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組織からの酸素需要に対して、酸素供給が十分でない場合に低酸素血症が生じる
□術中低酸素の原因
①器械的な問題(目視と手動換気で気づけ)
・中央配管からの酸素供給停止、パイピングの外れ、補助ボンベも空の状態
・麻酔器の故障
・呼吸回路の外れ
・麻酔器(二酸化炭素吸収装置含む)〜呼吸回路〜気管チューブまでの比較的大きなリーク(カフの脱気含む)
・気管チューブの屈曲、閉塞(分泌物や血液)
・気管チューブの位置異常(気管支挿管、脱落、食道挿管)
②不適切な換気や呼吸器設定の問題
・低換気
・吸入酸素飽和度が低い など
③気管支〜肺の問題(手動換気、聴診、カプノグラムで気づけ)
・無気肺(特に肥満患者やCOPD患者、高齢者、心臓外科手術)
・気胸
・肺水腫
・喘息発作、気管支痙攣
・肺血栓塞栓症(⇒TEE!)
④その他
・極端な心拍出量低下
・極度の貧血
□原因検索の手順(視て聴いて触って)
①まずは酸素流量、濃度計、回路の外れ、チューブの屈曲など、見てすぐ分かるものを素早くチェック。
②以上に異常がなければ100%酸素で手動換気に。念のため自己膨張式バッグ(Ambuバッグ®)を準備。以下はほぼ同時進行で
③抵抗なくバッグがしぼんで揉めないようなら、気管チューブのカフ漏れや、 上で気づかなかった回路の外れがある。
◯抵抗があったり、呼気の戻りが悪ければ喘息発作や気管支痙攣、分泌物貯留などを疑う。聴診(Wheeze、分泌物による湿性ラ音)、吸引、気管支ファイバーなど分泌物やチューブの位置をチェック。
◯カプノグラムもチェック。閉塞性パターンを示していれば上記を疑う。波形が出ていなかったり、極端に低くなっているようなら、肺血流の減少(典型的には肺塞栓症)が疑われ緊急事態(血圧も低下していると思うが・・)
◯以上に異常がない場合、無気肺や気胸を疑う(呼吸音の左右差)。
◯器械的トラブルや致命的な合併症(肺塞栓症など)がなければ、低換気や無気肺、肺水腫などを疑う。呼吸器設定を見直し、肺を再膨張させ、PEEPをかける。
□各原因への対処
・器械的トラブル⇒それぞれに対する処置
・低換気⇒呼吸器設定の見直し
・無気肺⇒吸引、再膨張、PEEP
・肺水腫⇒利尿薬、PEEP
・喘息発作、気管支痙攣⇒治療を(こちらを参照)
・気胸⇒ドレナージ
・肺塞栓症⇒TEEで診断、治療へ!(こちらを参照)
・分泌物、血液⇒しっかりと吸引(気管支ファイバーなど用いる)
□参考文献・書籍・Web
1)MGH麻酔の手引き p338
2)呼吸・循環のダイナミズム第2版 p292-293
3)麻酔科トラブルシューティング p245-246
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