さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2012年4月20日金曜日
まとめ:術中血圧低下
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※低血圧の治療は原因に則した治療!考えなく昇圧薬を投与してはいけない(当たり前だけども・・。とりあえずエフェドリンやネオシネジン突っ込んでる研修医が多いもので・・・(^^ゞ)
□血圧の規定因子
[血圧]=[心拍出量]×[体血管抵抗]
=[1回心拍出量]×[心拍数]×[体血管抵抗]
※1回心拍出量は心収縮力と前負荷で決まる。
以上より、血圧の低下の原因は大きく以下の3つに分類できる
①前負荷が減少している(循環血液量の不足、不十分な静脈還流量)
②体血管の低下
③心収縮力の低下
「十分な前負荷と十分な心収縮力と適度な血管収縮」を目標にする!
※特に十分な前負荷を維持することは循環管理の基本!
□前負荷の減少(循環血液量の減少、不十分な静脈還流)※緑は突然生じやすい
◯脱水
・術前からの絶飲食、腸管術前処置
・嘔吐、下痢、胃管やイレウス管からのドレナージ
・多尿(利尿薬投与や糖尿病など)
◯出血
◯血管透過性の亢進(SIRSなど)
◯緊張性気胸
◯肺血栓塞栓症
◯心タンポナーデ(心腔の狭小化)
◯静脈系の容量増加(交感神経遮断、血管拡張薬、換気の影響[PEEPや大きい1回換気量など])
□体血管抵抗の低下(主に交感神経の遮断による)
・麻酔による影響(全身麻酔、硬膜外麻酔、脊髄くも膜下麻酔)
・腸間膜牽引症候群(プロスタグランジン放出による)。顔面発赤あり
・アレルギー(アナフィラキシーショックなど)
・敗血症性ショック
・血管拡張薬の投与
・ターニケット解除後
・副腎不全
□心収縮力低下(不整脈による1回心拍出量低下も含む)
・全身麻酔薬の投与(ほぼすべての全身麻酔薬は程度の差はあるが、心収縮力を抑制する)
・心筋虚血
・低Ca血症(大量輸血後や心臓手術など)
・局所麻酔薬中毒(特にブピバカイン)
・迷走神経反射
・心房細動や心房粗動、接合部調律などの適切な心房収縮を欠く状態
・頻脈性不整脈(拡張期充満時間の短縮)
・徐脈性不整脈
□参考文献・書籍・Web
1)麻酔科トラブルシューティングAtoZ p410-411
2)呼吸・循環のダイナミズム第2版 p114
3)麻酔科トラブルシューティング p234-235
4)MGH麻酔の手引き p331-332
5)麻酔への知的アプローチ p393-397
6)麻酔科シークレット第2版 p208-211
7)麻酔科研修チェックノート第3版 p173
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