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70歳の女性。身長150cm、体重50kg。高血圧症で内服治療をしていた。夕食後、急に激しい頭痛と嘔吐を来たし来院した。来院時の血圧は210/110 mmHgであった。頭部CT検査で左の被殻出血が認められ、緊急血腫除去術となった。
質問
1)術前評価と管理①この患者の術前状態における問題点を列挙して下さい。
②術前管理の要点を挙げて下さい。
2)麻酔法および術中管理
①麻酔管理の要点を列挙して下さい。
②麻酔法・モニターを選択して下さい。
③脳圧を規定する因子を挙げて下さい。
3)術後管理
①脳出血の術直後から数日間で発生しやすい神経学的合併症を挙げて下さい。
②その症状と予防法を説明して下さい。
4)周術期危機管理
①術中、徐々にSpO2が低下してきた。 FIO2:0.5時の動脈血ガス分析でpH7.38、
PaO2 70 mmHg、PaCO2 33 mmHgであった。何を疑い、どのような対応を行いま
すか?
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を列挙して下さい。
・比較的高齢
・高血圧症
・搬入時高血圧
・フルストマック
・脳圧亢進が疑われる
②術前管理の要点を挙げて下さい。
・血圧管理⇒降圧薬を用いてSBP140mmHg程度に維持する(脳出血周囲の組織のautoregulationは障害されていると考える)。
・問題文では意識レベルが不明であるが、意識レベルが低下しておりかつ嘔吐の危険があるようであれば気道確保(気管挿管が望ましいか)をする。ただし挿管時の血圧上昇には要注意。
2)麻酔法および術中管理
①麻酔管理の要点を列挙して下さい。
・血圧管理:虚血を防止するために脳潅流圧を保つ(灌流圧60〜70mmHg)
・脳圧管理:軽度低二酸化炭素血症に。過度の二酸化炭素濃度低下(PaCO2<30mmHg)は、出血周囲の組織の虚血をもたらす。
マンニトール投与
過度の輸液には注意する⇒脳浮腫を助長する。
静脈麻酔薬の投与(吸入麻酔薬は若干脳血流量を増加させ脳圧を上昇させる)
・血糖管理:糖尿病はないが、術中の高血糖は脳の虚血障害に悪影響を及ぼす。
②麻酔法・モニターを選択して下さい。
・麻酔:気管挿管による全身麻酔。プロポフォール、レミフェンタニルによるTIVA
・モニター:動脈ライン、中心静脈ライン
③脳圧を規定する因子を挙げて下さい。
・脳圧(脳潅流圧)=平均動脈圧ー頭蓋内圧
3)術後管理
①脳出血の術直後から数日間で発生しやすい神経学的合併症を挙げて下さい。
・痙攣
・脳浮腫による脳圧亢進症状(頭痛・嘔吐など)
・・・などでしょうか?
②その症状と予防法を説明して下さい。
※質問的にはSAH後の合併症を聞いているような雰囲気ですよね・・?
・出血⇒血圧のコントロール
SAH後の脳血管攣縮予防についての質問であれば、有名な3H
・Hypertension(高血圧)
・Hypervolemia(高循環血液量)
・hemodilution(血液希釈)
4)周術期危機管理
①術中、徐々にSpO2が低下してきた。 FIO2:0.5時の動脈血ガス分析でpH7.38、
PaO2 70 mmHg、PaCO2 33 mmHgであった。何を疑い、どのような対応を行いま
すか?・酸素濃度を上昇させる。バッグの硬さを確認し、聴診などを行う。
・チューブの屈曲:回路内圧上昇。適切に戻す
・気管支挿管:聴診、気管支ファイバー。適切に戻す
・分泌物:聴診、吸引
・気管支喘息:治療
・無気肺:分泌物があれば吸引し、PEEPをかける。必要なら慎重にブロー。
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