後に自己採点に走りますが、まだ2週間後の面接・実技の準備が整っていないので、そそくさと帰宅。ポートピアホテルからのシャトルバス(無料)の停留所には長蛇の列ができていたので、おとなしくポートライナーで帰りました。

口頭&実技試験
 前日の仕事終了後に神戸に乗り込んだだめ、ホテル到着が22時過ぎに。早めに寝ようと心がけつつも、中々寝られない&知り合いからの情報メールが来るため、結局就寝は午前1時半頃でした。翌朝は6時半頃に起き、ホテルの朝食会場へ。会場から少し離れたホテルにしたため観光客っぽい人たちが多く、受験生とおぼしき人は見当たりませんでした。
 諸先輩方の受験体験記では、「会場のホテルに泊まった方が楽!」という方と「ちょっと離れたホテルの方が落ち着けるし便利」という方がいらっしゃるようです。
 集合時刻15分前に待機室へ行くと、すでに7割ほどの受験生が座っていました。「待機室内では私語禁止、電子機器使用禁止」という張り紙がある上に部屋も公民館のような内装なので、雰囲気はあまり良くありません。基本的に待機室に入ると退室不可となりますので、用事がある場合(電話など)は事前に済ませておく必要があります。トイレは事務の方に申し出れば可(ただし付き添い有り)とのことでした。机の上には番号入りのストラップと受験番号が書かれたA4サイズのカードがバインダーに挟まれた状態で置いてあり、このバインダーに受験票を挟んで各ブースを回ることになるようです。部屋の前方に長机が有り、そこに時計が置いてあるのですが、高さが低いため後ろの方からは全然見えませんでした。集合時刻に試験委員の先生が現れ、試験の進行方法と注意事項(私語禁止、電子機器使用禁止&鞄に入れること、待機室から出たら鞄の中のものは一切出せない、体調不良などで援助が必要な場合は各ブースでその都度申し出る、ブースでは自己紹介は不要、トイレ等は事務員に申し出ること、勝手に部屋を出ると失格)について説明がありました。「それでは、10分後から試験を始めます」ということで、最初の出荷(?)組が出発するまでにも、多少の時間があり、トイレに行くことができました。

・口頭試験
 出荷時刻になると事務の方が「受験番号○番から○番までの方は移動します」といって誘導してくれます。噂通り、バックヤードのエレベーターで客室階へ。客室階のバックヤードで点呼(全員そろっているかのチェック)を受けた後、ホテル廊下へ進みます。ホテルの廊下はそんなに幅が広くないにもかかわらず、両側に椅子が置いてあるわ、事務の方がたくさんいらっしゃるわで、想像と違ってザワザワした感じでした。誘導されたいすに座り、隣の事務の方から注意事項(これから症例の紙を渡すこと、ボールペンは紙についているもののみを使い、私物のボールペンは使えないこと、紙の右下に名前を記入すること、5分経ったら紙は回収されること、試験会場の入室時に、回収した紙は返却される)の説明を受け、ストップウォッチのスタートとともに紙が渡されました。

 【症例1】40代男性、BMI40超、収縮期の血圧180、家族より睡眠時のいびきを指摘され、口蓋扁桃摘出術を受けることになった。SpO2:95% 喫煙者
 【症例2】4歳男児 上腕骨顆上骨折に対して緊急手術。1時間前にバナナを食べている。1週間前から上気道炎症状が有り、薬を内服している
 【ロールプレイ】16歳男性 精神発達遅滞が有り、手術終了後に抜管したところ上気道閉塞となり、陰圧性肺水腫を発症。再挿管となった。

 ……え、症例1と症例2はいいとしても、ロールプレイって何ですか?? 接遇問題のこと??
とこのときは思い、症例1と2についてのみ、書き込みをしました。とりあえず以下のような書き込みをしたように思います。(他にも書いたような気がしますが、思い出せる範囲で。なお症例の紙は試験終了後に再回収されてしまいます。)
症例1 肥満、SAS、既往チェック、抜管注意、タバコ
症例2 クラッシュ、風邪、上気道閉塞、誤嚥性肺炎
あとは、文章中の重要そうなところに丸をつけました。

