さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2012年5月1日火曜日
まとめ:腎移植
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□術前評価
・透析患者の術前評価に準じる(こちらを参照)
・通常、高血圧、糖尿病を合併する。
・尿毒症患者では、電解質異常、酸塩基平衡異常、貧血、血小板機能異常が見られる
・貧血は是正する(Hb9~10g/dl程度に)
・虚血性心疾患や心不全、肺水腫の有無をチェック(心エコー、レントゲン)
・血液ガスや血算
□モニター
・一般モニター
・動脈ライン(フロートラック®)
・CVカテーテル(プリセップ®)
・心機能に重度の問題があるような場合は肺動脈カテーテル留置を考慮。
・筋弛緩モニター
□使用する免疫抑制剤
・シクロスポリン
・アザチオプリン
・ミゾリビン
・ステロイド など
□麻酔の注意点
・一般的な注意はこちらを参照。
・シャント側に輸液ラインや動脈ラインをとらない(当たり前か・・)
・シャント音とthrillのチェック、術中も定期的にチェック、記載(当たり前か・・)
・易感染状態にあることが多いので、清潔操作には十分気をつける。
・凝固能異常、易感染性があることが多いため、区域麻酔は行わないことが多い。
・術中の血圧低下に対しては、血管収縮薬(フェニレフリンやノルアドレナリン)は腎血流低下を起こすので、十分な輸液やドパミン、ドブタミンを使用する。
・腎血流維持のために、ドパミンやPGE1(0.01〜0.02γ程度)が使用される。
・術中の血圧低下により腎灌流圧が低下するため、低血圧に対しては迅速に対処する。
・移植腎との吻合終了後、血流再開時に一過性の高K血症がおこることがある。
・血流再開時は血圧はやや高めに維持する。死体腎の場合は140mmHg以上に維持。
・利尿を促すためマンニトールやフロセミドも使用される。
・通常、生体腎移植では初尿はすぐに得られるが、死体腎の場合は機能回復に時間がかかることがあり、術中に初尿が確認できない傾向にある。
□術後の注意点・合併症
・上記の通り、死体腎移植の場合は術後数日にわたり初尿が確認できない場合があり、その間は適宜透析を行う。そのため、死体腎移植の場合は、術中に安易に輸液をしすぎないように注意が必要。
・24時間以内に超急性期拒絶反応が出る場合がある。免疫抑制剤で対処する。
・術後合併症で最も多いのは急性尿細管壊死。
□参考文献・書籍・Web
1)麻酔科専門医認定筆記試験問題解説集各年度
2)MGH麻酔の手引き p513-514
3)患者術前評価・管理の手引き p212
4)手術別麻酔クイックメモ p170-171
5)腎泌尿器ノート 立川察理 http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/html/medical/renal/node93.html
など
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