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2012年4月29日日曜日

まとめ:深部静脈血栓症(DVT)と予防


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※APE(急性肺血栓塞栓症)の原因となるDVTのスクリーニングと予防が非常に重要!
 VTEはDVTとAPEをを合わせた概念

DVTの危険因子
弱い
肥満 エストロゲン治療 下肢静脈瘤
中等度
高齢 長期臥床 うっ血性心不全 呼吸不全 悪性疾患 中心静脈カテ留置
癌化学療法 重症感染症
強い
静脈血栓塞栓症の既往 血栓性素因(プロテインS、C、ATⅢ欠損症、抗リン脂質抗体症候群など)、下肢麻痺、ギプスによる下肢固定


DVTの好発部位
ほとんどは骨盤〜下肢静脈(大腿静脈やひらめ静脈)
中枢型(腸骨型、大腿型):膝窩静脈より中枢側
※腫脹、疼痛、下肢の色調変化の所見がみられる
末梢型:膝窩静脈より中枢側 
※疼痛が生じることもあるが、無症状のことも多い

診断の順番
1.問診と診察
 ・危険因子のチェック
 ・上記症状や所見があるか
2.採血検査
 ・スクリーニングではd-dimerが最も普及
3.画像検査(確定診断)
 ・下肢静脈エコー(非侵襲)
 ・造影CT、MRV(低侵襲)
 ・静脈造影(侵襲的)
4.血栓性素因などの病因検査

予防方法の種類
※周術期DVTの危険性は手術部位や術式に依存する!
弾性ストッキング(ES:Elastic Stocking)
 高リスク以上では単独では効果が弱い。
間欠的空気圧迫法(IPC:Intermittent Pneumatic Compression)
 高リスクにも有効(特に出血のリスクが高い場合)。原則として術前〜術中より開始。外傷では臥床初期より装着。十分な歩行が可能になるまで終日装着。
低容量未分画ヘパリン
 8時間〜12時間毎に5,000単位皮下注
用量調節未分画ヘパリン
 APTTを正常上限値に維持するように持続静注 
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 最初に約3,500単位の未分画ヘパリンを皮下注射し,投与4時間後のAPTTが目標値となるように,8時間ごとに未分画ヘパリンを前回投与量±500単位で皮下注射する。煩雑な方法ではあるが,最高リスクでは単独使用でも効果がある。
用量調節ワルファリン
 PT-INRが1.5〜2.5になるように投与。効果が出るまでは3〜5日間を要するため、他の方法を併用する。最高リスクでも単独で効果あり。
低分子ヘパリンおよびXa阻害薬(フォンダパリヌクス)
 低分子ヘパリン:TKA/THA術後、股関節骨折術後、VTEリスクの高い腹部手術
 Xa阻害薬:VTEリスクの高い下肢整形外科手術後、腹部手術

手術別予防法
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リスク 整形外科 婦人科 産科
上肢の手術 30分以内の小手術 正常分娩
脊椎手術
骨盤・下肢手術(高リスク以外)
良性疾患手術
ホルモン療法中患者
高リスク以外の帝王切開
股関節全置換術
膝関節全置換術
股関節骨折
脊髄損傷
骨盤内悪性腫瘍根治術
VTEの既往、血栓性素因のある良性疾患手術
高齢肥満妊婦の帝王切開
VTEの既往、血栓性素因のある経膣分娩
最高 VTEの既往、血栓性素因のある高リスク手術
肥満患者の高リスク手術
VTEの既往、血栓性素因のある大手術 VTEの既往、血栓性素因のある帝王切開
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リスク 一般外科・泌尿器科 脳神経外科 外傷
60歳以下の非大手術
40歳以下の大手術
開頭術以外 なし
非大手術:60歳以上あるいは危険因子あり
大手術:40歳以上あるいは危険因子あり
開頭術 なし
40歳以上の癌の大手術 悪性腫瘍の開頭術 重度外傷
運動麻痺を伴う完全・不完全脊髄損傷
最高 VTEの既往、血栓性素因のある高リスク手術
肥満の高リスク手術
同左 VTEの既往、血栓性素因のある高リスク手術
リスク、血栓性素因は上記
大手術は腹部手術もしくは45分以上の手術
低リスクは早期離床・運動を促す
中リスク(DVT発症20%以上):ESあるいはIPAC
高リスク(DVT発症30%以上):IPCあるいは低容量未分画ヘパリン投与
最高リスク(DVT発症40%以上):低容量未分画ヘパリン+IPCあるいはES、または用量調節ワルファリンのみ(単独で効果あり)、用量調節未分画ヘパリン投与のみ(単独で効果あり)
※合併症麻酔のスタンダードp98、ガイドラインより作成

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