さらりーまん麻酔科医の専門医試験対策ページです。これからもよりよい対策資料を作っていきたいと思っています。 何かご相談などあればいつでもメールください。 ※ブログ引っ越しました。
2012年3月17日土曜日
46回麻酔科専門医試験:口頭試問 症例10
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72歳の男性。身長170 cm、体重61 kg。食道癌に対し食道癌根治術が予定された。3年前発症の陳旧性心筋梗塞の既往がある。2階まで階段を昇ることができる。高血圧がありカルシウム拮抗薬とアンギオテンシンII受容体拮抗薬を服用している。現在、1日20本程度の喫煙をしている。
質問
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を列挙して下さい。
②この患者の術前評価をして下さい。
③周術期のリスクについて説明して下さい。
2)麻酔法および術中管理①心筋梗塞の既往患者の術中管理について簡単に述べて下さい。
②何をモニターしますか。
3)周術期危機管理
①分離肺換気で右開胸中にSTが上昇し、血圧が低下しました。どのように対処しますか。
4)術後管理
①術後鎮痛はどのように行いますか。
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を列挙して下さい。
・高齢男性
・虚血性心疾患の既往
・高血圧
・喫煙歴あり
②この患者の術前評価をして下さい。
・階段を2階まで登ることができるため、NYHAはⅡ度程度、運動耐容能としては4METsは保たれていると考えられる。
③周術期のリスクについて説明して下さい。
・周術期の心合併症リスクは中等度(5%以下)※ACA/AHAガイドライン
2)麻酔法および術中管理
①心筋梗塞の既往患者の術中管理について簡単に述べて下さい。
・冠灌流圧を保つために、低血圧、頻拍を避ける。必要十分な輸液、輸血。
・冠血管拡張薬を使用(ニコランジルや亜硝酸薬)
・過換気を避ける
・シバリングは心筋酸素消費量を大幅に増加させるために、術中から保温に努める(温風式加温装置、温かい輸液)。
②何をモニターしますか。
・心電図
・動脈ライン
・中心静脈ライン
(フロートラック、プリセップの組み合わせでもいいと思います)。
3)周術期危機管理
①分離肺換気で右開胸中にSTが上昇し、血圧が低下しました。どのように対処しますか。
・術者に伝える
・応援の麻酔科医を呼ぶ
・一旦両肺換気に戻す。
・バイタルを保つ努力をする(輸液、昇圧薬)
・まだ食道を剥離中であれば慎重にTEEを入れてもいいかもしれない。
・状況が改善しなければ手術の中止も考慮。
4)術後管理
①術後鎮痛はどのように行いますか。
・PCEA(ロピバカイン+フェンタニル)
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