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70歳男性。身長163cm、体重55kg。C型肝炎による肝硬変のため、内科的に管理されていた。食道静脈瘤がある。肝右葉に径8cmの腫瘍が発見され、肝右葉切除術が予定された。血小板数6.5万、血清アルブミン3.0g/dl、プロトロンビン時間20.4秒であった。
質問
1)術前評価と管理①この患者の術前状態における問題点を、列挙してください。
②術前に必要な検査を挙げ、肝機能評価法について説明してください。
2)麻酔法および術中管理
①麻酔法を選択し、その理由を説明してください。
②麻酔導入の方法と使用する薬剤について、具体的に述べなさい。
3)術後管理
①術後鎮痛の方法を具体的に説明してください。
4)周術期危機管理
①肝静脈剥離中に、血圧の著明な低下、呼気終末二酸化炭素分圧の低下を認めました。どのように対応しますか?
1)術前評価と管理
①この患者の術前状態における問題点を、列挙してください。
・高齢
・肝硬変(C型肝炎)で凝固能異常、血小板減少、低アルブミン血症が見られる。
②術前に必要な検査を挙げ、肝機能評価法について説明してください。
・心エコーやスパイロなどの一般生理検査
・CTや腹部エコーで腹水の有無をチェック
・採血(ChEやAlb、アンモニアなど)
・ICG試験
など
2)麻酔法および術中管理
①麻酔法を選択し、その理由を説明してください。
全身麻酔単独
硬膜外は凝固能低下と血小板減少があるので行わない。
②麻酔導入の方法と使用する薬剤について、具体的に述べなさい。
・導入はプロポフォール、ロクロニウム、レミフェンタニルで導入。維持はプロポフォール、レミフェンタニルによるTIVA。筋弛緩薬はTOFをモニターしながら適宜使用。
・大量の腹水が見られる場合にはフルストマック症例として対応し、迅速導入を行う。
3)術後管理
①術後鎮痛の方法を具体的に説明してください。
・フェンタニルによるIV-PCA
4)周術期危機管理
①肝静脈剥離中に、血圧の著明な低下、呼気終末二酸化炭素分圧の低下を認めました。どのように対応しますか?
・肝静脈剥離面から流入した空気塞栓が最も疑われる。
・食道静脈瘤があるためTEEは挿入しにくい。
・CVカテーテルが留置されているはずなので、そこから可能な限り吸引を試みる。
・輸液、昇圧薬使用でバイタルの維持に努める。
・だめなら蘇生、PCPS。
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