52回まとめファイルについての最新情報は こちら から
51回専門医試験の体験記については こちら から
51回まとめファイル購入者の方々の結果と寄せられた声は こちら から
お問い合せ、体験談、筆記試験採点結果は classicanesthesia2@gmail.com まで
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
74歳の女性。身長155cm、 体重45kg。慢性関節リウマチによる頚椎環軸椎亜脱臼に対して、環軸椎後方固定術が予定された。ステロイドを10年前から服用しており、現在はプレドニゾロン1日15mgを内服している。
※47回症例1が類似問題
質問
1)術前評価と管理
①全身状態(ステロイド以外)の術前評価で注意する点は何ですか。
②ステロイドカバーについて述べてください。
2)麻酔法および術中管理
①挿管方法について述べて下さい。
②腹臥位にした時に起こりえる合併症について述べて下さい。
3)術後疼痛管理
①術後鎮痛はどのように行いますか。
4)周術期危機管理
①術後、病棟で循環不全をきたしました。考えられる原因を挙げてください。
②急性副腎不全について述べてください。
1)術前評価と管理
①全身状態(ステロイド以外)の術前評価で注意する点は何ですか。
ステロイドカバー考慮以外では・・・
□頚椎不安定性(環軸椎亜脱臼)の有無。頚椎レントゲン。神経症状の有無
□環軸椎亜脱臼あれば、伸展位で安定、屈曲位で悪化(脊髄・延髄圧迫)
□頸部可動については整形外科や主治医に確認
□約半数の患者で肺異常(俗に言うリウマチ肺)
□眼病変の有無(20%にSjogren症候群の合併。乾燥性角結膜炎に注意)。まれに腎症。
□股関節手術などが多いのでDVTのチェックも
□四肢の拘縮なども(術中体位にも気をつける)⇒今回は腹臥位で適切に神経保護や眼球保護ができるか。
□挿管に関しては意識化挿管まで含めて工夫が必要
②ステロイドカバーについて述べてください。
低侵襲手術(局麻、鼠径ヘルニアなど)は当日朝の常用量のみ。
中等度侵襲(開腹胆摘、結腸切除、人工関節など)は当日の朝の常用量あるいはその相当量に加え手術開始前にヒドロコルチゾン50mg静注、以後8時間ごとにヒドロコルチゾン25mg投与、24時間以降常用量に漸減。
大侵襲(胸部心臓外科、肝切除、食道胃切除、大腸全摘など)は当日の朝常用量に加え麻
酔導入前にヒドロコルチゾン100mg静注、以降8時間ごとにヒドロコルチゾン25mg投与、1日半量ずつ常用量まで漸減。
今までは比較的大量に用いなければならないとされていましたが・・・
※ステロイドカバーについては近日中にまとめます。
2)麻酔法および術中管理
①挿管方法について述べて下さい。
環軸椎亜脱臼もあるため、意識下で気管支ファイバーもしくはAWSで施行。鎮静は少量フェンタニル(100~200μgまで)で。
②腹臥位にした時に起こりえる合併症について述べて下さい。
・眼球圧迫による失明、視力障害
・気管チューブの脱落
・皮膚の圧迫(褥瘡の原因)や神経損傷(外側大腿皮神経や腕神経叢麻痺、尺骨神経麻痺など)
3)術後疼痛管理
①術後鎮痛はどのように行いますか。
・フェンタニルによるIV-PCA
4)周術期危機管理
①術後、病棟で循環不全をきたしました。考えられる原因を挙げてください。
・循環血液量不足
・術後出血
※上記手術ではあまり考えにくい
・術後心筋梗塞
・肺塞栓症
・急性副腎不全
②急性副腎不全について述べてください。
長期ステロイド投与によりACTHや副腎皮質機能低下がおこる。そこに急なステロイドの中止や感染症や手術などの侵襲が加わった場合に、相対的に副腎皮質ホルモンの不足がおこる。その際に生じるショックを主体とする病態。
0 件のコメント:
コメントを投稿