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2014年10月17日金曜日

体験談㉛(第53回麻酔科専門医試験)



◎アプローチ
筆記 
過去問7年分を準備して4月ごろから開始した。
麻酔に載っている過去問をコピーして実際の試験形式でやっていった。
ファイルおよび解説を確認しながらの作業の繰り返し。
7年分を1回したらおおよその感じがつかめた。
実際にはやったのは7年分を2回と5年分を3回くらい

口頭
本格的にやり始めたのは筆記がある程度落ち着いてきた9月半ば
同僚と共に実際に声に出して練習

実技
麻酔科学会のガイドラインなどで再確認
ACLSと麻酔器始業点検ぬけが内容に確認しながら。
過去に実技試験にでた項目は、普段の症例のときからイメージして取り組む。

◎試験
筆記
A問題はほぼ過去問通り 95%
B問題は難易度が高く、自信を持って答えられるものは多くなかった 65%
C問題は例年通り? 75%
B問題にはがっかりしたが、全体的にはまずまずな印象

口頭・接遇
2日目12時集合組

85歳、140cm、45kg、COPDで在宅酸素療法中
FVC800ml、FEV1.0 350ml、回盲部癌に対して回盲部切除を予定

  • 術前問題点⇒高齢、COPDHOT、低肺機能…
  • 麻酔方法はどうしますか?(全麻epiCSEAか)CSEA
  • 選択した理由、メリットとデメリット⇒自発呼吸を温存できる。悪心、嘔吐などの反射、あまり鎮静しないのであれば術中安静などを患者がストレスと感じる。
  • 低吸器機能に対して術前にどのようなことを行いますか?⇒呼吸リハ、ネブライザーで排痰コントロール、・・・・・・・吸入療法ステロイド
  • 硬膜外麻酔併用脊髄くも膜下麻酔で行うことにしました。Epi Th9/10あたり
  • 脊髄くも膜下麻酔に使用する薬剤は?必要な麻酔レベルは?0.5%等比重ブピバカイン、Th4です。
  • 術中の硬膜外麻酔の合併症は?⇒……(硬膜外麻酔の?SpinalTh4まで効いているのに?)交感神経遮断に伴う血圧低下、肋間筋麻痺による呼吸苦が考えられます。
  • 鎮静を行うことにしました。DEXを使用します。どのように使いますか?⇒ローディングが必要です。量は・・・・・・出てこない。μg/kg/hrと単位のみ、維持 0.2-0.7μg/kg/hr
  • 閉腹時硬くて閉じれないがどうしますか…全身麻酔であれば筋弛緩薬を追加投与するんですが・・・・Epiを追加投与します。
  • あと短時間であれば鎮静・筋弛緩薬投与してマスク換気を行い、閉腹後筋弛緩のリバースをするというのも1つの方法だと思います。


0生日、45cm、2.5kg、APGAR /9気管食道瘻(C型)で手術予定
  • APGARスコアとは?⇒胎児の評価項目で皮膚、心拍数、筋緊張、呼吸、刺激への反応を評価していきます。
  • 術前の問題点、注意することは?⇒他の合併奇形(特に心奇形)など他には一般的な新生児の注意点などを言ったとおもいます。
  • C型の瘻孔の場所は?⇒気管分岐部の付近
  • 麻酔の導入方法は?⇒陽圧換気を行うと誤嚥のリスクが高くなるのでできれば、自発呼吸を温存してslow induction 。食道盲端の貯留物を吸引できれば行う。
  • 挿管チューブのサイズは?3.0㎜でトライするが、前後のサイズは準備しておく。
  • 術中輸液はどうする?⇒低血糖になりやすいので5-10%糖液。細胞外液を使う
  • 写真問題⇒左右気管支と食道気管ろうを示す。
  • SpO2プローベを2つ付けました。その理由は?⇒動脈管開存の可能性あります。動脈管を介して肺動脈血が大動脈へ流れると上下肢でSpO2値が異なる可能性があります。
  • 一期的根治術を行います。術中の問題点は?⇒低酸素と誤嚥のリスク。誤嚥は常に注意が必要です。
  • 手術が終わりICUに入室することになりました。ICU Drに申し送りしてください。⇒術中の呼吸、循環に関することを中心に術中輸液量、循環作動薬の使用の有無、呼吸器設定、チューブサイズ・深さなど
29歳女性、反復性肩関節脱臼?全身麻酔下に手術が予定された。
ピルを内服していたことがわかった。
内服して手術をおこなうことのリスク、緊急性のある手術ではないので休薬してから手術をおこなうのが望ましいなどを説明。
休薬期間に関しての質問があったが、知識不足でわからなかった。
「大事なところなのでしっかり確認してからお話します」と返答

実技
US-CV、PNB(斜角筋間)
 ボランティアで内頚静脈、斜角筋間アプローチの画面描出
 動脈と静脈の確認方法
 周囲の構造⇒内頚静脈、総頚動脈、前斜角筋、中斜角筋、胸鎖乳突筋など
  人形でCV穿刺(ガイドワイヤまで
 質問:穿刺の体位は?
    感染予防に行うことは?

ACLS
導入後このようになりました。
HR30、頸動脈触知せず。
挿管済、除細動器もスタンバイ
波形は?⇒PEA
どう対応しますか?
⇒(すでに物は準備されている、人は何もできない研修医のみ)CPR開始
2分間胸骨圧迫する。(押す場所、強さ、深さなど圧迫しながら答えた)
時間をはかってもらう
薬は?⇒アドレナリン1 iv 生食後押し、上肢拳上、3分ごとの考慮します。
2分後パルスチェックでVF⇒除細動⇒すぐ胸骨圧迫再開して終了

迅速導入、外科的気道確保
 イレウス患者の緊急手術
 導入方法は?⇒迅速導入
 準備するものは?⇒挿管チューブ各サイズ、スタイレット付き、AWSなどの挿管補助具、吸引、輪状軟骨圧迫や薬剤投与をしてくれる人など
 実際に行う(薬量も含めて)
 ⇒高流量酸素投与を3-5分、プロポフォール1.5/kg、ロクロニウム1.2mg/kg投与し意識消失確認後輪状軟骨圧迫を行ってもらう。薬剤投与1分後に挿管する。(喉頭鏡でeasy
気管内にチューブが留置できたことをした後に輪状軟骨圧迫を解除してもらう。 

外科的気道確保が必要になりました。
どこから穿刺しますか?⇒輪状甲状間膜
実際に行う。
麻酔器始業点検
 補助ボンベは終了しているところからスタート
 型のごとくすすめていくだけだった。

一番の気になっていたのは口頭試問で
気管食道瘻(数年前に1度担当したもののあまり記憶にない)の
問題は筆記試験でもでていたので、青本の気管食道瘻の箇所を含めて
復習しました。(B問題の自己採点は難しかったため非常にやりにくかったですが、結果的にはよかったです。)
試験官による誘導はほとんどなかったです。複数回答の質問で規定数答えられなかった場合も、まあいいでしょうとどんどん進んでいく感じでした。ただ、落ち着いて考えればポイントを外さなければ何とかなるような印象でした。
後で振り返ってみると、「こういっておけば・・・」とおもうところはありましたが、緊張感のある中でうまく表現することのむずかしさを実感しました。

先生のまとめ資料大いに役立ちました。ありがとうございました。


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