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2012年4月20日金曜日

まとめ:関節リウマチ患者の麻酔総まとめ


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※ポイントは気道管理ステロイド

□関節リウマチ(以下RA)患者の関節病変
頚椎病変
頚椎の骨癒合による可動域制限
環軸椎亜脱臼による不安定性(初期は運動制限や後頭部痛、次第に四肢のしびれが出現し、延髄を圧迫するようになると突然死の原因にもなる)
・亜脱臼があれば、伸展位で安定、屈曲位で悪化する。

その他の関節病変
顎関節病変による開口障害
輪状披裂関節病変(RA患者の30%程度?)による声帯固定⇒挿管チューブが入りにくい。症状は喉頭部痛や嚥下痛、嗄声など。発赤や声門部の狭小化があれば、挿管時だけでなく、抜管後の気道閉塞にも注意が必要になる。
・四肢の関節の変形や拘縮⇒術前に良肢位を確認。関節、皮膚、神経保護に努める。

□RA患者のその他の全身合併症
肺病変
・50%の患者で種々の関節病変により拘束性障害が生じるが、ADLの制限により症状の自覚はほとんどなく、これ自体が問題になることは少ない。脊椎変形による亀背も拘束性障害を助長する。
・肺線維症、胸水貯留
心臓
・30%程度に心膜炎の合併(有症状は10%)。心嚢水貯留
腎臓(まれ)
・薬剤性腎症
・腎アミロイドーシス
・合併するSjogren症候群による間質性腎症
眼病変
・RA患者の20%に合併するSjogren症候群による角結膜炎。眼軟膏、アイパッチで保護


麻酔における注意点
麻酔法の選択
・頚椎病変がある場合、可能なら硬膜外や脊髄くも膜下麻酔、神経ブロックなどを選択。
・全身麻酔が必要でも可能ならLMAなどを使用する。
気道確保
・環軸椎亜脱臼などはっきりとした頚椎病変があるならば、気管支ファイバーやAWSによる意識下挿管を、十分な麻酔前説明のもと施行する。
・その他気道確保デバイスをしっかりと準備する(こちらを参照)

ステロイドカバー
・ステロイドを一定量以上内服していればステロイドカバーを考慮(こちらを参照)
体位や移動
気道確保時はもちろんのこと、頸部を動かしたり、体位変換をする場合は特に注意する


以上を踏まえた術前のチェックポイント
内服薬のチェック(特にステロイド。必要ならステロイドカバー)
頚椎評価(許容できる可動域は主治医にも確認。頚椎レントゲンやMRI)
気道確保には要注意。必要なら意識下挿管。
□他の合併症の有無の確認
眼病変あればしっかりと保護
□術中の体位、皮膚や神経保護など注意。



□参考文献・書籍・Web
1)患者術前評価・管理の手引き p243,252
2)合併症麻酔のスタンダード p247
3)麻酔への知的アプローチ p498
4)麻酔科専門医認定筆記試験問題解説集各年度


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