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2012年3月1日木曜日

49回麻酔科専門医試験:口頭試問2-2


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58歳の男性。身長 172cm、体重 89kg。生来健康。嗄声で発見さ
れた声門部隆起性病変に対して喉頭微細レーザー手術が予定さ
れた。父親が胃癌の手術時に悪性高熱症で死亡している。
質問
1) 術前評価
①この患者の術前での問題点を挙げて下さい。
②喉頭微細レーザー手術で、特に注意を要する気道系合併症とそ
の対策を説明して下さい。
2) 気管チューブについて
①喉頭微細レーザー手術時に用いられる気管チューブの構造と特
徴を説明して下さい。
3) 麻酔法について
①全身麻酔の導入・維持において、使用する麻酔薬の選択および
その理由を述べて下さい。
4) 術後管理について
①手術終了後に筋弛緩モニターを用いて残存筋弛緩を評価する
方法(i モニター場所、ii 刺激方法と反応、iii リバース不要の条件)
について説明して下さい。
②アトロピンとネオスチグミンの作用機序を説明して下さい。

1)術前評価
問題点
・肥満
・悪性高熱症の家族歴
※悪性高熱のリスク患者に対する準備
・冷却生食の準備や蒸留水の準備
・ダントロレンの準備
・麻酔器の気化器は取り外す。しばらく高流量酸素で吸入麻酔薬を洗い流す
・ソーダライムも新品に交換し、酸素10㍑以上で10〜20分流す。
・太いラインの準備。いつでも体を冷却できる準備を。

本手術で注意する気道系合併症
・レーザーの引火による気道熱傷
対策など
・FiO2を下げる(0.3程度)
・笑気を使わない
・レーザー用チューブを使う(カフも生食)
・レーザー用ゴーグル着用(または眼を湿ったガーゼで被うなど)

2)レーザー用チューブについて
レーザー用チューブの構造と特徴
チューブ外層は保水性のスポンジで覆われている。
CO2レーザーは水によく吸収されるので、カフは二重構造、内側に空気、外側に生理食塩水を入れるようになっている⇒外側が破損してもシールできる

3)麻酔法
導入・維持薬の選択と理由
プロポフォール、ロクロニウム、レミフェンタニルで導入。プロポフォールは悪性高熱に対して100%安全。脱分極性筋弛緩薬の不使用。
維持はプロポフォール、レミフェンタニルによるTIVA。吸入麻酔薬の不使用。

4)術後管理
筋弛緩モニターについて
・モニター場所:前腕尺側(尺骨神経に沿って)
・刺激方法:TOF(DBSも)。TOF比90%を目標に。
・リバース不要の条件。TOF比90%あれば不要
アトロピンとネオスチグミンの作用機序(ほとんど使用する施設はなくなっていくんでしょうね〜)
アトロピン:ムスカリン受容体を遮断して、散瞳、気管支拡張、頻脈、分泌抑制を生じる
ネオスチグミン:アセチルコリンエステラーゼを阻害し、神経筋接合部で利用できるAchの量を増加させる。
ネオスチグイン:

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