さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2012年5月6日日曜日
まとめ:脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔時の放散痛、効果不十分
□施行時の放散痛について
・脊髄くも膜下麻酔での放散痛などの異常間隔の発生率は6%程度。
・要因は、馬尾神経や神経根に対しての接触、圧迫(近傍への接近による)、擦過、穿刺といったものが考えられる。
・L2より尾側であれば、通常脊髄神経は馬尾神経であるため、馬尾神経は脊麻針をさけるように動く。放散痛がある場合は、正中ではなく、神経根やその近傍に向かっている可能性が高い(特に傍正中法)。
・異常感覚(しびれや知覚異常)が永続する可能性はかなり低い。しかし、術後数週間〜数ヶ月間持続する場合もあるため、患者説明や経過観察は慎重に行う。
◯対処
・穿刺針は慎重に素早く抜く。決して局所麻酔薬を注入してはならない。
・放散痛の生じた部位や他の神経症状の有無を確認する。
・隣接棘間からの穿刺を試みるか、または他の麻酔法に切り替える。
・術後も最低48時間は経過を追う。
□麻酔効果が不十分な場合の原因と対処
◯広がりが狭い
・若年者では高齢者に比べて局所麻酔薬の必要量が多い。硬膜外チューブを留置していれば局所麻酔薬を追加投与する。通常それで麻酔域は拡大するが、効果が得られない場合はカテーテルの先端の位置が不適切な場合があるため、他の麻酔法に切り替える方が無難である。
◯片効きである
・硬膜外腔の膜状構造物により起こることもある。
・カテーテルの位置が側方にずれている場合が多い。
・単孔性カテーテルの方が多孔性のカテーテルよりも発生率が高い。
・下肢の手術などで患側に効果があるのでなければ他の麻酔法に切り替える。
◯まだら効きである
・薬液量が少ない、抵抗消失法で空気を使用した場合。
・脊椎手術の既往、硬膜外ブロックの頻回の治療歴により癒着がある場合などで起こりやすい。
・通常局所麻酔薬の追加投与により改善する。改善が見られない場合は他の麻酔法に切り替える。
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