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28 歳の女性。身長160cm、体重65kg。前置胎盤合併妊娠で33
週目に胎盤早期剥離により出血し、緊急帝王切開術が予定さ
れた。手術室搬入時、血圧70/35 mmHg、心拍数120 回/分、
呼吸数30 回/分。意識清明だが苦悶を認めた。胎児心拍80 回
/分。
質問
1) 術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を列挙してください。
②前置胎盤合併妊娠で分娩時に出血量が増える理由について
説明してください。
2) 麻酔法および術中管理
①どのような麻酔法を選択しますか。
②具体的な麻酔方法について注意点を挙げて説明してくださ
い。
③麻酔の維持はどうしますか。麻酔薬の胎盤通過性を考慮して
答えてください。
3) 術後管理
①病棟でマスク下で酸素3L/分を投与中、経皮的酸素飽和度
が90%に低下した。原因として何を考えますか、列挙してくださ
い。
4) 周術期危機管理
①術中、大量出血で血小板が50,000/mm3 となりました。患者の
血液型はO 型ですが同型の血小板はありません。異型輸血の
可能な血小板の血液型は何ですか。(10 点)
1) 術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を列挙してください。
・前置胎盤症例
・胎盤早期剥離⇒胎児仮死のリスク、産科DICのリスク、上記と併せて大量出血のリスク
・ショック状態
・胎児仮死の徴候(最近は胎児仮死って言わないんでしたっけ?)
②前置胎盤合併妊娠で分娩時に出血量が増える理由について説明してください。
・子宮口付近からの出血は、分娩後の子宮収縮(そもそも筋層が薄く収縮力が弱い)でも止血が得られにくく大量出血につながりやすい。・・でしょうか?
2) 麻酔法および術中管理
①どのような麻酔法を選択しますか。
気管挿管での全身麻酔(ケタミン、ロクロニウムを使用)。迅速導入。
②具体的な麻酔方法について注意点を挙げて説明してくださ
い。
ショック状態であり、胎児仮死も疑われるため速やかな分娩が求められる。またDIC合併による出血傾向も出現する可能性もあるため、CSEAなどは行いにくい(時間もかかる)。
薬剤はケタミン(またはイソゾール)ロクロニウム(またはサクシン)を用いた迅速導入で。
③麻酔の維持はどうしますか。麻酔薬の胎盤通過性を考慮して
答えてください。
麻薬(レミフェンタニルなど)は胎盤を容易に通過し、胎児の呼吸抑制につながる可能性があるため(最近ではレミフェンタニルは速やかに代謝されるため比較的安全とは言われているみたいですが・・・)、児娩出までは酸素と亜酸化窒素、低濃度セボフルランで維持。娩出後はセボフルラン、レミフェンタニルもしくはプロポフォール、レミフェンタニルのTIVAで維持。フェンタニルでもよい。
3) 術後管理
①病棟でマスク下で酸素3L/分を投与中、経皮的酸素飽和度
が90%に低下した。原因として何を考えますか、列挙してくださ
い。
・肺塞栓(DVTやDIC合併による)の疑い。
・誤嚥
・FRCの低下によるもの。
・(大量輸血していれば)肺水腫、TRALIなど
・(まれだが)気胸
4) 周術期危機管理
①術中、大量出血で血小板が50,000/mm3 となりました。患者の
血液型はO 型ですが同型の血小板はありません。異型輸血の
可能な血小板の血液型は何ですか。(10 点)
全型OK!
輸血選択(専門医試験過去問題集より) | |||
患者血液型 | 赤血球濃厚液 | 新鮮凍結血漿 | 血小板濃厚液 |
A | A>O | A>AB>B | A>AB>B |
B | B>O | B>AB>A | B>AB>A |
AB | AB>A=B>O | AB>A=B | AB>A=B |
O | Oのみ | 全型適合 | 全型適合 |
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