5分経つと一旦紙が回収され、事務の方が試験官に「入室していいですか」と確認。OKが出たらいよいよ入室です。入室時に紙を受け取りますが、そのときに事務の方がストップウォッチを起動していたので、入室からの時間を測っていると思われます。
部屋の中はこれも噂通り、客室の全ての備品が搬出されたガランとした空間で、大きな窓を背に男女二人の試験官が座っています。とりあえず、そんなに雰囲気は悪くなさそう。
「宜しくお願いします。受験番号○番、○○です」
試験官A「よろしく。荷物はそこ(左手前の台)に置いてね」

A「では、症例1。まずこの人の問題点を挙げて下さい」
「肥満と、睡眠時無呼吸があるため、導入時のマスク換気が難しくなります。」
A「導入時に何か気をつけることはありますか」
「先ほど述べてしまいましたが…マスク換気が難しくなるので、経口エアウェイなどを準備します」

質問はあらかじめ決められているようで、受験生が既に答えてしまったときも、決められた「質問文」を使わなければいけない感じです。

A「この人は睡眠時無呼吸がありますが、ポリソムノグラフィを行ったところ、AHI46でした。AHIとはなんですか」
「??…ポリソムノグラフィを見たことがないのですが…推測するに、無呼吸と呼吸の時間の比、でしょうか?」(知ったかぶりモード全開!)
AAHI 46は軽症、中等症、重症のどれにあてはまりますか?」
知るかー!と思いつつも、これは試験だし、軽症な症例が出るわけない、と考えました
「重症…でしょうか??(汗)」
A「この人は喫煙をしていますが、喫煙による周術期の副作用を3つ挙げて下さい」
「喫煙によりCOヘモグロビンが産生され、組織の酸素化が悪くなります。上気道に炎症症状が起こり、換気困難の原因になり得ます。また喀痰の排出が増えるので、術後無気肺を来すことが考えられます。」
A「えー、他にありませんか?」
「3つ、以外にでしょうか…?」
A「先生が答えたのは、COヘモグロビンと気道症状。あと1つです」
……たしかに、3つというには無理があったかも。
「えー……、あっ、周術期に心筋梗塞…などの急性冠症候群を起こすリスクがあります」
A「そうですね。導入後、SpO2が低下しました。普通の人より低下速度が速いようですが、なぜですか?」
「肥満で、無気肺ができやすいことと、酸素消費量が増えているためです」
A「無気肺ねぇ…無気肺ができてどうなりますか?」
「あっ…横隔膜が上昇して、FRCが低下しているからです!」
A「そうですね。(メモメモ)」

どうやら、FRC低下というのが採点対象となるキーワードだったようです。

A「では、術中に注意することはありますか?」
「開口器にチューブを挟まれないようにすること、チューブが手元を離れるので、ズレないようにしっかり固定すること、肥満なのでPEEPをかけ、無気肺を予防することです」
A「術後に注意することはありますか?」
「術後に出血をきたし、再手術となる可能性があります。また、肥満から術後低酸素になる可能性が高いです。」
A「術後に再出血を来しました、緊急手術となりますが、何に注意しますか」
「フルストマックということと、循環血液量が減少していることに注意します」
A「この人は術前から血圧が高いですが、なぜ高血圧なんでしょう?」
えー、高血圧の原因?? 急には出てこず…
「…睡眠時無呼吸と、肥満があるので…うんちゃらかんちゃら(しどろもどろ)」
A「…まぁいいでしょう」

