さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2012年5月6日日曜日
まとめ:針刺し事故時の対応
52回まとめファイルについての最新情報は こちら から
51回専門医試験の体験記については こちら から
51回まとめファイル購入者の方々の結果と寄せられた声は こちら から
お問い合せ、体験談、筆記試験採点結果は classicanesthesia2@gmail.com まで
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※多くはリキャップの時と使用済み針の廃棄時に起きる!感染が疑われる患者の血液に暴露した場合は、速やかに洗浄し、決められたプロトコルに従って対処する。
□B型肝炎ウイルス
・ワクチン接種により、血中の抗HBs抗体レベルが10mIU/ml以上であれば、免疫を獲得できていると判断する。
・ワクチン接種を受けていない人(もしくはワクチン無反応者)が感染性のある血液に暴露された場合は、HBV抗体陽性化リスクは60%、肝炎の発症リスクは30%にものぼる。
・ワクチン接種を受けて、抗体レベルが適正であれば、感染リスクはほとんどない。
◯暴露後の処置
・血液を絞り出し、大量の水(水道水で可)で洗い流し、0.1%次亜塩素酸ナトリウムで消毒。
・ただちに受傷者のHBs抗原抗体を検査。
・抗体レベルが適正であれば、治療は不要。
・ワクチン接種を受けていない受傷者あるいは、抗体レベルが適正値以下であれば、速やかに(48時間以内)にB型肝炎免疫グロブリン(HBIG)0.06ml/kgを筋注し、B型肝炎ウイスルワクチンを接種する(ワクチン接種を2コース行なっても未免疫の無反応者はHBIGを2回接種する)。
□C型肝炎ウイルス
・針刺しによる伝搬のリスクは1.8%。
◯暴露後の処置
・感染性血液への暴露後のHCV感染予防策には有効なものはない。
・暴露後は6ヶ月にわたり抗HCV抗体レベルを監視することが推奨されている。
・感染が判明した時点でIFN治療を開始すれば、80%以上の確立でウイルス排除が可能であると言われている。
□HIVウイルス
・恐れられているが、感染が成立する確率は低い。
・針刺し事故によるHIV伝播は非常にまれ。針刺し1回による抗体陽性化のリスクは0.3%。
・患者人口の有病率に左右されるため、日本においての医療従事者の感染リスクはほぼ0。
◯暴露後の処置
・グルコン酸クロルヘキシジンやポピドンヨード、アルコール、0.1%次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒。
・HIV抗体陽性化は、以前は数週間の空白期間があるため、それまで待たなければならなかったが、現在は迅速抗体検査があり、数日以内に検出可能。
・HIV抗体検査を事故直後、1か月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後に実施する。
・暴露源の患者がHIV感染症の診断を受けているまたは疑われている場合には、2種類の抗レトロウイルス薬の予防投与を開始。暴露源の患者が有症状の進行した状態であれば3種類目の薬剤を加える(副作用や有効性の理由により、確たるプロトコルはまだないよう)。
□参考文献・書籍・Web
1) little ICU book p8-
2)麻酔科エラーブック p252-254
3)麻酔科トラブルシューティングAtoZ p510-511
4)麻酔科研修チェックノート第3版 p275-276
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