筆記試験
やはり過去問をある程度の年数分、何周も回すことが王道なのでしょう。
当然私もそうしようと思い、そうしたかったのですが、大多数の麻酔科専門医受験生の方々がそうであるように、日々の業務に忙殺され、麻酔中に勉強できるような症例もあたらず、うちに帰ったら風呂入るのもめんどくさい!くらいの勢いで働かされる学年ですので、勉強時間の確保が一番大変でした(お風呂は入ってます、さすがに)。
じっくりコツコツ勉強できるタイプでも無かったので、本当に本気で勉強したのは1ヶ月くらいでした。
昨年合格した先輩からいただいた過去問が2011年のものだったので、それを初めて開いたのが GW後でした。A問題から1問ずつ解き始めたんですが、「こんなの初めて聞いたよ!」って問題が多すぎて、 1問ちゃんと見るのに10分以上かかる始末でした。このままのペースだととても間に合わないと気付いたのが 7 月手前で、そこから方針を変えて、とにかく一周しようと思い、とっつきやすい C問題から解き始めました。正解であろうとなかろうと時間を決めて 50問すべて解き、採点して間違えたところに付箋をつけて、という風にしました。そうしても普段はなかなか勉強する時間を取れず、 2011年度の問題を解き終わったときにはもう 8月に突入していました。
ペースアップのために、2013、2012を同じ形式で解きました。 3年分一周すると、毎年出る問題と苦手分野がわかってきました。が、この時点で 9月に入ってしまい、もう本当にヤバいという状況に追い込まれました。先輩から、「 A問題で稼がないと絶対にムリ!」と言われていたので、とにかく A問題だけはもう一周しようと思いました。
一周目で付箋を貼るときに、解剖、生理、計算問題、と色分けして貼っていたので、二周目は問題を解きながら、それぞれの要点のみ殴り書きに近い形でノートにまとめました。また、一度出た計算問題は絶対にできなきゃいけないと思ったので、そこだけは三周しました。なので、 BとCに関しては計算問題だけ三周で、その他の問題は一周しかできませんでした。
時間は無情に過ぎるもので、筆記試験まであと1週間というところで、 2010年度の問題を一周しました。計算問題だけは三周しました。
筆記試験の前日は三宮のホテルに泊まることにしました。高速が空いていれば家から 50分くらいで試験会場に着くはずですが、事故渋滞などの予測がつかないし、前日は詰め込み作業を誰にも邪魔されずにしたいと思ったので、ホテルを取りました。 15時にチェックインしてから、直近3年分の A問題で間違えた問題のみ見直したあと、ホテルの前にあったココイチでカツカレーを食べて気合をいれました。ホテルに戻ってお風呂に入った後、ベッドに横になって 2010 年分を見直していたら気を失ってしまい、気付いたら朝でした。
試験当日はホテルで朝食をとった後チェックアウト。お弁当を頼んでなかったので、ホテルの隣のコンビニでパンを買い、車でポーアイに向かいました。
少し早目に着いたので、駐車場の車の中で気になっていたところのノートチェックをして、集合時間の五分前くらいに会場入りしました。ノートだけ持ち込み、問題集は車に置きっぱなしにしました。どうせ見ないと思ったからです。
試験勉強が足りていないことは自覚していたので、とにかく時間いっぱい粘ろうと、途中で帰ったりしないぞと、正に、気持ちだけで臨んだようなものでした。
結果は、A問題73%、B問題58%、C問題72%で合格でした。
A問題の得点率の低さが試験勉強不足を反映していますが、日々の麻酔や論文漁りを真面目にやってきたこと、 ICUにもそれなりに頭を突っ込んで勉強してきたこと、が C問題でそこそこ役立ったように思います。
ただやはり確実に点を取れるのはA問題だと思うので、来年以降受験される先生方は、少なくとも 5年分は問題文を見ただけで選択肢がなくても答えられるくらいにしたほうが良いと思います。できたら 6年分やったほうがいいかもです。
また、管理困難な症例に当たったら丹念に文献を漁るとか、最新のガイドラインに触れるとか、ショック患者の麻酔を積極的にかけたり手伝ったりとか、 ICUとか心外を嫌がらないとか、ありきたりな意見で本当に申し訳ないんですが、とても大事だと思います。
とにかくこの専門医試験てのは、麻酔科医として非常に忙しさが増す時期に受けなければならない(義務ではないが)ので、勉強時間の確保が一番困難です。私は最後の一ヶ月くらいは、病院からいったん帰宅して家内と夕食を済ませた後、 21時過ぎから 24時くらいまでマンガ喫茶に通い詰めで勉強しました。
普通に勉強すれば楽に通る試験だと思います。逆に勉強してないと必ず落ちるので、コツコツできるひとは一年くらいかけてコツコツと、そうでない人も何とか勉強時間を確保してお勉強することをお勧めします。
口頭試験
私は関西地方なので、二日目でした。試験前日は、既に終了している関東地方の友人たちから情報を集めまくると同時に、始業点検の確認と輪状 甲状間膜穿刺の確認、気管支ファイバーなど、復習しました。また、青本もできるだけ読みました(特に普段やってない上肢の PNBについて)。
具体的なお話はすでにアップされているので、症例呈示と概要のみ記します。
1. 85歳女性。小さいひと。COPDに対して3年前から在宅酸素療
2. 出生0日。48cm , 2.5kg。36週で帝王切開で出生。Apgar 7/9。C型食道閉鎖に対して手術することになった。
コミュニケーション問題
29歳女性。反復性肩関節脱臼に対して全麻で整復術予定。
1で聞かれたこと
(CXPを提示されて)術前の問題点は?
呼吸機能の改善のために術前にやっておきたいことは?
予定時間二時間くらいで手術することになりました。麻酔は全麻+
エピスパでやることになりました。予定は二時間。エピはTh8/
術中、患者さんが鎮静を希望したのでDEXで鎮静することにしま
閉腹のところで、患者さんが痛みを訴え、
無事に手術は終わりました。
2で聞かれたこと
Apgar scoreを説明してください。
食道閉鎖に合併すること、3つ答えてください
C型閉鎖の気管食道瘻はどこにありますか?
導入時はどうしますか?
術中輸液はどうしますか?
右開胸で一期的手術します。麻酔管理上の問題は?
無事に手術は終わり、挿管、胃管留置のままICUに帰ります。
ICUに着きました。申し送りをしてください。
コミュニケーション問題
(試験官は患者さんという設定)患 明日手術だけど、明日もピルのんでいいんですかぁ?
オレ いや、飲まないでください。というよりも、
患 えーっ、じゃあ私手術できないんですか?
オレ はい。ピルを飲んでいると血栓といって、なんたらかんたら。
患 でも、婦人科の先生は飲んでいいって言ってたもん
オレ 婦人科の先生とはまたお話させていただきますが、
ってとこで、チャイム
でした。食道閉鎖、死亡。。。(涙)
実技試験
1. 超音波ガイド下内頚静脈穿刺。
2. ACLS (挿管されてる、ルートもある、HR 30bpm、脈触れない)からスタート。心マ、投薬、波形確認、
3. イレウスのRSI、輪状甲状間膜穿刺
4. 始業点検
でした。
最後になりましたが、発注がものすごく遅れたにも関わらず、迅速な御対応をしてくださったサラリーマン先生、本当にありがとうございました。
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