この時点でややテンパイモードに入ってしまい、それが症例2まで尾を引くことに。

試験官B「それでは症例2に移ります。この患者さんの問題点を挙げて下さい」
「緊急手術と言うことと、直前に食事をしていてフルストマックであること、また風邪のため、上気道症状を伴っていることです。」
B「どのように導入しますか?」
「…えーと、えーと、(迅速導入、の言葉が出てこない)あっ、昔で言うクラッシュ挿管でやります!」
B「(やや苦笑)では、具体的に薬剤の量も含めて、手順を教えて下さい」
「まず、5分以上かけて十分に酸素化します。緩徐導入ではないので、ルートがなければその間に取ります。ルートからプロポフォール2mg/kgivし、就眠後にロクロニウム1.2mg/kgiv40秒後に挿管します。」
B「それだけですか?」
「……あれ?? これでいいと思いますが…」
B「本当に?」
「……あ、輪状甲状靱帯…じゃなくて、圧迫をしてもらい、ヘッドアップ位にします」
B「(納得した表情) では、術後鎮痛にはなにを用いますか? 2つ挙げて下さい」
「アセトアミノフェン座薬と、あとは……商品名で言う、ペンタジンを用います」

一般名が出てこなかったので、点が全く取れないよりは…と考え、仕方なく商品名で答えましたが、先に進むことができました。

B「量はどれくらいですか?」
「アセトアミノフェンは200mg、ペンタジンは7mgです」
B「手術終了後に自発呼吸を確認した上で抜管しましたが、呼吸音が聴取できません。考えられるものを2つ挙げて下さい。」
「まず、上気道の閉塞が考えられます。それと……麻薬の残存による呼吸抑制とか」
B「抜管前に、自発呼吸を確認していますよ」
「あ、そ、そうですよね…。うーん、そうすると……やはり上気道系のトラブルとしか考えられません。」
B「出てきませんか。では、喉 頭 痙 攣、が起きました。どう対処しますか」

しまった、喉頭痙攣がキーワードだったか…とおもいつつも、後の祭りです。

「まずマスク換気を試みます。不可能であれば純酸素のままマスクをフィットさせ、PEEPをかけます。」
BPEEPはどれくらいでかけますか?」
「4~8くらいです」
B「他にはないですか」
「そうですね……PEEPをかけて待っていると開きますので、といっても、低酸素になりそうなときは筋弛緩を入れて再挿管できるように準備しておきます」
B「他には?」
「うーん……思いつくのはこれくらいです。」
B「そうですか。では終了です」

A「それでは、ロールプレイに入ります。症例は読みましたか?」
「はい。」
A「私を主治医だと思って、説明して下さい。どうぞ」
「はい。麻酔科の○○です。宜しくお願いします。まず、今回このような状況になってしまったことに対し、誠に申し訳なく思っております。抜管については十分注意して行ったのですが、抜管後の上気道閉塞を予測できず、陰圧性肺水腫という状態で酸素化が悪化したため、再挿管という形になりました。今後は呼吸管理をしながら、経過を見ていきたいと思います」

症例の紙に書いてあることを並べただけですが、主治医相手だとこういう感じになってしまいすよね…。

A「では、私は家族にどう説明すれば良いでしょうか」
「はい。今回、全身麻酔で手術を行いました。手術中は自分で息をするのが難しいくらい深い眠りになるので、人工呼吸器で呼吸を助けます。麻酔から覚めたところで人工呼吸の管を抜くのですが、精神発達の件もあり、抜いた後呼吸ができない状態になってしまいました。このような状態が続くと肺から水が漏れだし、自分で呼吸をするのはかなり難しい状態になるので、もう一度人工呼吸器をつける形になりました。今回このような状況になってしまったことに対し、誠に申し訳なく思っております。今後は人工呼吸器で呼吸の様子を見ながら、主治医の先生と経過を見ていきたいと思います」
A「私は人工呼吸器にあまり詳しくないのですが、どういう設定にしたら良いですか?」
SIMVなど、自発呼吸を生かせるモードで、一回換気量は67ml/kgPEEP 4くらいが良いと思います」
A「どれくらい人工呼吸器につける必要がありますか?」
「えーと…私もこういう症例は初めてなので…1週間くらいでしょうか」(再び知ったかぶりモード)
A「そんなに!」
「あ、いや、えー……」
A「まぁいいでしょう。終了です。」

