さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2012年4月28日土曜日
まとめ:気道内圧の上昇、バッグが固い
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□気道内圧上昇の原因となる部位
①患者自身(肺以外)
②患者自身の肺、気道
③呼吸器回路・気管チューブ
④麻酔器・人工呼吸器
以上のいずれか、または複数の部分に何らかの異常があり、気道内圧(あるいは単に回路内圧)が上昇する。
※突然の気道内圧(回路内圧)の上昇の大部分は、気管チューブの異常などのメカニカルな問題。まずはそれを除外
□気道内圧上昇による弊害
※陽圧換気中に、高圧あるいは肺胞の過膨張により、それぞれ圧損傷、容量損傷が肺に生じる。
◯高いPIP:気胸(特にブラなどを持つCOPD患者)や縦隔気腫のリスク。
胸腔内圧の上昇や肺血管の圧迫により静脈還流が減少し、心拍出量の低下(特に高めのPEEP使用時など)
◯肺胞過膨張:肺血管透過性の上昇と肺水腫のリスク
□”原因”となる部位での異常と対策
◯麻酔器・人工呼吸器
・大きすぎる1回換気量
・手動換気時のAPL弁の不適切な使用(閉まりすぎ、または新鮮ガス流量が多すぎ)
・一方向弁の不具合(あまりない)
対策:設定や新鮮ガス流量、APL弁の使用法の是正
◯呼吸回路・気管チューブ
・回路または気管チューブの屈曲(特に頭部から離れている場合は注意:脳外科や耳鼻科、眼科など)
・血液や分泌物によるチューブ内腔の狭小化、閉塞(wheezeが聴取されることも)
・気管支挿管(特に頭低位にした場合)
対策:目視、吸引カテーテルの挿入(屈曲していたら入らない)、あるいは気管支ファイバーによる観察、吸引。
◯気管・肺
・バッキングや強制換気中の自発呼吸、息こらえ
・気管支攣縮、喘息発作(アレルギー反応の一部の場合もあるので要注意)
・分泌物や血液貯留
・肺水腫(大量輸液や肺胞過膨張による)
・無気肺(特に肥満患者やCOPD患者)⇒適宜リクルートメントを。
・気胸
対策:聴診で診断できることも多い。それぞれに対する治療を。
◯その他の要因
①体位:急峻な頭低位(Trendelenburg位)による腹腔内臓器や脂肪による肺の圧迫。
気管チューブが結果として深くなり気管支挿管になるおそれもある
腹臥位
②肥満による胸郭コンプライアンスの低下。頭低位でさらに増悪
③腹腔内圧の上昇:気腹、腹水貯留、術野からの圧迫
□参考文献・書籍・Web
1)麻酔科診療プラクティス13 p115,182
2)麻酔への知的アプローチ p186-187
3)麻酔科エラーブック p43-44 など
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