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2012年3月25日日曜日

44回麻酔科専門医試験:口頭試問 症例8


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81歳女性。身長163cm、体重49kg。前立腺肥大症に対して、経尿道的前立腺切除術が予定された。前立腺の重量は50gと推定された。3年前に軽度の脳梗塞を起こしたが、神経学的後遺症はない。それ以来アスピリン80mg/dayを内服していたが、3日前に中止されていた。
質問
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を列挙してください。
②術前のアスピリン使用について泌尿器科医から助言を求められた場合、どのように答えますか。局所麻酔(脊髄くも膜下麻酔または硬膜外麻酔)と関連させて答えてください。
2)麻酔法および術中管理
①どのような麻酔法にしますか。
②術中に低血圧、腹部膨隆、灌流液の戻りが悪い、めまい、腹痛、不穏、不快、不整脈が生じた場合は何を考えますか。
3)周術期危機管理
①高度の低Na血症(<120mEq/l)の場合はどのような対応をしますか。





1)術前評価と管理
この患者の術前状態における問題点を列挙してください
・高齢
・脳梗塞の既往
・アスピリン内服
術前のアスピリン使用について泌尿器科医から助言を求められた場合、どのように答えますか。局所麻酔(脊髄くも膜下麻酔または硬膜外麻酔)と関連させて答えてください
・TUR症候群を考慮すると、可能な限り意識下で麻酔を行いたいため、局所麻酔を選択したいこと。
・故にバイアスピリンはおよそ1週間前に、担当科(脳外科or神経内科)の許可を得て中止してもらいたいこと(バイアスピリン内服のみであれば脊髄くも膜下麻酔は施行する施設も多い)。
・中止が困難であれば、ヘパリンに切りかえて、手術4~6時間前に中止、術前にACT測定し150秒以下であれば穿刺する。
2)麻酔法および術中管理
どのような麻酔法にしますか
・脊髄くも膜下麻酔orCSEAで。
術中に低血圧、腹部膨隆、灌流液の戻りが悪い、めまい、腹痛、不穏、不快、不整脈が生じた場合は何を考えますか
・前立腺被膜穿孔
・TUR症候群
・またはその療法
3)周術期危機管理
高度の低Na血症(<120mEq/l)の場合はどのような対応をしますか
□術者に異常を伝え、できるだけ早く手術を終了してもらい、灌流液を生理食塩水に交換する
□必要なら呼吸管理を行う。
□生理食塩水の投与と利尿薬(フロセミド)の投与。高張食塩水を投与するなら100ml/h以下の速度で。一日に10mEq/l以上の補正を行わない。
□必要なら動脈ラインや中心静脈ラインを留置し、集中治療室管理。

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