陰圧性肺水腫は1248時間で軽快するそうです。

B「あと10分ありますので、そのままでお待ち下さい」
10分もさらし者かぁ…と思っていたら、その後は「どこからきたの?」などの雑談をしてくださり、やや雰囲気は良い感じで退室できました。


・実技試験
口頭が終わると、再び廊下のいすに座り、実技試験の部屋が開くのを待ちます。事務の方が誘導して下さるので、それに従って入室し、試験を受け、終わったらまた廊下のいすで待機…の繰り返しです。基本的に荷物は全て持って入り、入室後に指定された荷物置き場に置いた上で、試験を受けます。

DAM
ラパ胆の患者。導入したら経口挿管不可能だったが、マスク換気は可能。机にあるデバイスを使っていいので、この人形に経口挿管して下さい。試験委員を研修医とみたてて、説明するようにやってください。なお、研修医に手技をさせることはできません、とのことでした。手袋(SMLの各種サイズ)が用意してあり、自由に使って良いそうです。
AWS、ガムエラ、i-Gel、ファイバーなどがある。MacGrathは無かったような…)
AWSで挿管を試みるが、頸部後屈不能、開口2.5横指、舌大きめで難しい。確か舌を巨舌に交換出来る挿管人形が学会場に展示されていた記憶があるので、それかもしれない。やや力業でAWSを進めて挿管。
「今回は挿管できましたが、もしどうやってもできなかったらどうしますか?」
の質問に答えて終了。

・ブロック
子宮筋腫でVTH(だったかな?)を受ける患者にルンバールという設定で、シミュレータにルンバールをする。清潔手袋(パウダーフリー)をはめるところからスタート。消毒やドレーピングも採点対象らしい。
適宜「消毒薬は何を使いますか?」「刺す場所はどこですか」などの質問に答える。穿刺して髄液の逆流を確認、薬液注入。これで終了かとおもいきや、
「術後鎮痛のため、TAPブロックをすることになりました。被験者でブロックする部位を描出して下さい」
とのことで、ソノサイトのエコーを持ち、ボランティア(筋肉ムキムキ若者)のお腹で腹横筋膜面を描出。エコー上で外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋と腹横筋膜面を説明して、今度こそ終了。時間がかなり余ってしまい、「見やすい被験者ですねー」などの雑談。
 おしぼりが用意してあったので、手を拭いて退室しました。

ACLS
モニター代わりの除細動器と、ストレッチャーに乗ったACLS人形、足台代わりの木箱(?)が置いてある。この部屋でだけ、「荷物と、あと必要なら上着を脱いでそこにおいて下さい」と言われます。
「麻酔導入・挿管して換気可能なことを確認後、心電図がこういう波形になり(HR40SR)、頸動脈触知不可。この状態は何ですか、また、どうしますか」という質問でACLSスタート。とりあえず心マをする。心マしながら「どれくらいのペースで」「何分くらい」「注意点は?」「押す場所は」などの質問に答える。ここでも研修医(試験官)は何もできない、という設定らしく、本当に2分間心マをすることになります。
心マ中にVfになるので、波形チェック&除細動。ジュール数は150のところが大きく描いてあったため
「この機械では150Jが推奨されているので、150でお願いします」
というと、試験官が「150ね~」と言いつつ3Jくらいに合わせてくれるので、実際に人形に放電すると終了。
「なにか追加したいことはありますか」と聞かれたのに「ありません」と答えてしまいました。
あ、アドレナリン入れるの忘れた…ということに、部屋を出てから気づきました。

