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2012年4月4日水曜日

まとめ:シバリング


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体温調節性シバリングと非体温調節性シバリング
・体温調節性シバリングは中枢温の低下、中枢温と末梢温の較差の増大などがみられる。末梢血管も収縮している。
・非体温調節性シバリングの機序は不明だが、疼痛が関与している可能性がある。体温も正常であることが多い。

□ポイント
・シバリングにより熱産生は最大300%にまで増加する。
・中枢温が高くても、末梢温との較差が大きいと発生する。
・中枢温が高くても、末梢温が低い場合はしっかりと保温・加温する。
・生後3ヶ月未満の乳児はシバリングを起こすことができない(非ふるえ性熱産生を起こす)
・シバリングにより酸素消費量は300〜600%増加する⇒心臓への負担増⇒虚血性心疾患のリスク上昇。IHD持ちの患者の場合、特に気をつける。
・二酸化炭素産生量も増加し、呼吸性アシドーシスの原因となる。
・術後鎮痛が不十分になりやすいレミフェンタニル麻酔では、体温低下がみられなくてもシバリングが発生することが多い(非体温調節性シバリング)
・基本的な予防は術前〜術中の積極的な保温・加温!


□シバリングの他の症状
・頭蓋内圧の上昇
・眼圧の上昇
・創通の増強
・心筋虚血のリスク上昇

□シバリングに対する治療例
・積極的な復温(ブランケットや温風式加温装置、温かい輸液・輸血)
・ペチジン0.5mg/kgの投与(他にもフェンタニル、モルヒネなどのオピオイド、クロニジンやドキサプラム、ドロペリドール、ケタミンなどが使用されることもあるらしい)
・フルルビプロフェンなどのNSAIDsによる上昇した体温セットポイントのリセット
 ※炎症性サイトカイン(IL-6など)によりシバリングを引き起こす温度のセットポイントが引き上げられている場合は、低体温でなくてもシバリングが起こる。サイトカインの抑制を期待してNSAIDsが使用される。


□参考文献
1)SICUpearls p309
2)赤田隆 周術期体温管理における皮膚表面温度較差測定の有用性 臨床麻酔 2008;32号(11月):1757-1773.
3)心臓手術の麻酔(MSI)p303
4)麻酔科シークレット第2版 p223
5)麻酔科トラブルシューティングAtoZ p562
6)麻酔科研修チェックノート第3版 p169




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