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2013年10月23日水曜日

体験談⑳

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【症例1】:高齢の女性、RAがあり頸椎C1/2の後方固定を腹臥位で行う。

質問1:前屈位と後屈位で頸椎レントゲン側面像。所見をポインターを使って述べて下さい。(画像提示)
→アライメントのズレ、硬化があるためか透過性が下がっている。環軸椎亜脱臼を指摘。

質問2RAの問題点を述べて下さい。
→開口障害、後屈障害、ステロイド内服、無理なく体位を取れるか、末梢確保困難、内蔵病変



質問3:ステロイドを内服していますがどうしますか。ステロイドカバーについても述べて下さい。
→通常内服+ヒドロコルチゾン100mgdiv8時間毎+POD1から漸減中止で内服移行。

質問4:開口障害があり、患者の協力を得てファイバー挿管をすることになった。鎮静に使用する薬剤と量を述べて下さい。
→プロポフォール20mg程度、フェンタニル50mcg程度を患者の様子を見ながら。

質問5:ファイバー挿管に際して局所麻酔を施行します。どのようにしますか。
→甲状輪状間膜穿刺、ファイバー越しにspray as you go、ブレードが入る分だけの開口が得られるなら直接噴霧。中毒に注意する。

質問6:挿管の経路を根拠をつけて答えて下さい。
→チューブ1本分だけ開口が得られれば経口ファイバー。経鼻は鼻出血が問題となるため、第二選択とします。

質問7仰臥位から腹臥位に体位変換する際に注意する事は何ですか。
事故抜管、点滴の事故抜去、気管チューブのズレ・折れ、変換後の目の保護、循環変動、周りのスタッフに対して音頭を執ること。

質問8:腹臥位の合併症を4つ述べて下さい。
→結膜浮腫、視力障害、コンパートメント症候群、気道浮腫、抜管後の気道閉塞

質問9:術中MEPを使用します。この麻酔を可能にするポイントを二つ挙げてください。
吸入麻酔を避けてTIVAでする。筋弛緩モニターをする。

質問10筋弛緩モニターはどのモードでどのように管理しますか。
TOF四連刺激を用い、24反応が見られる程度に管理する。

質問11:C1/2の横突起付近にスクリューを入れる模式図(像提示)、合併症は何ですか。
→椎骨動脈損傷。

【症例2】子宮癌の手術後の患者。夜寝返りを打つ際に右の大腿部に電気が走るような激しい痛みがある。

質問1:腰椎レベルのMRI画像の提示。所見をポインターを使って述べて下さい。
→右の神経根付近に境界不鮮明に腫大している箇所がある。腫瘍の直接浸潤か転移によると思われます。

質問2:この痛みの原因は何ですか。
→神経障害性疼痛

質問3:痛みに対してNSAIDSを使用しているが効果がありません。どうしますか。
→オピオイドを使用する。

質問4:具体的に何をどれだけ使いますか。
→経口モルヒネを60mg程度から?

質問5:このような痛みをなんと言いますか。どのような剤型の薬を使いますか
→突出痛。液剤・散剤・座剤。

質問6:突出痛に対して何をどれだけ使いますか
→モルヒネを1日量の1/6

質問7このような患者さんを診察する上で何に注意して診察をしますか。
→痛みの部位、性状?

質問8:オピオイドの副作用に眠気があります。他の副作用2つを挙げてそれぞれに対してどう対応しますか。
→便秘は耐性ができず、マグネシウム、センナ、ピコスルファートを使う。
→悪心は耐性ができるが、メトクロプラミド、ドロペリドール、オンダンセトロンを使う。

質問9:オピオイド以外に何が有効ですか。作用機序の違うものを4つ挙げて下さい。
→抗不整脈薬、抗てんかん薬、抗不安薬、ステロイドです。

質問10:そのような薬をまとめて何と言いますか。
→鎮痛補助薬です。

【ロールプレイ問題】
腹腔鏡下胆嚢摘出術に対して全身麻酔の予定の患者がいます。先生は患者さん術後に嗄声が起きる可能性があることを伝えてあります。
質問:私は歌手をしていて声が枯れては困ります。どのくらいの頻度でおこるのでしょうか?どのくらいで治りますか?友達が~~マスクを使って手術をしたと言っていました。私は駄目ですか。
→嗄声はそれほど多い合併症ではありません、100人に数人おこるかどうか?です?今回はお腹にガスをためて行う手術で、手術中に色んな姿勢をとる可能性があり、胃の中の強い酸が横道に入ると大変です。お友達の言われる~~マスクではしないほうが良いと思います。声が枯れたとしても通常は数日で軽快するものが多いですが、声帯の骨がずれたり、神経がしびれたりすると数ヶ月や年の単位でかかるものもあるかもしれません。私たち麻酔科医が優しくのどに管を入れますし、管に付いている風船がのどもとに当たらないように注意をすると予防に繋がります。術後ものどの加温・加湿のマスクをすると喉に優しく、安心だと思いますよ。
質問:どうしてものどに管を入れないと駄目ですか。
→お勧めしません。気管挿管による全身麻酔が安全だと思います。
質問:どうしても?
→駄目です。

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