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要点
□検査の第一選択は静脈エコー(低侵襲)
□ VTEの既往があれば、婦人科の低侵襲手術以外はすべて最高リスク!!
□ひどい外傷ならそれだけで高リスク以上
□試験でVTEが問われるようなものは高リスク以上。これをしっかり覚える(^^ゞ
□高リスクグループ以上では必ず抗凝固療法を。
症状・徴候
□原因不明の下腿浮腫、発赤
□表在静脈瘤
□症状なし
危険因子と頻度
□危険因子の強度弱肥満 エストロゲン治療 下肢静脈瘤
□危険因子の強度中
高齢 長期臥床 うっ血性心不全 呼吸不全 悪性疾患 CVC留置 化学療法 重症感染症
□危険因子の強度強
VTEの既往有 血栓性素因 下肢麻痺 ギプスによる下肢固定
※素因はATⅢ欠損症 プロテインS・C欠損症 抗リン脂質抗体症候群、抗カルジオリピン抗体症候群 など
診断
□除外診断には血清D-dimer
□下肢静脈エコー
□造影CT
□下肢静脈造影
各科手術のリスク階層化
●一般外科・泌尿器科
低リスク
・60歳以下の非大手術
・40歳以下の大手術
中リスク
・非大手術(60歳以上、あるいは危険因子あり)
・大手術(40歳以上、あるいは危険因子あり)
高リスク
・40歳以上の癌の大手術
最高リスク
・VTEの既往ないし血栓性素因のある第手術●婦人科
低リスク
・30分以内の小手術
中リスク
・良性疾患手術
・ホルモン療法中の患者
高リスク
・骨盤内悪性腫瘍根治術・VTEの既往ないし血栓性素因のある良性疾患手術
最高リスク
・VTEの既往ないし血栓性素因のある大手術●脳神経外科
低リスク
・開頭術以外
中リスク
・開頭術
高リスク
・悪性腫瘍の開頭術
最高リスク
・VTEの既往ないし血栓性素因のある大手術●整形外科
低リスク
・上肢の手術
中リスク
・脊椎手術・高リスク手術を除く骨盤・下肢手術
高リスク
・股関節全置換術(THA)・膝関節全置換術(TKA)
・股関節骨折
・脊髄損傷
最高リスク
・VTEの既往ないし血栓性素因のある高リスク手術・肥満の高リスク手術患者
●産科
低リスク
・正常分娩
中リスク
・高リスク以外の帝王切開
高リスク
・VTEの既往ないし血栓性素因のある経膣分娩
最高リスク
・VTEの既往ないし血栓性素因のある帝王切開 ●外傷
低リスク、中リスク
・なし
高リスク
・重度外傷・運動麻痺を伴う完全または不完全脊髄損傷
最高リスク
・VTE既往ないし血栓性素因のある高リスク手術
VTE予防
低リスクグループ:DVT発症率2%(欧米)・早期離床と積極的な運動を促す
中リスクグループ:DVT発症率20%超
・弾性ストッキング(ES) or 間欠的空気圧迫法(安定血栓なら)
高リスクグループ:DVT発症率30%超
・間欠的空気圧迫法(IPC)or 低容量未分画ヘパリン
最高リスクグループ:DVT発症率40%超
・低容量未分画ヘパリン+ ES or IPC
・用量調節未分画ヘパリンのみ
・用量調節ワルファリン投与
・IVCフィルター留置考慮
※低容量未分画ヘパリンは8時間もしくは12時間ごとに未分画ヘパリン5000単位を皮下注射する方法
※用量調節未分画ヘパリンはAPTTの正常値上限を目標として未分画ヘパリンの投与量を調節して,抗凝固作用の効果をより確実にする方法であ る。最初に約3,500単位の未分画ヘパリンを皮下注射し,投与4時間後のAPTTが目標値となるように,8時間ごとに未分画ヘパリンを前回投与 量±500単位で皮下注射する。煩雑な方法ではあるが,最高リスクでは単独使用でも効果がある。
※容量調節ワルファリンはワルファリンを内服し,PT-INR(プロトロンビン時間の国際標準化比)が1.5~2.5となるように調節する方法である。ワルファリン内服開始から効果の発現までに3~5日間を要するため,術前から投与を開始したり,投与開始初期には他の予防法を併用したりする。
●IVCフィルター留置の適応
・術前から抗凝固療法を行なっているのにもかかわらず繰り返すVTE
・最高リスク群であるにもかかわらず、抗凝固療法が禁忌であるような手術症例
・急性期に下肢の近位部から骨盤内にかけてDVTを認める場合。
※合併症麻酔のスタンダード pp95-98
※麻酔科トラブルシューティングAtoZ pp112-113
※静脈血栓塞栓症の既往を有する患者の周術期管理の検討 黒岩政之ほか
麻酔52:744-749,2003
※静脈血栓塞栓症 一歩進んだ周術期予防と危機管理のために 黒岩政之
臨床麻酔32:441-457.2008
※肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症予防ガイドライン
肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン作成委員会
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