さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2012年3月16日金曜日
46回麻酔科専門医試験:口頭試問 症例7
52回まとめファイルについての最新情報は こちら から
51回専門医試験の体験記については こちら から
51回まとめファイル購入者の方々の結果と寄せられた声は こちら から
お問い合せ、体験談、筆記試験採点結果は classicanesthesia2@gmail.com まで
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
73歳の女性。身長150cm、体重82kg。子宮癌に対し広汎子宮全摘出術が予定された。高血圧がありカルシウム拮抗薬を内服し、血圧は正常範囲内にコントロールされている。膝関節症と下腿の痛みと発赤があり、日頃からあまり運動はしない。
質問
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を列挙して下さい。
②術前にどのような検査を行いますか。
2)麻酔法および術中管理
①硬膜外麻酔を施行するとしたらどのような点に気をつけますか。
②この患者の導入時の危険性について述べて下さい。
3)周術期管理
①導入後100%酸素でマスク換気を試みましたが困難でした。対処法について述べて下さい。
②術中呼気終末二酸化炭素濃度の急激な低下とSpO2の低下が見られました。何を疑いますか。その場合、他にどのような症状が現れますか。どのような対応をしますか。
4)術後管理
①術後深部静脈血栓形成の予防方法について述べて下さい。
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を列挙して下さい。
・高齢
・高度肥満
・婦人科悪性腫瘍手術⇒DVT中リスク
・高血圧
・下腿の傷みと発赤、運動しない⇒DVTリスク
②術前にどのような検査を行いますか。
・心エコー
・下肢静脈エコー
・採血(凝固系、D-dimerなど)
2)麻酔法および術中管理
①硬膜外麻酔を施行するとしたらどのような点に気をつけますか。
・おそらく術前術後に抗凝固療法を行うことになるため、スケジュールを確認しておく。
・単純に肥満があるため穿刺が困難な可能性がある。
②この患者の導入時の危険性について述べて下さい。
・高度肥満のため気道確保が困難な可能性がある。
3)周術期管理
①導入後100%酸素でマスク換気を試みましたが困難でした。対処法について述べて下さい。
・DAMのストラテジーを参考に。
・まずは応援を呼ぶ。
・アイジェルなどの声門上器具を用いる。
・気管支ファイバーやAWS、トラキライトなどの挿管器具を準備する(してるとは思いますが・・・)
・最悪緊急気管切開(キットなどで)
②術中呼気終末二酸化炭素濃度の急激な低下とSpO2の低下が見られました。何を疑いますか。その場合、他にどのような症状が現れますか。どのような対応をしますか。
・まずは術者に知らせ、麻酔科応援を呼ぶ。
・単純にSpO2の低下だけならば、チューブトラブルや肥満による酸素化不良などが考えられるが、EtCO2の急激な低下を伴うため、DVTによる肺塞栓症が最も疑わしい。
・迅速な診断を行うためTEE挿入。血液ガス採取も。
・循環が破綻していれば、循環管理を(輸液、ルート追加確保、カテコラミンなど)
・もしくは肺血流がほとんどなくなるほどの病態(心停止など)
4)術後管理
①術後深部静脈血栓形成の予防方法について述べて下さい。
・予防方法には
弾性ストッキング、間欠的空気圧迫、抗凝固薬使用(ヘパリン、ワーファリン)、下大静脈フィルター(エビデンス低い?)がある。
・これらを各リスクレベルに応じて使い分ける。
※詳細は近日中にまとめます・・
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