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2012年3月8日木曜日

48回麻酔科専門医試験:口頭試問4-1

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73歳の女性。身長150cm、体重60kg。変形性膝関節症に対して
右人工膝関節置換術が予定された。3年前に大動脈弁狭窄に
対して生体弁による大動脈弁置換術を受けている。
質問
1)術前評価
①麻酔管理上の問題点を列挙してください。
②通常の術前検査(血液検査、心電図、呼吸機能検査、胸部
エックス線)以外に担当麻酔科医として得ておきたい情報(検査、
問診、術後管理予定など)を挙げてください。
2)術中管理
①どのような麻酔法・麻酔薬剤を選択しますか。その理由も述
べてください。
②通常のモニターの他にどのような術中モニターが必要と考えま
すか。
3)術後管理
①早期離床および術後のリハビリテーションのためにどの
ような術後管理を計画しますか。使用する薬物の種類、
量、投与方法および副作用について具体的に述べてくだ
さい。
4)周術期危機管理
術後鎮痛のために局所麻酔薬のみによる持続硬膜外注
入( 0.2% ロピバカイン5ml/h)が行われたが、左下肢にの
み感覚鈍麻が見られ、右下肢( 手術側) には全く効いてい
なかった。NSAIDs だけでは痛みのため離床・リハビリテ
ーションが進まないため、右足に効くように硬膜外カテー
テルを入れ直してほしいと主治医および患者が希望した。
① 左 下 肢 (健側)にしか効かない理由は何ですか。
②どのように対処しますか。考え方、方法について述べてくだ
さい。
③ 術 後 、硬膜外カテーテルを抜去したところ、患者が背部
痛と下肢の脱力を訴えました。何を疑いますか。





1)術前評価
麻酔管理上の問題点を列挙してください。
・やや肥満
・高齢
・大動脈弁置換後(生体弁)
・DVTのリスク
 ②通常の術前検査(血液検査、心電図、呼吸機能検査、胸部
エックス線)以外に担当麻酔科医として得ておきたい情報(検査、
問診、術後管理予定など)を挙げてください
・心エコー:AR、ASの出現の有無、壁運動などのルーチンチェック
・活動度
・抗血小板、抗凝固薬などの内服の有無。服用あれば術前術後の管理予定
⇒ヘパリンの使用の有無、開始・中止・再開について決定
 2)術中管理
どのような麻酔法・麻酔薬剤を選択しますか。その理由も述
べてください。


・全身麻酔単独あるいはLMAを用いた全身麻酔に大腿神経ブロック、坐骨神経ブロックの併用。単独の場合の術後鎮痛はIV-PCAで。
・術前心機能などが良好であれば、レミフェンタニル、プロポフォール、ロクロニウムで急速導入。維持はプロポフォール、レミフェンタニルによるTIVA。
通常のモニターの他にどのような術中モニターが必要と考えま
すか
・動脈ライン
・心機能の状態にもよるが経食道心エコーでA弁など再チェック。
3)術後管理
①早期離床および術後のリハビリテーションのためにどの
ような術後管理を計画しますか。使用する薬物の種類、
量、投与方法および副作用について具体的に述べてくだ
さい。
・しっかりとした鎮痛。フェンタニルIV-PCA。NSAIDsなども適宜併用。
・フェンタニルの副作用:悪心・嘔吐、呼吸抑制。
・NSAIDs:胃粘膜障害など
 4)周術期危機管理
術後鎮痛のために局所麻酔薬のみによる持続硬膜外注
入( 0.2% ロピバカイン5ml/h)が行われたが、左下肢にの
み感覚鈍麻が見られ、右下肢( 手術側) には全く効いてい
なかった。NSAIDs だけでは痛みのため離床・リハビリテ
ーションが進まないため、右足に効くように硬膜外カテー
テルを入れ直してほしいと主治医および患者が希望した。
左下肢 (健側)にしか効かない理由は何ですか
・硬膜外チューブの先端が右側神経根付近に位置している可能性が高い
 ②どのように対処しますか。考え方、方法について述べてくだ
さい。
・術後抗凝固の開始などとの兼ね合いもあるため、IV-PCAに切替が望ましいと思われるが・・・。抗凝固開始前であれば再穿刺し、テストドーズで効果を確認後使用。
術後、硬膜外カテーテルを抜去したところ、患者が背部
痛と下肢の脱力を訴えました。何を疑いますか
・硬膜外血腫は穿刺時と同程度抜去時にも生じる可能性があるため、最も疑わしい。
・緊急MRI施行(現在のインプラントならほとんど可能)して診断。
・硬膜外血腫の確定診断が得られれば脊椎外科緊急コンサルト。
・脳梗塞の除外診断も。

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