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53歳女性。身長158cm、体重70kg。頭頂葉にある径5cmの髄膜腫に対して、開頭腫瘍摘出術が予定された。高血圧に対してアムロジピンを内服しているが、血圧は160/90mmHgである。うっ血乳頭を認め、1週間前からプレドニゾロンを内服している。
質問
1)術前評価と管理①この患者における問題点を列挙してください。
②頭蓋内圧はどのように評価しますか。
2)麻酔法および術中管理
①麻酔法およびモニターは何を選択しますか。
②術中の脳保護、頭蓋内圧管理の要点について説明してください。
3)周術期危機管理
①手術が終了したが、患者が30分しても覚醒しない。鑑別診断および、どのような処置をする必要があるかについて述べてください。
1)術前評価と管理
①この患者における問題点を列挙してください。
・肥満
・高血圧
・頭蓋内圧亢進状態
・ステロイド内服中
②頭蓋内圧はどのように評価しますか。
頭蓋内圧亢進症状
(自覚症状)頭痛 嘔吐 かすみ目 複視などの評価
(他覚症状)うっ血乳頭 眼球運動障害(一側の外転運動障害が多い)徐脈 血圧上昇
瞳孔不同 意識障害
(CT)正中偏位 脳室・脳溝の圧排 脳浮腫
2)麻酔法および術中管理
①麻酔法およびモニターは何を選択しますか。
麻酔法
プロポフォール、レミフェンタニルによるTIVA。
モニター
通常モニター BISモニター 動脈ライン CVP など
②術中の脳保護、頭蓋内圧管理の要点について説明してください。
・薬剤はプロポフォールとレミフェンタニルを使用する。
・軽度頭高位
・軽度過換気とする(PaCO2 30~35mmHg程度)
・脳浮腫を防ぐため過剰輸液を避ける
・マンニトールやグリセオールなどを投与。
・高体温を避ける(軽度低体温をする施設も)
・高血糖を避ける
3)周術期危機管理
①手術が終了したが、患者が30分しても覚醒しない。鑑別診断および、どのような処置をする必要があるかについて述べてください。
大きく分けて患者要因、麻酔・薬剤要因
1)患者要因
Ø 肝機能・腎機能障害
Ø 甲状腺機能低下症(コントロール不良だと基礎代謝が低下しており、心拍出量低下、体温低下などで)
Ø 中枢神経系疾患(脳梗塞・脳出血)
Ø 高齢者(臓器クリアランスの低下と分布容量の増加により血中濃度が増加傾向。高齢者は薬力学的変化はほとんど認められないが、薬物動態は若年者とくらべて大きう変化する
Ø 肥満(吸入麻酔はほとんど関係ないらしい)
2)麻酔・薬剤要因
Ø 薬物過量投与
Ø 薬物相互作用
Ø 電解質異常
Ø 偶発的低体温
3)長時間手術
Ø 大量出血・輸血
Ø 脳外科手術など
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