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2012年3月23日金曜日

44回麻酔科専門医試験:口頭試問 症例2


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39歳男性。身長165cm、体重100kg。3日前にバイクの転倒事故を起こし骨盤と右上腕骨を骨折した。右上腕骨に対して、観血的整復術が予定された。
質問
1)術前評価と管理
①この患者の問題点を列挙してください。
②肥満があると、麻酔管理上、どのような問題がありますか。
2)麻酔法および術中管理
①どのような麻酔法にしますか。使用する麻酔薬、使用量も含めて説明してください。
②深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症予防のためにどのような対策を行いますか。深部静脈血栓症のスクリーニングとしてどのような検査がありますか。
3)術後管理
①術後管理上の注意点を列挙してください。
4)周術期危機管理
①局所麻酔法を選択した場合、起こり得る合併症を列挙してください。
②局所麻酔薬注入後に患者が痙攣を起こしたらどのように対処しますか。






1)術前評価と管理
この患者の問題点を列挙してください
・高度肥満
・外傷後(骨盤骨折後)臥床が続いている⇒深部静脈血栓症のリスクを考慮
肥満があると、麻酔管理上、どのような問題がありますか
・高血圧、糖尿病や虚血性心疾患の合併率が高い
・気道確保が困難な可能性がある(特にSASなどがある場合)
・深部静脈血栓症のリスク
・胸郭コンプライアンスが低下(肺コンプライアンスは保たれる)。気道内圧に注意
・FRCが低下、酸素消費量増大のため、無呼吸で容易に低酸素血症になりうる。
・背側の無気肺が生じやすい。
・体位などで圧迫をうけると皮膚循環障害や神経障害をおこしやすい(特に糖尿病患者)
胃液量も多く、pHも低い。胃食道逆流や食道裂孔ヘルニアの合併が多いことや腹腔内圧の上昇などから、特に病的肥満の場合の誤嚥のリスク高(胃内容の排出は速いらしい。)
2)麻酔法および術中管理
どのような麻酔法にしますか。使用する麻酔薬、使用量も含めて説明してください
・気管挿管による全身麻酔
レミフェンタニル0.3γ、プロポフォール150〜200mg、ロクロニウム50mgで導入。維持はプロポフォール・レミフェンタニルによるTIVA。
・腕神経叢ブロック(手術中は覚醒下で)
横隔神経ブロックを考慮すれば腋窩法が無難であるが、上腕の手術であるので厳しいか。髄内釘なら斜角筋間ブロックが必要になるか。全身麻酔に併用する程度であれば腋窩でもよいかもしれない。
局所麻酔薬はアナペイン(極量は3~4mg/kgと言われている)を30ml程度か、メピバカインを用いる。ほとんどやったことがないのでよくわかりません・・・
深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症予防のためにどのような対策を行いますか。深部静脈血栓症のスクリーニングとしてどのような検査がありますか
対策
・間欠的空気圧迫法もしくは弾性包帯
・抗凝固は術前なので使用しにくいか・・?
検査
・静脈造影や造影CT
・下肢静脈エコーなど
・D-dimer
3)術後管理
術後管理上の注意点を列挙してください
・どちらの方法をとっても、呼吸への影響で低酸素血症になりやすい。
・鎮静剤や鎮痛剤(ペンタゾシンなど)を使用すれば、舌根沈下による上気道閉塞がおこりやすい。
・DVTに注意
(肥満一般の術後管理となれば)
・IHD発症に注意
・血糖コントロール
などが加わるか。
4)周術期危機管理
局所麻酔法を選択した場合、起こり得る合併症を列挙してください
・横画神経ブロックによる呼吸器系への悪影響(腋窩法でした場合はなし)
・動脈内誤注入による局所麻酔薬中毒、誤穿刺による出血、など
局所麻酔薬注入後に患者が痙攣を起こしたらどのように対処しますか。・ジアゼパムやミダゾラムを静注し痙攣を止める。
・酸素投与、気道確保。必要なら気管挿管
・バイタル管理

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