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68歳の男性。前大脳動脈瘤からのくも膜下出血で緊急クリッピング
術が予定されている。GCS E4V4M4。既往歴に高血圧、陳旧性心
筋梗塞があり、冠動脈ステント留置術施行。現在バイアスピリン、亜
硝酸薬、アムロジピンを内服中。喫煙歴は20歳から20本/日で発
作当日まで喫煙していた。
質問
1) 術前評価
①この患者の術前での問題点を挙げて下さい。
②通常の術前検査(血液検査、心電図、胸部エックス線)以外に担
当麻酔科医として得ておきたい情報を挙げて下さい。
③冠動脈ステントの種類と一般的な待機手術の場合のステント留
置からあける期間を述べて下さい。
2) 術中管理
①緊急に脳圧を下げるにはどのような処置が行われますか。
②術中の静脈空気塞栓の検出に有効なモニターを挙げて下さい。
3) 術後管理
①術後の脳血管攣縮の予防および脳灌流維持の療法としてどのよ
うなものがありますか。
4) 周術期危機管理
①術中、FIO2 = 0.4 でSpO2 が 92%に低下しました。低下した理由を
挙げて下さい。
1)術前評価
①問題点
・緊急手術(フルストマックの可能性有)
・高血圧(降圧薬内服中)
・陳旧性心筋梗塞:ステント留置後
・上記でバイアスピリン内服中
・喫煙歴(current smoker):術後呼吸器合併症率上昇(特に術後早期に抜管できない場合)
②追加検査
・心エコー
・血液ガス
・家族から普段の活動度(NYHAやHugh-Jones分類など)と狭心痛などの発作歴
③ステントの種類と手術待機期間について
冠動脈ステントの種類
・ベアメタルステント(BMS)
・薬剤溶出性ステント(DES:drug eluting stent)
待機期間
・BMS:4〜6週間
・DES:12ヶ月(ACC/AHAガイドライン)
※どちらにしてもアスピリンは周術期も継続
2)術中管理
①緊急脳圧効果方法
・マンニトールやグリセオール投与
・過換気(PaCO2下げる)
・外減圧(頭蓋骨除去)
・・など?
※脳圧規定因子:脳潅流圧(脳圧)=平均動脈圧(MAP)ー頭蓋内圧(ICP)
②静脈空気塞栓の有用モニター
・一番感度が高いのはTEE!
・以下順番に胸壁ドプラ>PAP上昇、EtCO2低下>心拍出量低下、CVP上昇>血圧低下、ECG変化>聴診(水車様音)
3)術後管理
①術後の脳血管攣縮予防および脳灌流維持の療法について
脳血管攣縮は症状は脳梗塞。発症から4〜14日に多くが出現。予防には3H。
・Hypertention(高血圧)
・Hypervolemia(高循環血液量)
・hemodilution(血液希釈)
脳槽ドレナージ・灌流(t-PAやウロキナーゼで洗って除去する。見たことないけど)や血管拡張薬(塩酸パパベリンやカルシウム拮抗薬)、抗血小板薬、ファスジルなどなど?
4)周術期危機管理
①術中SpO2低下の理由(この患者の場合)
まずは以下のメカニカルな問題をチェック
・パルスオキシメータは脱落もしくは脱落しかけてないか。波形はきちんとでているか
・酸素濃度計は予想通りの値を示しているか
・呼吸回路、人工呼吸器に異常はないか?(回路の根本でのはずれ、人工呼吸器の作動)
・気管チューブの屈曲、閉塞、脱落はないか?バッグを押してみる。この患者は喫煙歴もあるので、分泌物による閉塞も十分ありえる。
・術野で気道、肺の圧迫をしていないか?
以上が否定的であれば・・・
・気管支喘息発作
・肺塞栓
・肺水腫
・気胸
・無気肺など・・・
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