・麻酔器点検
当たった機種はOhmedaexcel210。かなり古い麻酔器ですが、使い方はAestivaと一緒です。幸い研修医の時に使ったことがあったので、ちょっと懐かしい気分。酸素・空気・笑気が中央配管(に見立てたコンプレッサー)につながっているので点検開始。補助ボンベはないので省略。
今回は去年あったらしい「トラップ」は無く、かわりに点検終了後「人工鼻はなぜ使うのか」「人工鼻がびしょびしょになったが、どうすれば良いか」という質問がありました。
ただ、試験終了後も試験官の先生がそわそわしており、なにかなーと思っていたら
試験官「よく出来ているんだけど…何か忘れていませんか?」
おおっ、さっきの部屋でも聞いたような台詞。念のため、もう一度点検をし直します。
「ボンベ(無いけど)、配管、圧、気化器、ソーダライム、回路、リークテスト、人工呼吸器、電源…」
試験官「電源…?」
「電源、入ってますよねぇ。呼吸器も動きますし」
試験官「電源…電源…」
「あーっ、コンセント!!」
試験官「そうですね。バッテリーで動いちゃうときもありますから、必ず確認しましょうね」
ということでめでたく終了。

全て終了後はバインダーが事務の方に回収され、廊下の、来たときとは反対側にある回収箱へ名札を投入。宿泊客用のエレベーターで帰ります。


【感想】
・筆記試験
過去問はしっかりやっておく。最低5年分。
勉強を始めたばかりの時は見たことない問題が多いので時間がかかるが、1ヶ月前の追い込みに入るとすごいスピードで過去問に目を通せる。最初は過去2年分くらいを勉強しながら解いて、残りは追い込み時にやるのもいいかもしれない。
 成書を読む時間が無かったので、最後の方はまとめファイルだけで乗り切りました…。

・口頭試験
 得点対象となるキーワードを言えるかどうかが勝負らしいので、一つのことについて詳しく話すのではなく、簡潔に、多くの項目を解答する。筆記のC問題を口で答えている感じ。
 あからさまな誘導は禁止されているようだが、「聞き返し」などでキーワードが足りないのを教えてくれることもある。
 接遇問題が「ロールプレイ」となり、独立した症例に。今年初めてなので、採点のポイントなどがよく分からず、あくせくしました。(質問は? を言い忘れたり…)
 雰囲気は噂で聞いていたほどは悪くない(当たり、の試験官だったのかもしれません)
 過去問を見ながら、脳内口頭試験をやると良い練習になります。
 問題は、集合時間別で異なる問題が出題されるようです。

・実技試験
 和気あいあいと進む感じ。
 普段やったことないことは出来ないので、それを避けるために、過去に出た項目は一度でいいので経験しておくと全然違います。
 ACLS、麻酔器仕業点検(学会ガイドラインに準じたもの)は毎年出ているので、取りこぼさないように。
 それ以外の問題は集合時間別で異なるようです。

・ホテルの選択
 学会で斡旋(受験日程確定後に申し込み開始)してくれますが、ポートピアは早く埋まるらしい…。どうしてもポートピアに泊まりたい人は、個人で早めに押さえておくといいかも。
 自分はやや離れたホテルに宿泊して、当日は早めに会場入りしましたが、ポートピアのラウンジで時間をつぶせたので、特に困りませんでした。むしろラウンジで情報収集ができたりします(笑)

自分の場合、勉強自体は2月から始めたのですが、勉強をやったりやらなかったりだったため9月上旬の時点では勉強量が足りておらず、同期と話をしていても置いて行かれることが多かったのですが、それからの追い込みでどうにか合格できたようです。口頭試験対策は筆記の日までほとんどやっておらず、筆記終了後の2週間で口頭の過去問6年分に目を通しました。ただ、体験記にも書いたようにそれだけでは対応できませんし、また過去問に出ていた事柄も「ど忘れ」してしまうと点はもらえません。同期や後輩相手に模擬面接などをやり、もっと口頭での受け答えに慣れておけば良かったのかなぁと思っています。


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